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[ Symbolizm ] 象徴の見方:最も古き13

 本件は [ Symbolizm ] 象徴の見方:13と死 の続きとなります。未読の方はこちらからどうぞ。


遡る

 少々復習しながら進めます。前回、「13は生死の両方を示している」と申し上げました。その視点で前回の象徴を遡ってみましょう。今回はしっかり生死が読み取れますよ。

 騎手の持つ旗には「生の象徴」である「五枚花弁の花」が、背景にも「光」が描かれ、聖職者の衣も「光」が象徴されております。


 金曜日は「女神フレイヤの日」であり「金星の女神」の象徴。13で死を、金曜日で「生」を象徴しております。そして、年に1,2回しかない特別な女神の日に死んだ英雄は1119年創設のテンプル騎士団団長ジャック・ド・モレー。彼の物語はヒラム伝説と同じく「死にゆく神の物語」。つまり「死と復活の物語」


 この最も有名な死にゆく神の物語のワンシーンでは、磔られたイエスで死を象徴しておりますから、下にある13段の階段で生を象徴します。ここで思い出して下さい。前回の記事のゴルゴ13の解釈を。逆でしょ?イエスが磔られたゴルゴダの丘の「階段が13段」だから「13は不吉であり死」と結びついております。本来の意味を知らねば真逆の概念が刷り込まれたままなのです。では本来の意味について参りましょう。


本来の意味

 これらの意味するところは原始の三位一体「1+2=3」、または原始の三位一体が物質界に下降した姿「3・4・5」です。つまり、どちらにせよ「最も古き者」「最も古き父母」を擬人化した象徴。

↑この原理を擬人化するとこう↓

東ローマ帝国の紋章。

その意匠を受け継ぐコンスタンティノープル総主教庁の紋章。

 ご存知の神聖ローマ帝国の「双頭の鷲」の意匠としても使用されております。

 "双頭"はスコティッシュライトの象徴でも使用されています。

 よく「ダブルヘッドの象徴」を見てすぐに「フリーメイソンだの神聖ローマだの」と安易に結びつけますが、同じ象徴主義を使っていて、最も古き者をどうやって象徴するかにおいて、たまたま意匠が同じだけで、組織が繋がっているとかではありません。この記事で書いたダンマークみたいに目の前にある露骨なのはスルーなのに、こういうのは無駄に繋げて時間を無駄にしてしまいます。ご注意を。

 ではクロウリー先生の両性具有の神についての言葉を見てみましょう。
※(注意事項ですが、両性具有ってのは"性器が両方ついている"と思いがちですが、”性別なき者”と表されることもあります。ご注意を)

 双頭の鷲が、象徴の周りに群れ集っている図はこの概念の描写である。究極の意味は、本来の神は男女両性で、このことはカバラの根本原理だということである。

アレイスター・クロウリー

 つまりは、クロノスやオシリスもただの死神ではなく「生死」両面を持つということ。「クロノス / サトゥルヌス」は元は「農耕神」で「豊穣」の属性も持ちます。故に「農具の鎌」を持っておりますが、いつの間にか「死神の鎌」になり、本来持っていた多くの意味が失われてしまいました。このことについてクロウリー先生の言葉を引用します。

 サトゥルヌスを老衰と魔性の象徴に変えてしまったのは、いつにブラック・ロッジが「死にゆく神信仰」を誤解し、醜怪化・歪曲化したために他ならない。 

アレイスター・クロウリー

 死にゆく神信仰ってのは何度も申し上げている「死にゆく神の物語」のこと。ほとんどの神話の密議の雛形はこれ。故に「死にゆく神の物語」の意味と解釈方法が頭に入っていなければ象徴のほとんどは理解できません。


最も古き13

 13が結びつけられた最も古き神は古代エジプトのオシリスで、その物語が「死にゆく神の物語」。これが元ネタというか雛形。大体の象徴は古代エジプトに帰結します。その上で本質を象徴します。

 簡潔に申し上げれば、「闇・生命・光」の繰り返しを象徴するとき、オシリスの物語をそのまま使う訳にはいきませんから、自分のところの救世主の死にゆく物語に置き換えて象徴するということです。はっきり言っちゃいますと、大衆には自分達がリメイクした神話をあてがいつつ、自分達はしっかり元ネタを理解し祀っているということ。以下の動画はとても珍しい「元ネタ」が記された「KJV」です。同じ本を読んでいても、読み手の知識に応じて内容が違うのです。例えば、エジプトの「アメン」を知っているのとそうで無いのとでは、十字を切った後に言う「アーメン」の意味が違ってきますでしょ?


