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公認心理師法と現任者講習会の歴史〜現任者講習会の受講を考えている方々へ〜

歴史と言っても、2015年〜2020年の短い歴史しかありませんが、そもそも最初の公認心理師現任者講習会についてご存知の方のうち大半は、おそらく公認心理師試験を終わらせておられるかと思われます。ですので、この記事によって、現任者講習会の受講を考えている方へ情報提供としたいと思います。

臨床心理士〜心理師(仮称)〜公認心理師

「臨床心理士」という資格は、そもそも国家資格を目指した資格でしたが、2005年の小泉純一郎内閣の頃、臨床心理士・医療心理士2資格一法案というものが検討され、その時には国家資格ができないまま参議院の解散とともに流れてしまいました。

その後、しばらく心理職の国家資格化の話は出てこなかったのですが、再度「心理師(仮称)」という形で再燃し(関係者の方々のロビー活動が功を奏して)、具体的に「公認心理師」という名称で国会審議入りし、「公認心理師法」は議員立法によって可決されました。

このあたりの詳しい事情については、興味のある方は以下の書籍をお読みください。

公認心理師法の2015年公布と2017年施行

上記の流れがあったあと、公認心理師法は2015年9月に公布され、2017年9月に施行されました。この時、公認心理師の施行規則に施行後5年間の経過措置(移行措置)が明記されたことが、公認心理師現任者講習会の始まりとなります。

平成30年(2018年)開催公認心理師現任者講習会

この時が最も初めの現任者講習会でした。もう遠い過去のように思い出されますが、まだ2年半しか経っていないのですね(2020年8月現在)。

弊法人(国際心理支援協会)は、かなり早期に「公認心理師現任者講習会の申請書」を提出したのですが、さすがに一般財団法人日本心理研修センター(以下本文中、心理研修センター)や、公益社団法人日本精神科病院協会(以下本文中、日精協)は早く、一番最初に講習会が厚生労働省より指定されることとなりました。

一般財団法人日本心理研修センター
公益社団法人日本精神科病院協会

その後、数週間ほど遅れて弊法人(国際心理支援協会)と、一般社団法人日本遠隔カウンセリング協会とが、厚生労働省より指定されました。
弊法人で行っている「(通常の)講師の生講義」に関する問い合わせやアンケートの回答では、「生講義なのでよかった」という本来当たり前?のことに関しても、相対的にお褒めの言葉をいただくことができました(他の実施主体では現任者講習会の講義が、噂に聞くとかなり動画を流す時間が多かったところもあったとのことでした)。

その他、保育園に子どもを預けられる方への補助(認可外の一時保育はかなり高額なんです。私=筆者は実は保育士でもあります)や、先着順でなく抽選にしていたこと、また下記に記しますが、何よりも講師陣が豪華で、楽しい講義にしてくださったことが大きかったと考えています。

定員こそ、心理研修センターや日精協には及ばないものの、それに次ぐ規模で、全体的な満足度を高めることができ、アンケートでは95%以上の好意的なご回答をいただくなど、人気だけではトップになることができたのではないかと考えています。

一般社団法人日本遠隔カウンセリング協会
一般社団法人国際心理支援協会

また、他の団体があまりにも東京に開催地が偏っていたため(東京>>>>>大阪>>福岡・名古屋>その他...といった感じでした)、弊法人(国際心理支援協会)では東京も含めつつも、東京・大阪・名古屋・広島・福岡と日本全国で受講いただける形をつくり、その後同じ年に追加で申請した際には東京・大阪・仙台・那覇とさらに南北に広げました(その後の現任者講習会では札幌も)。

というのも、弊法人(国際心理支援協会)の本部は実は大阪にあり(東京にも事務所はありますが)、東京一極集中ではない形にしたかった(地方フレンドリー)こともあります(だからといって東京フレンドリーですが笑)。

さらに、上記の理由からお願いしている講師の半数程度は関西人であり、多くの方が「笑いも取りに行く」ことをしてくださるので(私もそうですが・・・)、講義に緩急ができてよかったと思います。関西人ではない講師の方々も、各種メディアでもご活躍の先生方やブリーフセラピー系(ユーモアも大事にする)の先生方など、素晴らしい講師陣に恵まれました。

遠隔カウンセリング協会では、東京と福岡にて公認心理師現任者講習会が行われ、託児補助のほか、ドリンクバーなんてものもあったように見受けられましたが、その後もドリンクバーをつけておられたのでしょうか(2020年はオンラインのみですが)。

このあと、多くの団体がその後に名を連ね、結果初年度で11もの団体が公認心理師現任者講習会の実施主体として指定されました。中でも「一般社団法人臨床心理士会」では、各会場大人数ではないものの、様々な地方都市で公認心理師現任者講習会が開催され、地方在住の方が助かったのではないかと思われます。

一般社団法人メンタルヘルス協会
公益財団法人関西カウンセリングセンター
一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会
一般社団法人日本臨床心理士会
一般社団法人こころの臨床
公益社団法人青少年健康センター
一般社団法人東京メディカルアンビシャス

平成31年(2019年)開催公認心理師現任者講習会

その翌年、2019年にも同じく最初に心理研修センターと日精協が、厚生労働省により指定され、

一般財団法人日本心理研修センター
公益社団法人日本精神科病院協会

その後弊法人(国際心理支援協会)が追って指定を受け、

一般社団法人国際心理支援協会

その後、初めて指定された「公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター」や「日本産業カウンセラー協会」などが参入していき(3団体が抜け、2団体が新たに追加)、計10団体が厚生労働省の指定を受けることとなりました。         

