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知ってますか? 封書・ハガキ・一筆せんの正しい使い方

 メールやLINEではなく、手書きで気持ちを伝えたい! そんな時、一般的な選択肢は「封書」「ハガキ」「一筆せん」だ。この3つの中から、いつ、どんなときに何を選び、どう書けばいいのか。封書に比べてハガキや一筆せんが略式だということはわかっていても、その先のマナーまでは……。そこで、『【増補改訂版】気持ちがきちんと伝わる! 手紙の文例・マナー新事典』(朝日新聞出版)から、TPOに合わせたハガキと一筆せんの使い方を紹介する。

中川越監修『【増補改訂版】気持ちがきちんと伝わる! 手紙の文例・マナー新事典』(朝日新聞出版)
中川越監修『【増補改訂版】気持ちがきちんと伝わる! 手紙の文例・マナー新事典』(朝日新聞出版)

 ハガキは本来、気楽な文面のやりとりに使うものだ。あらたまった内容の文面は、基本的に封書で送るのが礼儀。お祝い、お礼、お詫び、依頼や相談などは、封書が適している。

 一方、年賀状や暑中見舞い、お中元・お歳暮のお礼、引っ越しや結婚・出産の通知などはハガキで送るのが一般的だ。ただし、送る時機を逃してしまったらハガキはNG。近況報告を兼ねて、封書で挨拶状を出すのがいい。ただし、「直接会う前に取り急ぎ出す」という目的なら、お礼やお詫びの文面でもハガキを使っていい。会ったあとに封書で気持ちを伝えると、さらに丁寧だ。

 ハガキを書く際によくやってしまうのが、最後にスペースがなくなって小さな文字になってしまったり、逆にスペースが余ってしまったりすること。慣れない人は下書きをして、字配りを整えるようにするといい。

 もう一つ。封書で送る便箋に手紙を書く際は、「私」を行末に、相手の呼称は行頭に書くというマナーがある。ハガキの場合でも、転勤通知など儀礼的な内容なら、このマナーを守ったほうがいい。スペースがないという場合は、改行や文字の入れ替えなどで配慮したい。

 封筒に入れずにそのまま投函(とうかん)するハガキには、特有の注意点もある。ペン選びだ。万年筆を使うと、雨にあたってインクが流れてしまうことも考えられる。確実に内容を伝えたい通知などは、文字がにじまないように耐水性や油性インクのペンで書くか印刷にしたい。挨拶状などは文字がにじんでも失礼がないか、出す相手によって判断してほしい。

 ハガキよりも短い5~8行程度の文章で相手に気持ちを伝える一筆せんは、使い慣れるととても気軽で便利なツールだ。略式のものなので、あらたまった内容の手紙には使えないが、特に形式にこだわる必要もなく、親しい相手に借りたものを返す際や、チケットや写真を送るときなどに重宝する。

 一筆せんを使うのは、品物に添える場合のみ。単独では送らないのがマナーだ。そして、枚数は1枚が原則。2枚になるようなら便せんを使う。一筆せんはメモよりも重く、ハガキやカードよりも軽い位置づけと覚えておきたい。

(監修:中川越/構成:生活・文化編集部 端香里)


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