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【保存版】京都のスペシャリストが教える名店の和菓子10選 愛される老舗「あんこ」「本わらび餅」

『京都おいしい店カタログ [2023-24年版]』(2022年10月刊/朝日新聞出版)から、京都のスペシャリストたちが選んだ「あんこ」と「本わらび餅」の名店10店をリストアップ。長く愛される老舗も、個性が光る新顔も、いまこそコンプリートしたい。

『京都おいしい店カタログ [2023-24年版]』(朝日新聞出版)
『京都おいしい店カタログ [2023-24年版]』(朝日新聞出版)

 まずは、新旧が入り乱れる「あんこ」の6店から。

◆かさぎ屋の「おはぎ」

かさぎ屋のおはぎ

 1914(大正3)年創業のかさぎ屋は、あの竹久夢二も通ったとされる甘味処。提供するのは、注文ごとに仕上げる昔ながらの「おはぎ」だ。三色萩乃餅(700円)は、最高級の小豆・丹波大納言を使ったつぶあんとこしあん、きな粉の3種。二寧坂の石段の途中にあり、清水寺とセットで訪れたい。

◆中村軒の「麦代(むぎて)餅」

中村軒の麦代餅

 中村軒は、かさぎ屋より30年ほど早い1883(明治16)年の創業。名物の「麦代(むぎて)餅」(290円)は、つきたての餅で、昔ながらの「おくどさん(かまど)」で炊いたたっぷりの粒あんを包み、きなこをふったシンプルなお菓子だ。使用するのは最高級の小豆のみ。上質な素材の味を堪能できる。

◆今西軒の「おはぎ」

 こちらは1897(明治30)年創業のおはぎ専門の老舗和菓子店。つぶ餡、こし餡、きな粉と3種類の「おはぎ」(各200円)は、甘さ控えめで上品な味わい。持ち帰りのみで、午前中に売り切れてしまうことも多いというから、京都行きを決めたら、早めに予約しておきたい。

◆マルニカフェの「たい焼」

マルニカフェのたい焼

 築50年、4階建てのビルをリノベーションし、アトリエやカフェ、ショップやオフィスなど、いろんな「つくる」が集まる「つくるビル」内にある。北海道産の小豆を使用したあんこがしっぽの先までみっちり詰まったたい焼(450円)に、生クリームやバターを添えるのが独創的。大きなハネもうれしい。

◆ノットカフェの「あんバターサンド」

 北野天満宮にほど近い、「『ヒト・モノ・コト』を結んでいくお店」を目指すというカフェ。実際、あんバターサンド(363 円)には、京都の人気ベーカリー「ル・プチメック」のほの甘い特製バンズを使用。このバンズに、小豆の風味豊かなあんことバターを絶妙なバランスで挟んだ。

◆京都祇園 あのん本店の「あんまかろん」

 長年培ってきた「あんこ」づくりの技法を軸に、和洋の粋を超えた“新趣”のお菓子を目指すという和菓子店が「京都祇園 あのん本店」。見た目のかわいらしさで群を抜く「あんまかろん」(270円)は、独特な食感のマカロン生地にいちごみるく餡、抹茶餡、塩キャラメル餡をサンドしたまさに“新趣”の餡スイーツだ。

 あんこの6店を制覇したら、次に目指すのは本わらび餅。希少な本わらび粉を使ったもっちりもちもちの本格派を堪能したい。

◆「茶寮宝泉」

 あずき処「宝泉堂」が手がける茶寮。美しい日本庭園に面した座敷で自慢の甘味を味わえる。注文ごとに15分ほどかけて作り上げるわらび餅(1300円)円は、むっちりとした弾力を秘め、つるりとした舌触りが独特。賞味期限20分とも言われる弾む食感は感嘆必至。まずはそのまま、次に黒蜜をかけてどうぞ。

◆紫野和久傳 堺町店

紫野和久傳 堺町店のできたてわらび餅

 料亭「和久傳」が営む甘味処。甘味は旬の食材や果実を用いて丁寧に手作り。通年、人気なのができたてわらび餅(抹茶付/1265円)。国産の本わらび粉を使い、独特のもっちり感が絶妙だ。和三盆を惜しみなく使った黒蜜ときな粉を絡めて、上品な甘さとともに味わおう。

◆The Terminal KYOTO

 1932(昭和7)年に建てられた大型の京町家を復元。趣ある建築を生かして、ギャラリーと喫茶を営む。パティシエ手作りのスイーツが人気で、オーダー後に練り上げる「温かい、わらび餅」(1300円)は、とろけるようなもっちり食感がたまらない。美しい庭を眺めながら味わえば、気持ちもほっこり。

◆ぎおん徳屋

ぎおん徳屋の徳屋の本わらび餅

 とろ~りわらび餅が人気の、祇園・花見小路に面した甘味処。選び抜いた天然素材を使うのがモットーで、徳屋の本わらびもち(1280円)にも国産の本わらび粉を使用。氷と共に供されるわらび餅はとろけるほどなめらかで、スッと喉を通る。好みできな粉や黒蜜をかけて。

 予約ができる店は多くない。いずれも人気商品で、早い時間に売り切れてしまうこともある。コンプリートできるまで何度でも、京都を目指してほしい。

※価格は税込みで、2022年10月の取材時点のものです。
※初出:AERA dot. 2023年2月23日

(構成:生活・文化編集部 白方美樹)


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