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【今年も開催!朝日文庫の秋の時代小説フェア】ラインナップを一挙公開!

 毎年10月開催が恒例となっている、朝日文庫「秋の時代小説フェア」のラインナップを一挙紹介! 今年は創刊45周年の記念イヤーということもあり、例年以上に力の入ったラインナップになっています。書店店頭でどうぞお手にとってみてください。

朝日文庫キャラクターのアーサーも時代小説バージョンに!

<新刊>

■朝井まかて『グッドバイ』

朝井まかて『グッドバイ』(朝日文庫)
朝井まかて『グッドバイ』

 長崎の油商・大浦屋の女あるじ、お希以──のちの大浦慶。黒船来航騒ぎで世情が揺れる中、無鉄砲にも異国との茶葉交易に乗り出し、一度は巨富を築くが、その先に大きな陥穽が待ち受けていた──。実在の商人・大浦慶の生涯を円熟の名手が描いた、傑作歴史小説。

■葉室麟『星と龍』

葉室麟『星と龍』(朝日文庫)
葉室麟『星と龍』

 悪党と呼ばれる一族に生まれた楠木正成の信条は正義。近隣の諸将を討伐した正成は後醍醐天皇の信頼を得ていくが、自ら理想とする世の中と現実との隔たりに困惑し……。著者最後となった未完の長編小説。安部龍太郎氏による、詳細な解説を収録。

■宇江佐真理『恋いちもんめ』

宇江佐真理『恋いちもんめ』(朝日文庫)
宇江佐真理『恋いちもんめ』

 両国広小路にある水茶屋の娘・お初に、青物屋の跡取り息子・栄蔵との縁談が舞い込む。誠実な人柄に惹かれてゆくが、栄蔵の家が全焼し、二人の関係は思わぬ方向にすすむ。江戸下町を舞台に若い男女の純愛を描いた、感動の時代小説。

■中島要、坂井希久子、志川節子、田牧大和、藤原緋紗子、和田はつ子『家族 朝日文庫時代小説アンソロジー』

中島要、坂井希久子、志川節子、田牧大和、藤原緋紗子、和田はつ子『家族 朝日文庫時代小説アンソロジー』(朝日文庫)
中島要、坂井希久子、志川節子、田牧大和、藤原緋紗子、和田はつ子
『家族 朝日文庫時代小説アンソロジー』

 実家から縁を切られ、貧乏長屋に暮らすお秀は、老母が若い男に貢いでいると知る「誰に似たのか」。姑との確執から夫と離縁、別れた息子を思い続けるおつやの情愛が沁みる「雪よふれ」。6人の女性作家が家族を描いた珠玉の時代小説アンソロジー。全作品、初の書籍化。

■五十嵐佳子『願い針 結美の産婆みならい帖』

五十嵐佳子『願い針 結美の産婆みならい帖』(朝日文庫)
五十嵐佳子『願い針 結美の産婆みならい帖』

 旗本の嫡男との駆け落ちに失敗し、身籠っていた子を里子に出されてしまった商家の娘・静。その後番頭と祝言を挙げ、男子を出産した静が息子の名を呼ばないことを心配した結実は……幕末の江戸で産婆をする結実の成長を描く、シリーズ第3作!

<朝日文庫創刊45周年特別選書 朝井まかてが推す!本>

■宇江佐真理『おはぐろとんぼ』

「秋は江戸の物語に遊ぶ!
名も無き人々の情にくすりと笑い、
ほろりと揺れる。
しみじみと美しい名作短編集です。」朝井まかて

宇江佐真理『おはぐろとんぼ』(朝日文庫)
宇江佐真理『おはぐろとんぼ』

 父の跡を継ぎ、料理茶屋で料理人を務めるおせん。親方の板前とたびたび衝突しては、稲荷堀の水を眺めて心を静めていたが……。江戸下町の堀を舞台に、市井に生きる人々の人情を鮮やかに描いた感動の傑作短編6編を収録。

<既刊>

■宇江佐真理『酔いどれ鳶』

宇江佐真理『酔いどれ鳶』(朝日文庫)
宇江佐真理『酔いどれ鳶』

 検屍を専門とする医者の夫と産婆の妻「室の梅」、人に言えぬ過ちや悩みを聞く、聞き屋与平の逸話「雑踏」、古道具屋を舞台に切ない親子の情愛を描いた「びいどろ玉簪」など。江戸時代に生きた人々を、優しい視線で見つめ続けた作者の珠玉の短編を精選。

■葉室麟『柚子の花咲く』

葉室麟『柚子の花咲く』(朝日文庫)
葉室麟『柚子の花咲く』

 少年時代に村塾の恩師から薫陶を受けた筒井恭平は、師が隣藩で殺害された事実を知り、真実を突き止めるため命懸けで隣藩に潜入を試みるが──。人を愛するとはどういうことか、人生を切り拓くための教育とは何かを問う、感動の長編時代小説。

