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【鑑賞記録01】”悲しみに、こんにちは Summer 1993”

"「悲しい」という感情が
こんなにも美しいだなんて
思いもしなかった"


今日の都内はジメッとした空気から解放され
時頼さわやかな風も吹いたりと
日本にまだ清夏なるものが残っていると確認できた1日だった

今日のような日には夜風にあたりながら
キンキンに冷えたラムネ片手に映画が観たい

そんな夕涼みにとっておきの作品に先週末出会った


"悲しみに、こんにちは Summer 1993"

舞台は蒼々とした自然に
夏の光り煌めくカタルーニャの田舎町。
母を亡くしたひとりの少女が
そのちいさな体には消化しきれないほどの
環境の変化と家族との別れを経験し、
悲しみと向き合うまでの
思い通りにいかないもどかしさ
こっちを見て!という子ども心を
ほろ苦くもみずみずしく描いた
一夏の思い出

決して特別でない
フリダに限らず
わたしも、あなたも、誰しもが
抱いたことのあるくすぐったい心情と
遭遇したことのあるささいな場面が
スクリーンに散りばめられている
どこかなつかしい
思い出のアルバムをめくってみているような映画

フリダも伯父家族も
互いに悩んで、でも少しずつ歩み寄って
一つの家族になったとき
ふさぎこんでいた気持ちが
一気にほどけて大粒の涙となって溢れ出した


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