 では最も古い死にゆく神の物語から13の意味を見てみましょう。

 オシリスは全部で「14の部位」にバラバラにされました。妻であるイシスはバラバラの体を集め復活を試みましたが、男根だけは魚に食べられてしまい見つけることが出来ませんでした。それゆえオシリスの体は「13」の部位しか集まらなかったため復活は出来ず、冥界へ留まり死者の国の王となりました。

大切なことは14と13の違い。次のオシリスの象徴で理由が分かります。

 親指が数10、残りの指で数4を示し、合計14。故に14の部位にバラバラにされたオシリスを象徴します。また、指の節の数を数えてみて下さい。親指は2、それ以外の指は3です。「2節 + 3節×4本指 = 14」。手のひらの魚は、オシリスの男根を食べてしまった魚です。そのため、イシスは13の部位しか集められず、オシリスを復活させることが出来ませんでした。指の節の数14から手のひらの魚の数1を引いて下さい。「14 − 1 = 13」

 つまり、"数14"は男根付きの"完璧なオシリス"、"数13"は男根を失い"冥王となったオシリス"を示します。

 冥王オシリスと13が結びつきましたか?ではここからは幾何学的Decodeです。13の冥王オシリスが示す幾何学です。


13と幾何学

 正方形の中の、六手の一筆書きで描ける上下対称の幾何学の交点は全部で「13点」です。その形は古き男女の象徴がまぐわっているかのよう。

引用:Divine Ratio

 「13」と「生死」が結びつきましたでしょうか?ここで思い出してください。オシリスは14の部位にバラバラにされ、男根が失われ13部位しか集まらなかったため復活できませんでした。ですから、上記のようにまぐわったとて子は生まれません。つまり13では「男根 / 1」が足りぬため完璧では無く、冥界に留まったままなのです。この幾何学に男根を足した時、オシリスが地上に復活します。

では冥界の王オシリスの復活の儀式を執り行います。


復活の儀式

冥界(二次元)から地上(三次元)へオシリスを復活させます。

 ではまず冥界のオシリスを地上へ引っ張り出します。この時、古き聖人バーナードの言葉を使用します。

 聖人の言葉通りに「長さと幅」の世界に「高さと深さ」を追加します。二次元のオシリスを三次元に引っ張り出すということ。

 しかしこれではまだ二次元のまま。冥界に横たわるオシリスといったところ。ここに失われた男根を加えることで冥界の王が現世に復活できます。失われた男根の、現世の姿を覚えてますか?

この現世の男根を、冥王オシリスに捧げ復活させます。

では参ります。


冥界の王の現世の姿は
あの古き遺物と同じです

現世に復活した冥界の王の姿が見えましたか?

そりゃそうなんですよ。
オベリスクの元ネタはベンベン石ですから。

この石にオシリスの使いであるベンヌがとまったとされます


ただしこれは半分の姿。本質は八面体。

光があれば闇がある。
上があれば下がある。
上が男根なら下は子宮。

この世は似て非なる対からなる調和の世界ですから。

 故にピラミッドの本質は八面体。光の上と、闇の下で構成された八面体。古くから洞窟や地下は子宮と考えられていました。地上に男根があるなら地下に子宮があるのは当然のこと。ルーブルだってそうでしたでしょ?

受胎告知と聖杯』より


男根の象徴化

 なぜこれ程までに男根を象徴化するのか?それはきちんと意味があってのこと。カバラ&バビロニアの宇宙論を思い出して下さい。


 円周から中心に向かいどんどん物質化します。セフィロトで言うなら、至高世界の3つ「ケテル・コクマー・ビナー」は一番外側に位置します。

 これを人間に当てはめますと、頭が至高世界であり、物質化を司る性器が物質界である下位世界を示します。古来、性器はいやらしいものではなく、生命を作り出す神聖な部位。生命に息吹を吹き込む男根と、生命を生み出す子宮。イメージとしてはこんな感じ。スケールが下がっていきながら物質化してゆく様が分かりますか?原始の三位一体→黄道十二宮→太陽系→地球。