■神楽坂淳『七代目 銭形平次の嫁なんです』

神楽坂淳『七代目 銭形平次の嫁なんです』(朝日文庫)
神楽坂淳『七代目 銭形平次の嫁なんです』

平和だが犯罪が後を絶たない文政年間の江戸。家光の代からの岡っ引き「銭形平次」の6代目は高齢であり、まだ若い平蔵に「平次」襲名の話がくる。条件は、事件を解決することと女房を持つこと。名誉ある銭形平次を継ぐ決意をする平蔵だが……。

■山本一力『たすけ鍼』

山本一力『たすけ鍼』(朝日文庫)
山本一力『たすけ鍼』

 江戸は深川蛤町で鍼灸師を営む染谷は、腕の確かさで“ツボ師”の異名をとるほどの名手。元・辰巳芸者の鉄火な妻や、幼なじみの名医・昭年とともに、市井の人々の身心を癒やし、人助け、世直しに奔走する日々を描いた、胸のすくような長編時代小説。

■佐々木裕一『斬! 江戸の用心棒』

佐々木裕一『斬! 江戸の用心棒』(朝日文庫)
佐々木裕一『斬! 江戸の用心棒』

 月島真十郎が剣術修行から江戸に戻ると、藩邸は竹矢来で閉ざされていた。老中の父が急死し、領地は召し取られていたのだ。帰る場所を失った真十郎は用心棒稼業を始めるが、お家騒動を巡る黒い噂を耳にして……。人気作家の新シリーズ!

■五十嵐佳子『むすび橋 結実の産婆みならい帖』

五十嵐佳子『むすび橋 結実の産婆みならい帖』(朝日文庫)
五十嵐佳子『むすび橋 結実の産婆みならい帖』

 舞台は幕末の江戸、八丁堀~日本橋界隈。21歳の山村結実は、産婆見習いとして、師匠である祖母の家で、同じく見習いのすずとともに寝起きしている。今も昔も、出産は人生の縮図だ。歓迎されてこの世に生まれてくる子もいれば、若すぎる妊娠、妻子ある人の子の妊娠など、望まなかった妊娠もある。出産で亡くなる母子がいまよりずっと多かった時代、いろんな事情を抱えながら命がけで産もうとする女性たちに、自分は何ができるのか。命が生まれる現場で、葛藤しながら成長していく女性の姿を描く感動作。書き下ろし。

■伊東潤『江戸を造った男』

伊東潤『江戸を造った男』(朝日文庫)
伊東潤『江戸を造った男』

 明暦の大火の折に材木占買で財を成した商人・七兵衛(河村瑞賢)は、海運航路整備・治水・潅漑・鉱山採掘などの幕府事業を手がけ、その知恵と胆力で難題を解決していく。新井白石をして「天下に並ぶものがいない富商」と唸らせた男の波瀾万丈の生涯を描く長編時代小説。

■朝井まかて、折口真喜子、木内昇、北原亞以子、西條奈加、志川節子『わかれ 時代小説アンソロジー』細谷正充・編

朝井まかて、折口真美子、木内昇、北原亞以子、西條奈加、志川節子『わかれ 時代小説アンソロジー』細谷正充・編(朝日文庫)
朝井まかて、折口真喜子、木内昇、北原亞以子、西條奈加、志川節子
『わかれ 時代小説アンソロジー』細谷正充・編

 武士の身分を捨て、吉野桜を造った植木職人の悲話「染井の桜」、咎人に仕立てられた十市と年寄り猫・赤爺の友情「十市と赤」、花火の破片で失明し、婚約者に離縁された簪職人おりよの矜持「闇に咲く」など、傑作短編小説6編を収録。

■宇江佐真理、北原亞以子、杉本苑子、半村良、平岩弓枝、山本一力、山本周五郎『情に泣く 時代小説アンソロジー』細谷正充・編

宇江佐真理、北原亞以子、杉本苑子、半村良、平岩弓枝、山本一力、山本周五郎『情に泣く 時代小説アンソロジー』細谷正充・編(朝日文庫)
宇江佐真理、北原亞以子、杉本苑子、半村良、平岩弓枝、山本一力、山本周五郎
『情に泣く 時代小説アンソロジー』細谷正充・編

 失踪した若君を探す流浪の旅の末、物乞いにまで堕ちた老藩士(杉本苑子「橋のたもと」)
てんぷら屋台に通いつめる、一本気で不器用な還暦の担ぎ売り(山本一力「御船橋の紅花」)
憎き兄嫁から強奪した金を、娼家でむしり取られ失意の旗本の四男坊(山本周五郎「七日七夜」)……世代を超えて心にしみる、泣ける、人間の情の物語。時代小説の名手たちによる、朝日文庫オリジナル時代小説アンソロジー。


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