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演じているだけ / 葬送のフリーレン

「理想の大人を目指して、大人のふりをして、それを積み重ねてきただけです。」

アニメ葬送のフリーレンの、ハイターの台詞がすごく好き。大人っぽくなったね、と言われたあとのことば。
共感…と言い切っていいのかはわからないけれど、すごくすごく、「そうだよなぁ、ただ演じているだけなんだよなぁ」と心に沁みた。

わたしも大人の年齢だけど、大人になったなというよりも「大人ができるようになったな」という感じ。子どもだった学生の頃から地続きで、ただ歩いたりこけたり道を逸れたり右往左往したりを繰り返してたら今にいた。エポックメイキングみたいなの、なかった。


大人を演じ続けている。
さらに大きくいえば、
優しい人間を演じ続けているのだと思う。


***


本名に「優」という漢字がはいっている。

この影響もあるのかないのか、わたしは人生のいつのときも、「優しくありたい、優しい人間になりたい」と思い続けている。優しい人間。優しい人。ひとに、じぶんに、優しくする。さて、優しさとは。

答えのない問いに、なんとなくその場その時に自然と向く優しさの方向に進んでいる。優しくなりたくて、優しい人のふりをしている。わたしのほんとうのところが優しいのかはわからなくて、ただ、でも、そうすることはできる。

縁する人に「優しいね」と言われると、とっても嬉しくてとってもありがたくて、なんだか少し後ろめたい。ほんとうの根っからの優しい人なわけではないと思う。そうありたくて、そうなろうとしている、ある種の努力かもしれない。



ハイターは言う。
「きっと私は死ぬまで大人のふりを続けるでしょう。」

わたしもきっと、優しい人でありたくて、優しい人を演じ続ける。
演じることは、すなわち嘘というわけでは、きっとないはず。

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