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外国人は宿泊お断りの中国、タクラマカン砂漠で砂嵐に襲われる日々

新疆ウイグル自治区は日本の4.5倍、中国全土の6分の1を占める。
その4分の1が砂漠。

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英語が通じない中国だが、日本人は漢字が読めるのでだいぶ助かる。

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レストランのメニューも文字を見ればだいたい推察できる。
中国語の発音はとても難しいが、「回鍋肉飯」は「ホイコーロー」と言って通じたし、「青椒牛肉飯」は「チンジャオ」と言って通じた。

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中国旅行の楽しみは、やっぱり中華料理。
拌面にやみつき。

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どの店も手打ちで、ツルツルしていてコシがある。
しかも麺はおかわり自由。

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中国旅行の難しさは、何といっても外国人宿泊拒否。
許可申請している宿でないと、外国人は宿泊できない。
大都市や観光地では難なく外国人可の宿を見つけられるが、田舎街では難しい。
サイクリストは、大都市や観光地ですごす時間はわずか、大半の時間をド田舎ですごす。

街に着いたら、とりあえず安そうな宿からあたってみるのだが、まずは中国のID提示を求められる。
そんなものは持ってないのでパスポートを見せると、驚かれる。
外国人の宿泊客など初めて、といったリアクション。
まじまじとパスポートを見つめられても、僕は早く部屋で休みたいのだが。
従業員同士でなんやかんやと話したり、上司やオーナーに電話したりして、さんざん待たされた結果、「没有(メイヨウ)」と断られる。
それから中級クラスの宿などもあたってみるが、同様に長々と待たされた挙げ句に「没有」、「没有」と、ことごとく拒否される。

困っていると、周囲の人たちは星のついた高級ホテルを指さす。
高級ホテルなら、外国人宿泊許可をとっている。
そんなわけで田舎街では、キャンプか高級ホテルかの二択となる。
1日100km以上砂漠を走り続けて疲れ切った身、何軒もの宿でたらい回しにされ拒否され、キャンプできるような場所もなさそう。
悔しいが根負けして、高級ホテルに泊まってしまったこともあった。
高級ホテルに泊まったところで、ネットも自由にできないし、食事が付くわけでもない、ただ建物が立派なだけで、お得感は皆無、痛い出費だ。

中規模以上の街でしばしば見かける比較的安い宿、「交通賓館」(Traffic Hotel)は外国人宿泊可。
高速道路に時折現れる長距離ドライバー用の宿も泊まれたりする(ウイグルの高速道路は自転車通行可)。
あと、外国人宿泊拒否のルールさえ知らなさそうな僻地の宿でも、違法だが泊まらせてくれることがある

キャンプに適した場所があるなら、キャンプに越したことはない。

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パミールとつながる天山山脈。

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遊牧民の移動式住居。

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モンゴル系だろうか。

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搾りたての牛乳にパン。

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中華料理も最高だけど、このシンプルさもたまらない。

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ヤク。

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キンタマウサギ?

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標高3300m。
チベットっぽい峠。

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モンゴル文字だろうか。

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「がんばれ」でおなじみの「加油」、ふつうにガソリンスタンドなのね。

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宿泊だけでなく、ふつうの買い物でも拒否されたことがあった。
ここでは僕は漢族として見られ、ウイグル人から敵意をあらわにされることがあるのだ。
なのでヘタに中国語で話しかけるよりも、英語で話して非漢族アピールしといた方がやりやすい。

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気さくにからんでくれるウイグル人も多い。

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漢族も僕に興味津々。

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タクラマカン砂漠。

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天山山脈、パミール、カラコルム、ヒマラヤといった名だたる山脈に周囲をグルっと囲まれた巨大な窪地。

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世界最大の大陸であるユーラシアの最深部。
山脈から流れてくる川は海まで到達せず、タクラマカンで吸われて涸れる。

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イランの時と同様、道路下の排水トンネルで寝る。

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ぼんやりと、雲行きを観察していたのだが、奇妙だった。
遠くで雷のような轟音が聞こえたが、雨を降らせるほど分厚い雲でもなかった。
分厚い雲でもないのに、数km先では雲が地上まで接していて、すごいスピードで動いているのが見えた。

雲じゃない?

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・・・砂嵐!!!

と思ったらあっという間に視界がゼロになった。

やばい!!!

猛烈な砂と風が排水路に吹き込んできた。
テントにはすべての荷物を入れていたので50kgぐらいあったはずだが、動いて飛ばされそうになったので必死でつかんだ。
ポールが折れそうなほどしなる。
砂が首と背中にバシバシ当たって痛い。

こええええ!!!

10分ほどその状態で耐えた後、嵐は過ぎ去った。
テントの中の荷物はグチャグチャで砂まみれ。
ひとつひとつ掃除するハメになった。

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その後、砂嵐は毎夕やってくることがわかった。
前もって準備し、テントをがっちりつかんで踏ん張ればもう慣れたもの、何ということはない。

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人口14億人(実際にはもっと多いと考えられる)の中国だが、国土は日本の25倍。
とにかく人が多いイメージがあるかもしれないが、人口密度でいえば日本の方が中国の倍以上も過密。
ウイグルやチベットは居住に適さない過酷な土地が大半を占め、タクラマカン砂漠だけでも日本に匹敵するほどの広大さ。

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無人の砂漠を走り続けていると、ここがどこの国かなんてどうでもよくなってくる。


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