見出し画像

KSJ2023ランナーズアップ大会に向けて、テキストの一部公開と意気込み。

お久しぶりの更新です。
KSJランナーズアップ大会がいよいよ今週末に迫ってきました。

大会で披露する候補の作品のうち、北海道大会のときに披露した作品『みきおさんの詩(うた)~亡き父・伊藤幹男によせて~』と『十二月二十日』については、こちらの記事↓に全テキストと説明を掲載しています。

https://note.com/asaimichiru1220/n/nd563e2d907f4

また、ランナーズアップ大会に向けた新作を2作書きましたが、2作とも、つい先ほど現代詩手帖に投稿したものなので、こちらでの公開ができません。

そんなわけで、「新作」として今回トラックを公開するのは1作のみです。北海道大会の決勝戦で披露した作品に思い切り加筆修正して倍のボリュームにした『アガル(ロングロングロングライムヴァージョン)』です。
元々あった作品『アガル』に、「北海道のほかの地域という可能性を知ったときの迷い」をプラスしたのが『アガル(ロングロングライムバージョン)』で、これは詩展(うたよみに与ふる處)という北海道の詩の展示に出し、札幌とオホーツクにて展示しました。
そこにさらに手を加えて加筆修正し攻撃性をひとさじ加えたものが本作で、これは柴田望さんの手掛ける旭川の詩誌『フラジャイル』の最新刊に掲載させていただく運びになっております。(なお、『フラジャイル』最新刊には、本作に加え、短い詩をもう1作掲載させていただく運びです)

アガル(ロングロングロングライムバージョン)

まるでうちのめされた気分でも高く飛ぶことができる
って ブンブンサテライツが静かにうたったから
内輪受けで中途半端な住み慣れた街がいい加減イヤになって
今すぐにここから飛び出すって決めたんだ
想いを下手くそなパッキングでスーツケースにめいっぱい詰め込んで
慣れない飛行機で ガイドブック片手に 東京にやって来た
東京の街の中で一人きりで盛大に迷子 それでも あきらめないのは
自伝映画ロングロングライムがロングランヒット 世界の美女たちと豪華にセッション およそ不可能なものごとを全て可能に塗り替えてからの
なぁ そうなんないなんて誰が言える?
って クレバがラウドにうたったから
一万人の来場者が大手のブース目がけてすり抜けてった
全ての努力は空回りで独りぼっちのブースで皆がすり抜けてった
だけど こんなちっぽけな私を信じて来てくれる人もいたのは事実なんだ
うちのめされ、地に突きつけられても 東京への憧れが消えなかった
東京が呼んでる
けど東京だけでも二十三区あって
名古屋 仙台 大阪 横浜 
東京じゃなくても大都会があって
旭川 釧路 函館 
北海道にも知らなかった街があって
青森 岩手 
東北という愛すべき第三の故郷があって
そして上士幌 帯広 十勝という故郷がある
たくさんの可能性のなか もがいている 溺れている
正解はない
でも選択肢の重要な一つに 東京もある
だからもう一度 まずは旅立とう 東京へ
そこに本当に居場所を見つけられそうか否か
答えはすぐ見つけられなくてもかまわない
私が私らしく生きられる街は東京かどうか
住み慣れたこの街か 故郷か
それともまだ知らないどこかか
探すために 私は何度でも旅人になろう
詩(うた)よ伝えてくれ 私の迷いを
土地に伝えてくれ 私の祈りを

心のままに生きられる場所 それがもしこの街じゃないなら
強い野心を殺すな 今住み慣れた街で嫌われることを恐れるな
誰にも嫌われないように常に自分を抑えて生きていくのはもうやめちまえ
もし迷ってるなら チャンスが来たら なりたいって思う方のものを選べ
自由に思うままに飛び回れる時間はあとほんのわずか
自分を愛してくれない人にすがるのも 尊重してくれない職場にいるのも
思いのままに生きられない場所でなあなあにやるのはもうやめにしないか
自分の非力さを知ってうちのめされた今 それでも突き上がるこの夢は
高く高く飛びたいという願いは もう誰にも止められやしない

歌詞の引用 
BOOM BOOM SATELLITES ANOTHER PERFECT DAY
KREVA ストロングスタイル


トラックをそのまま公開はできませんが、ランナーズアップ大会にて披露する新作2作について、概要はお伝えしたいと思います。

まず『誰にも私の世界を変えられやしない』という作品は、『詩の檻はない』という、たくさんの詩人が参加している詩集への一種のオマージュとなっております。アフガニスタンにて政権のために詩を書くことを禁じられた詩人たちと、彼らの状況を受けて日本、世界で詩を書いたたいへん多くの詩人たちと、そして私自身の個人的な心境とが複雑に呼応してできた詩です。拙いながらも、静かな祈りを込めました。

次に『ロックスター A HUNDRED SUN Version』という作品は、私の永遠のロックスターである「ブンブンサテライツ(BOOM BOOM SATELITTES)」とその後を継ぐバンド「スペルバウンド(THE SPELLBOUND)」についてうたったものです。私は札幌にて、両方のライブをそれぞれ一回ずつ観たことがあります。その体験、また、ファンブック(ブンブンサテライツ結成25周年記念に際して刊行された書籍)から得た、川島道行さんの人柄やキャラクター、中野雅之さんとの関係性も作品に反映させました。
拙いながらも、愛と祈りのうたです。

そんな感じで、ランナーズアップ大会には現在、5作ほど手持ちの詩がある状態です。もう1作書くか?と思いますが、間に合うかどうか。何作読めるかもわからないですしね。どの順番でカードを切るか?いろんな方向から作戦を立てないといけません。

全国の2位の方々+敗者復活戦の勝者と戦い、全員に勝たないと優勝できない過酷なスラム。優勝したら、12月に東京で行われる全国大会の切符を手にすることができます。
1回戦負けかもしれませんし、決勝戦敗退かもしれないけど、どこで敗退しても、優勝しても、悔いの残らないパフォーマンスを披露していきたいと思います。

11月25日(土)、YouTube配信でも無料で公開されるとのこと。
(17時~敗者復活戦、20時~ランナーズアップ大会、という流れとのこと)
勝敗はすべてオンラインでの観客の投票で決まるようです。
オンラインという慣れない環境でのスラムで、それにも手こずるかもしれないのですが、ついに全国の詩人たちと全力で戦います。
お時間のある方、ご都合のつく方がいれば、応援よろしくお願いします。




いつの日か小説や文章で食べていくことを夢見て毎日頑張っています。いただいたサポートを執筆に活かします。