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2024年大切にしたい事

2024年、元旦に起こった能登半島で大きな地震。被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。私自身もできるだけ多くの情報から何か支援につながる事が出来ないか日々模索しておりますが、直接何か支援が出来ていない現状に心苦しい気持ちです。一日も早く安心した住まいと、生活を多くの方が送れるよう願っております。

茅葺屋根

荒れた新年

今年の正月は、早々に大きなな災害や、信じがたい事故の発生により、様々な問題を考えるきっかけとなりました。X(旧ツイッター)で多くの情報収集を行う私は、不安定な気持ちに整理をつけようと、自分がどう行動するかのベクトルを確かめるように情報を拾っていました。

少しでも理解を深めようと、様々な情報に触れました。徐々に様々な背景が見えてくる一方で、自分自身のもどかしさ、モヤモヤとした感情は残ったまま、まだ整理がついておりません。

そんな中での新年初めの畑入り。不安定な気持ちを少し拭えた上で、その環境に背中を押された感じを抱きましたので、記事にまとめてみたいと思います。是非多くの方と共感できると嬉しいです。

土づくり

私にできること

新年初めの畑仕事は、前年から引き続いての土づくりです。
特に建築残土の山になってしまっている場所や、大きな石や、小さい石を可能な限り撤去しながら、畑の姿に整えるという仕事です。隣の荒れ地を整理した際に、出た笹の山を崩しながら、長期的に分解してくれるよう、赤土の下に20~30㎝程積み込んでいきます。その上に土を被せました。

作業前は、今現在被災されている方を横目に見ながら、自分のできることは間違っていないか?少しでも支援に繋がる行動をとるべきではないかと自問する迷いのような感情がありました。心の根っこの部分が揺らいでしまった時に感じる不安感なようなものです。

様々な事を考えながら、早朝畑につくと、その様子を見渡しました。
作業はまだまだ途中の様子ですが、脇に小さく植え付けた野菜達が霜に負けず顔をのぞかせています。私自身時間の経過を頭で考えて理解していましたが、その活き活きとした元気な様子を見ると、そこには、間違えなく生命が育まれていて、その場所で生きようとする姿を私に示してくれていました。

今自分が行うべきことは、これらの生命を繋いでいく事で、私自身の最大限できる事だという事を感じました。まずは自分の身の回りの地盤をしっかりと整えた上で、より多くの人を幸せにできる力が生まれてくるのではないかという事です。

決して見て見ぬふりをするという事ではなく、一人ひとり与えられた役割を淡々とこなして行く上で、常に気にかけられる心を育む(おもいやり、想像力)ことが大切だと思います。

千葉県 台風による屋根被害

台風一過で私たちにできた事

私自身建築工事に15年以上携わってはいるものの、個人で支援できる事には限界があり、迷惑をかけてしまう事も否定できません。

以前千葉の台風による被災があった際に、埼玉からトラックに資材を積込み向かった事がありました。周囲の方に配る食料とはしご、ブルーシートを持参して、房総半島沿岸沿いを回りました。

その際に目にした光景は、地元の方の復興に向けた元気な姿です。自衛隊の方の連携したサポート体制、地域の工務店による現状視察など、様々な協力体制が出来上がっておりました。ニュースなどでは、悲観的な視点で伝えておりますが、そんな様子は表面的には感じません。復興へ向けて歩みを進めている姿を見て、私たちに安心感を与えてくれました。

ブルーシート張り手伝い

その中で私たちが行えたことは、家主のおじいちゃんが屋根に上がっているのを見かけた時に一緒にブルーシートを張る作業を行ったり、市役所へ物資を配布したりなどでした。

物資を受け取っていただきました

その時に得た経験は、少し広い視点で見る事に気づかせてくれました。大きな災害や、多くの人が困っているときは、それを支えるチームや、サポート体制を整え、多くの人数で支援するということです。

サポートの教訓

そして、支援に直接関われない遠方に住む人にとってどのように支援に関わればよいのか?被害を直接受けていない人たちにとってできることはなにか?
その時に私が感じた事は【被災された方の生活、被災した場所、復興の進行状況等を、忘れずに、見守り続ける事】こそが大事な事であると感じました。風化させる事無く、様々な情報を取り入れ、しかるべきタイミングに、情報を広める活動や、行動を起こすことを整える事です。

磯の香りたっぷりわかめ、美味しくいただきました

感謝の気持ち

翌々年になり、お世話になったおじいちゃんから、定期的に地元のわかめを送って頂きました。

その際に電話越しに復興の状況を聞くと、止ってしまっていた記憶や、思いが当時を思い出します。
日にちが経つと、ニュースに取り上げられる機会が少なくなり、世間の記憶から遠のいてしまいますが、時間が経っても様々な不安を抱える人や、支援が行き届いていない人は大勢いらっしゃることと思います。

そんな当たり前の現状から、私たちの生きている地球はつながっているという当たり前の現状を、頭だけで理解してはいけない事だと思います。頭だけで理解してしまうと、都合の良い事だけを求め、悪い事には目を背けてしまい、忘れてしまうと感じるからです。

私たちは、どうしても目に見えるものだけを信じがちですが、自分の取り巻く環境や、土地がすべてつなっていて、同じ時間を共有しながら、生活しています。この教訓は、自分が生きる上でとても大事な事だと思います

ほうれん草

目に見えない世界の大切さ

今私の目の前には畑づくりという小さな命の連鎖が始まろうとしております。

自然農の基本は雑草を敵とみなしません。植物同士、違う野菜や、昆虫、鳥獣などを含め、同じ大地の中で共存しています。植物は、大地を通じて菌、根によってすべてが一つに繋がっています。同じ植物の出すフェロモンを通じて、情報の伝達を行い元気に生きています。
植物の世界もまた、私たちが目にできる事は、ごく一部であり、目に見えない事を想像する事で、多様性の中から、助け合い、共存というバランスの整った環境が出来上がっていくものと思います。


丸太と木の実

自分の畑だからと、怠慢な心構えで、育てたい野菜にだけエネルギーを注いでいては、小さな目に見えない存在に気づくことが出来ません。目に見えずともそれらの関係性を想像したり、観察する事で、適切に管理していく事が自然農の基本であると考えます。

畑に落ち葉を敷き詰めます

この二つの人間界の助け合いと、植物の共存という事柄は、少し似ているように感じます。それらを忘れない為、またこれから更なる学びを得るために、今できる事を最大限に行いながら、命の連鎖をスタートさせていき、一つ一つの実りに感謝しながら育んでいきたいと思います。 

来月から作付け予定がはじまり、3月には忙しい日々が続きそうです。畑に立ち入った際に少しでも気にかける余裕を持ちながら、楽しい畑づくりを目指していきます。

かき菜、花が咲きました

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
共感して頂けた方、気にとめて頂けた方がいらっしゃいましたら、スキを頂けると嬉しいです。



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