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    iijの機関誌であるiij.newsに2007年から同タイトルの連載を持っています。そちらに寄稿したものの中から自分のお気に入りを公開していこうと思います。

最近の記事

「共振する知性を求めて」 書評:『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』今福龍太/みすず書房

 ChatGPTという大規模言語モデルによる対話型AIが世界中で論争を呼んでいる。Web空間上のあらゆる知識を学習したChatGPTは、どんな質問にももっともらしい答えを出す。その答えはまだ完璧からは程遠いものの、人々に「シンギュラリティ」という言葉を思い出させるには十分だ。人類は更なる進歩を目指してこれの活用を図るべきか、それとも直ちに開発を禁止すべきか。  本書の著者今福龍太なら、そんな心配をする暇があったら、本書『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』を片手に、近くの森を歩いて

    • 成熟するアナログ 進化するデジタル

      「ステイ・ホーム」が日常化するなか、 音楽業界には現状を反映したさまざまな変化が現れている。 YouTubeなどのデジタルメディアがミュージシャンの可能性を広げる一方、アナログの価値が見直されレコードの売上が微増しているそうだ。今回は、筆者のミュージックライフを通して、 テクノロジーの可能性に目を向けてみたい。 真空管アンプとレコードプレイヤーで音楽を聴く楽しさ 令和3年は、1月8日の緊急事態宣言で始まりました。(3月21日に解除予定)  またしばらくは「ステイ・ホーム」

      • コロナウイルスと2つの三密

         豊臣秀吉の御伽衆として仕えた曽呂利(そろり)新左衛門という人がいました。この人は、元々は堺で刀の鞘を作っていた職人で、本名は杉本新左衛門といいます。ですが、彼の作った鞘に刀を入れると「そろり」と合うくらい腕が良かったため、この名前で呼ばれるようになったそうです。また頭も良く、頓知の効いた話で人を笑わせるのが得意で、落語家の始祖だとも言われています。  ある時、秀吉が曽呂利新左衛門にほうびをやろうということになり、「欲しいものを何でもいいから言ってみろ」と言われ、それではと

      「共振する知性を求めて」 書評:『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』今福龍太/みすず書房

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