公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター            一般社団法人日本遠隔カウンセリング協会
一般社団法人日本産業カウンセラー協会
一般社団法人共生の未来考究会
一般社団法人東京メディカルアンビシャス
公益財団法人関西カウンセリングセンター
一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会

令和元年(2019年)開催公認心理師現任者講習会

2019年は、心理研修センターや日精協がなんらかの事情で申請書の通過が遅くなったのか、指定されるまでには時間がかかっていました。

2019年には初めて弊法人が一番最初に指定を受けることとなり、またもや遠隔カウンセリング協会と同時期の指定となりました。

一般社団法人国際心理支援協会
一般社団法人日本遠隔カウンセリング協会

その後、多くの団体は2018年指定と同様ですが、ここで初めて「一般社団法人公認心理師協会」が参入することとなりました。役割としては、先の「一般社団法人臨床心理士会」と同じように、地方での受講者数を増やすためだと思われます。

公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター
一般社団法人日本産業カウンセラー協会
一般社団法人メンタルヘルス協会
一般財団法人日本心理研修センター
一般社団法人日本公認心理師協会
公益財団法人関西カウンセリングセンター
一般社団法人東京メディカルアンビシャス
一般社団法人こころの臨床
一般社団法人日本スクールカウンセリング推進協議会
公益社団法人日本精神科病院協会

令和2年(2020年)開催公認心理師現任者講習会

そして、今年2020年。新型コロナウィルス感染症のため、緊急事態宣言が出されるなどの中、公認心理師現任者講習会はどうなってしまうのだろうかと思われました。

弊法人(国際心理支援協会)では、申請書を既にほとんど作っている状態でしたが、厚生労働省から「令和2年度に実施する公認心理師現任者講習会のオンラインでの実施について(下記リンク「タイトル未設定」参照)」という文書が出されたことから、急遽オンラインで行うための申請書に作り変え、厚生労働省に提出をいたしました。

今回の変更(オンライン可)は大きな、しかも急激な変更ではありました。ですが、これまでオンラインでの研修や講習会の経験があることや、周りの迅速なご協力を得られたことにより、比較的スムーズに申請書を作り直すことができました。

このようにオンライン開催が可能になってから、会場実施に関しては感染症対策のため大きな赤字になる可能性があるため、当初現任者講習会をオンライン開催だけにすることも考えていました。

ですが、上記でもお伝えしたように、弊法人(国際心理支援協会)は地方開催を増やすことによって、受講者の方の声にお応えしてきたという歴史があったため、「やはり国際心理支援協会は少ない会場数であっても赤字になっても、できる限りは地方開催をしていきたい!」という思いから、地方開催を少ないながら(横浜、大阪、仙台、福岡)させていただくこととしました。やはり、現任者講習会自体も、講師と会場との相互作用があるから楽しくできます。オンラインだとその辺の空気づくりが難しいことから、やはり会場の方が雰囲気はいいだろうなぁと感じています。

毎度のこと、弊法人(国際心理支援協会)遠隔カウンセリング協会の2つが先に指定を受けました。
完全に予想でしかありませんが、国際心理支援協会や遠隔カウンセリング協会では、そのような「オンライン実施」という特殊な方法に対し、ある程度の専門的な知見を有していたため、わりあい早く対応できたのかと思われます。実際、弊法人でもこれまでの実績がなければ、どのように申請書を作ればいいか右往左往していた可能性がありましたので、その点ではラッキーであったといえるかもしれません。

一般社団法人国際心理支援協会
一般社団法人日本遠隔カウンセリング協会

その後、心理研修センターも少し遅れて指定がなされましたが、会場実施は今のところ(現在指定されているところでは)国際心理支援協会のみのようです。

一般財団法人日本心理研修センター

地方開催(会場実施)ではもちろん、新型コロナウィルス感染症対策を徹底するため、そこは赤字覚悟で安心して受けていただける形を作りました。

具体的には、スタッフ数を例年より大幅に増員受付時間を長くし分散、例年は3名掛けに3名座っていただいていたところを、フィジカル・ディスタンスをとるために3名掛けに1名のみ・・・(その他は省略、詳しくはホームページ上を参照)といった形にしていますので、安心してご受講いただけます。

今回の公認心理師現任者講習会では、そのほとんどがオンライン受講となったため、オンラインでは特にこれまでのアンケートで人気の講師を集めました。

とはいえ、オンラインになることで会場の雰囲気や、講師の楽しいアドリブ感が伝えにくくなってしまったため、せめて公認心理師や公認心理師試験に関する充実した情報提供を行っていければと思っています(姉妹会社が、IPSA心理学大学院予備校という公認心理師試験対策を行う予備校なこともあり、できる限り皆様のお役に立てる形を考えたいと思っています)。

令和3年(2021年)開催公認心理師現任者講習会

以上が、これまでの現任者講習会の歴史でした。さて、来年2021年の公認心理師現任者講習会はどうなるのでしょうか。「4月〜11月までの間に開催できる」と現任者講習会の実施要領にはあるのですが、今回のオンライン開催についてはあくまで特別措置であり、2021年でもオンラインで受けられるとは限りません。

来年2021年は、公認心理師現任者講習会を受けられる最終年ですので、受講希望者は少ないかもしれません。それでも、できる限り国際心理支援協会でも行っていきたいと考えております。

今後

今後、公認心理師現任者講習会を受けられる方もそうでない方も、公認心理師や臨床心理士に役立つ情報、研修、サービスをお届けしてまいりますので、ぜひどこかでお会いできたらと思います。

以下に、一般社団法人国際心理支援協会とIPSA心理学大学院予備校のリンクを貼り付けておきますね。またどこかでお会いしましょう!


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