俳句の時間 2022.01.08

県庁所在地の街へ母と出かける。
面接用のこじゃれた服を買うためだ。
小雨とはいえこの地ではいいといえるお天気で、
ぺちゃくちゃしゃべりながらのんきに歩いてバス停に向かっていると、
私たちを追い越してバスがバス停についた!!!
バス停に先に待っている人がいなかったら、
一日に三本しかない高速バスに乗りそびれるところだった。

高速バスが県庁所在地の街に近づくにつれて、空は青みを増し、
しまいにはショッピング日和の好天となった。
今は雪が解けてしまったが、数日前は真っ白だっただろうだだっ広い田んぼに、ときおり白鳥を見つける。青空を何度か白鳥の群れがよぎる。
山も空も何もかも広くて何もかもきれい。

昔やっぱり母と、娘たちと私とで高速バスでこうして出かけた。
何かにつけて思い出す。

母が、五輪真弓の「空」を聞くと、娘のことを思い出すという。青い空が出るとあの子が会いに来たと思うという。
冬なお暗いこの土地で、青空を拝めるという日は本当に貴重で、私もあの子が買い物についてきたのかなと思う。

デパートでいい買い物をして外に出れば、ますますよく晴れている。

妹が教えてくれたというフレンチレストランは満席であきらめたが、
街を歩いているだけでうきうきしてくる。

ターミナル駅まで近道の飲み屋街を通り抜けて、
今度は新幹線で帰途に就けば、窓から美しく雪化粧した山なみと青空。

あの子を想うにふさわしい空。

初東風に吹かれアラフィフの就活  要

お前の代わりに就職して頑張るからね。

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