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「おっさんだって恋はした~ダメな恋だったけど~4」

美香との時間は、私の中ではとても特別な時間になっている。不倫をしている罪悪感からくるものなのか、もしくは単純に美香に甘えたい気持ちを全部ぶつけることができたからなのかわからない。でも美香と共に過ごした時間は間違いなく幸せな時間でした。


美香とのデートは月に1回。その日以外は職場でしか会わない。

美香と職場の倉庫でキスをした日以来、行動がエスカレートしないように、お互い仕事に集中していた。仕事中なんだから集中するのは当たり前だが、意識定期に接点を少なくしていたように思う。そうしないと、どんどん取り返しのつかないところまでエスカレートするのがわかっていたからだ。

そうして1週間がたった。この日も遅番で仕事していた。

休憩のために外に出てスマホを見ると、美香からメールが来ていることに気づいた。

美香「お疲れ様です。浅広さんの休憩中に会いたくて、最上階の非常階段で待ってます。」

私は驚き急いで最上階の非常階段に向かった。職場の非常階段はほとんど人通りがない。まして最上階の非常階段は一日に1回警備の見回りで来るくらいの場所だ。

息を切らして美香が待っている場所につくと

美香は笑って迎え入れてくれた。

私「待たせてごめんね。でもなんでこの時間にいるの?家は大丈夫?」

本来なら美香は自分の家にいるはずの時間。それが気になって思わず聞いてしまった。

美香「今日は実家に用があって家を出たんです。私の実家はこの会社の近くなんです。といっても、そんなに近くはないんですけどね。今日帰る前に浅広さんの休憩が何時なのか確認してから退社したので、この時間に合わせてきたんです。」

私「そうだったんだね」

美香「迷惑でしたか?」

私「そんなことないよ」

美香「良かった。迷惑かな?って心配だったんです」

私「むしろ会えるはずない時間に会えたから、すごく嬉しいよ」

美香「嬉しい」

そう言って美香は私にキスをしてきた。それを私も受け入れた。

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会話をしないないままずっとキスをした。

ここにいるというだけで他人にバレてしまう可能性がある。普段の美香なら、そんなリスクを冒すようなことはしない。しかし、今確かに目の前にいる。私の知らない何かがあったのかもしれない。

その本当の理由はわからない、でも「寂しさ」「虚しさ」「悲しさ」そういう感情が美香からは感じることができた。

その感情を全部受け止めたい。美香の悲しい感情は全部受けとめて美香を包み込んであげたいと思った。

そう思っているうちにふと時計を見ると仕事に戻る時間になっていた。

私「もう行かなきゃ」

美香「はい。でも行かないで・・・。って言ったら困りますよね?」

心臓が握りつぶされそうになるほど苦しかった。苦しくて思わず自分の胸を2度叩いた。

私「困るに決まってるでしょ。ずっと一緒にいたいんだから。でも行くね。みんなにバレたら大変だから!」

そう言うと美香は微笑んだ

美香「そうですね。それじゃ残りのお仕事頑張ってください。」

私「ありがとう。会えて嬉しかったよ。」

そう言って私は仕事に戻った。

しかし美香のことが気にかかって、この後の仕事はあまり集中できなかった。ミスこそしなかったがギリギリ何とかやりきることができたという感じだった。

そして、仕事帰りに後輩の女子社員の「結衣」に話しかけられた。後輩の女子社員と言っても結衣は7歳年下で兄妹かと思うほどに仲が良い。お互い何でも話すし、なんでも相談する仲だ。

結衣「なんか最近雰囲気変わったね?」

私「そうかね?普通じゃない?」

ドキッとした!気づかれた?と思た。

結衣「ふーん。まぁ良いけどさ。ていうか聞いて欲しいことがあるんだけど?」

私「どうしたん?」

結衣「私さ告白された。女の子に」

私「マジか!?誰?」

結衣は本当の妹のように思っている。が彼氏ができるならあんまり仲良くするのも問題だなと思っていた。

私「って!え!?女の子??」

結衣「そう・・・。真由子さんに告白された」

私「は?あの?真由子?」

真由子は私と結衣の丁度中間の歳だ。社歴も丁度真ん中のようなところだ。

結衣からの話を聞いてみると。最近かなり仲が良いようだ。そしてよく2人で遊びにも行っているようだ。そうしているうちに真由子は結衣のことが好きになり告白というような流れになったようだ。

私「なるほどな・・・で!どうすんの?」

結衣「それを聞こうと思って話したんじゃん!」

私「あ!確かに」

この日は日付が変わるまで結衣の相談にのった。話を聞くうちに2人は付き合っても良いと思い、その方向に話しを進めていみた。そして結衣自身で少し悩んでみることにした。

その流れで私も美香のことを結衣に話そうと思った。このままではどこかで思いっきりバレるような行動をとってしまいそうだった。

でもこの日は遅いので次の機会に話そう。そう思って結衣とは別れた。

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今回はここまで続きは次回

次回は「結衣に話すことで落ち着きを取り戻す状況」です。

駄文長文おつきあいありがとうございますm(_ _)m

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