現実世界に復活したオシリス

 さて、覚えた智慧を使い現世を見てみましょう。「冥界の王」と「母なる大地」がまぐわい「子 / 形」をなす。この三位一体を理解していれば、現代のオシリスとイシスの姿も認識できます。

母なる大地イシスの女性器を、冥王オシリスの男根が貫いてますでしょ?
地上の支配者は「頭の上に椅子を乗せたイシス」ですから、大地に描かれたイシスの女性器を、さらに下の冥界から突き上げるって感じ。



まとめ

 ですから太陽の象徴があるなら、同じくらい男根や女性器の象徴があって当然のこと。「生死」は分けるものではないのですから。ただ我々の世界は、太陽崇拝は良いもので、それ以外は異教・邪教との概念が構築されておりますから、古き人々が太陽と男根をマジで拝んでいたという事実が笑い話にされてしまいますし、「オベリスクや教会の尖塔は男根だ」と言ったなら、なんでも珍子にしてしまう変態おばちゃんと言われてしまいます。
 ヒュパティアの時代と然程変わらぬ現代。我々の善悪はいつの間にか勝手に振り分けられ、おかしな概念が構築されております。自分が当たり前だと思っていることでさえ、間違っていることが殆ど。そもそも知らないのですから間違いを正すことはできません。刷り込まれた間違いを正すその唯一の方法は、正しいことを知る以外にないのです


言葉より古き13

 この13点の幾何学のルーツはとても古いもの。どれくらい古いかと申しますと、言語ができる遥か前です。つまり菱形の象徴は宗教ができる遥か以前の象徴です。もちろん、死にゆく神の物語が成立するずっとずっと前。そしてこの菱形が何を示しているのかと申しますと、ご覧の通り「時間」です。



ストレートなクロウリー先生はこうやって表現します☟


スイス・ベルン州の紋章


現代の魔女のわたくしはこう☟
7(芒星)+6(角形・面体・方位)=13(点)

As Above So below』P40


イーロンはこう☟



メイソンはこう☟



そして最後にもう一度。最も古き象徴はこれ

 ですから「菱形の象徴」を見て何でもかんでも「メイソンだ〜」ってのは馬鹿なことだって理解できました?「言葉よりも古い13の幾何学=菱形」を知らないから、菱形の象徴を見るとなんでもメイソンにしちゃうのです。コンパスと定規を用いて菱形を象徴しているだけのこと。中心のGの意味だって「地面を測る」って意味の「G」ですからね。

なんでもメイソンのせいにしている人は、
知っているように見せかけている”知らない人”ですから、
真に受けちゃダメですよ。

フリーメイソンはあちらにとって屏風であり仮面ですからね。

そしてもう一つ。

 光は生命の現れであり、それゆえに生命より後のものである。光に先立つものは闇であり、その中で光は一時的に存在するだけであるが、闇は永遠に存在する。生命は光に先行するため、その唯一の象徴は闇である。

マンリー・P・ホール

 至高世界の三位一体の概念もお忘れなく。このマンリー先生の言葉が示すは「始まりの点」のこと。黒い部分が闇であり、中心点が生命の始まりであり光です。この実体を持たない理を物質界の地球上で象徴化するなら男根となるわけで、その象徴化の物語の中で最も古いものが「オシリスが主人公である死にゆく神の物語」。そして、現代の象徴のほとんどは↑これが元になっておりますので、知らねば見えぬ何事もとなってしまうわけです。

知ることの大切さをご理解いただけましたでしょうか?

 さて、本シリーズで太陽神と死神、光と闇、生と死、これらは決して"分けるものではない"ことと、古くから"性器が象徴化される理由"の両方がしっかりとご理解いただけたかとおいます。また、光と闇の正しい概念も構築できたのではないでしょうか?

 そしてこのシリーズはまだ終わりません。来週はいよいよ星に捧げられた街である「聖都 D.C」についてです!

 では本件はこれにて締めとさせて頂きます。あなた様の心にわたくしの13が届きましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。


おまけ


知らねば見えぬ何事も。
本を読まぬ者に何が分かるというのでしょう?
なんでも失われてからでは遅いのですよ。


新刊:『Divine Ratio Re:Decode』

本:『As above So below』

アパレル&小物:Cavalier Camp

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