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【エッセイ】ねえちゃん

 オラオラ系上司は、なぜだか私とどう接してよいかわからないでいるらしい。ひどく気を使っているか、まったく興味がないかどちらかだな、と普段の様子でわかる。
 にらみつけた記憶も反抗した記憶もないし、彼には娘がいるから自分より若い女性に免疫がないわけでもなかろう。女性の部下をもった経験はあまりないようだが、そんなのは関係ない。
 その上司、酒を飲むと絵に描いたようなへべれけになる。目がすわる、ろれつはまわらない、千鳥足。
 先日の飲み会にて、そんなへべれけになってから私に声をかけようとしてとっさに名前が出てこなかったらしく、オラオラしながら「ねえちゃん」と言った。(同席した同僚によれば、その後お前とも言っていたらしい)
 ねえちゃんて!
 翌朝、思い出して笑ってしまった。
 オラオラしながらねえちゃんなんて、チンピラかヤンキーではないか。上司は覚えているんだろうか。
 なんと呼ばれようとかまわないし、どう思われていようとこちらはなんとも思わないのだが、上司との関係性がこのあとどのようになっていくのか、我ながら興味深い。
(侮っているなら、甘んじて侮られてやろう。というか、どう思われているかは本当にどうでもいい。客観的に見て面白いエピソードがたくさん増えればいいな。)

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