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オードリーANN東京ドーム鑑賞記「普段通りのオードリー」

2024年2月18日。オードリーの東京ドームライブへ行ってきました。本日投稿の日記「東京へ」(ここ参照)でも少しライブ当日のことに触れています。


そもそもどうやってオードリーにハマっていったのかをつらつら思い出してみた。最初に存在を知ったのはテレビ朝日の「Qさま!!」における2006年の潜水企画に出ていた春日さんで、「え…この人あまり面白いこと言うわけでないけどなんか得体のしれないヤバさがあって目が離せない…」と思ったのだった。思えば酷い感想である。

そしたら2008年のMー1の敗者復活戦で決勝に上がってきて、
えー!あの時の面白くなかった人が!(これまた酷い感想)
漫才、面白いやん!
となったのだ。それからはオードリーが出ているとちょくちょくチェックをするようになっていき、決定的なファンとなったのは若林さんの2013年のエッセイ「社会人大学 人見知り学部 卒業見込み」を読んだ時だった。その頃からオードリーのオールナイトニッポンを聴き始めたように記憶している。

若林さんが紡ぐ言葉は、私の心の奥底にあるものを掬い取ってくれて一旦全部広げて並べてじっくり観察できるような、そんな感覚がある。「心の中の棚卸し」とでも言えばいいだろうか。と言うのも私も彼同様、いろんなことを考え過ぎ、気にし過ぎ、斜に構えることで自分を防御しようとする癖があったからだ。彼の書く文章に憧れ、自分の内面をなんとか言語化しようとするもののあんなに痒いところに手が届くように表現できないもどかしさをずっと感じている。

若林さんによるお一人での言葉ももちろんだけれど、やはりオールナイトニッポンでの春日さんとのなんでもないやりとりは最高である。日々のくだらないこと(褒めています)をあんなに魅力的に語り合えるってできそうでできない。むしろ、何かトピックの縛りがある方が話しやすいものだと思うが、そんなものがあろうと無かろうと彼らの話はつるつると広がるのだ。

話は逸れるが、母が小さい頃から「普段が大事やで。普段やっていることが一番肝心なんやで」とことあるごとに私に言って聞かせていたのだが、そのことがまさに彼らの日頃の有りようとオールナイトニッポンでの語りだよなあ、と母の言っていたことと合わせて納得する。

そう、言い換えると、彼らは地に足がついているのである。どんなに売れても芸能界を生きる不安から逃れられなかったり、金銭感覚が変わらなかったり、そういうところがずっと変わらずに今に続いているのだ。謙虚も行きすぎると嫌味になる人もいるけど、そういうものともまた違う。やはり「普段」の自分から逸脱しないことが彼らが芸能界でずっと第一線にいたり、オードリーのオールナイトニッポンが15年続いている理由なのだと私は思っている。

前置きの方が長くなってしまったが、2月18日の東京ドームライブはまさしく「普段」の集大成であった。そしてその「普段」を「東京ドーム」という箱に合わせて、豪華にお祭り仕様にしてくれていた。だからやはり基本はずっと「普段」の二人。そこがブレていないからあんなにゴージャスな空間でもお客さんは居心地の悪さを誰も感じることなく(というふうに私は見えた)、いつもの土曜の夜の感覚のまま、さらにそれを膨らませて楽しめたのだと思う。彼らが等身大のままでブレていないから周りのスタッフや共演者の皆さんも彼らを信頼してチームとしての結束が強くなるし、作られていくものが加速度的に面白くなってあのような夢のような3時間半のお祭りとなったのは必然だ。
(掘り起こすようで申し訳ないけれど、春日さんのフライデー騒動があった時はやはり彼の「普段」から逸脱していたからなのだよね、きっと。そこを曖昧にせずにビシッと正してくれた若林さんやクミさん。それを素直に認めて心から反省して同じ轍を踏まないようにする春日さん。だからこそより強固な彼らになったのではないかしら。)

普段通りでもあり、よそ行きでもあり。いつものラジオそのままであり、あの巨大空間でないとできないことを最大限やり尽くしてもいて、こんなに居心地の良い最高にトゥースなイベントに現地で参加できたことが今も夢見心地です。オープニングのアニメーションに彼らが集約されていてもうあまりに良くて、開始早々から涙で滲んで目が霞むほどだった。このアニメを制作なさった原画の師岡とおるさんとディレクターの泰永優子さんのXのリンクを貼ろうと試みたのですが、何度やってもうまくいきません。興味のある方はぜひXにてそちらを検索してください。他力本願で失礼します。

普段の自分を大切にして、
地に足をつけて、
面白いと思うことに貪欲に、
自分のやりたいこととすべきことを愚直にやっていこう。


五十路の私にそんなふうに新たに思わせてくれたオードリーとスタッフと共演者の皆さんありがとうございました。ではまたこれからも土曜の夜に。
ミッフィーちゃん。このあとまた夢でお会いしましょう、アディオス。

#エッセイ #オードリー #オードリーANN東京ドーム #annkw
#若林正恭 #春日俊彰

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