海をうけとったなら
~北海道からの沖縄移住記 2021年7月~
沖縄在住の教育学者・上間陽子さんのエッセイ『海をあげる』を読んだ。軍用機の爆音の下で娘さんを育てる日々や、戦時中を生きたご祖父母のこと、そして辺野古に建設中の基地に思うことなどが、丁寧でやさしく、静かな文体で描かれている。
上間さんのご祖父母が長年住んだ今帰仁村は、私が頻繁に通う大好きな水辺がある場所だ。また、上間さんが戦争中の話を聞かせてもらった女性が、かつて一時的に連れていかれた捕虜収容所のひとつは、私の住む名護市の東側の嘉陽という地区にあったという。建設中の辺野古新基