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旅の電子機器

旅をしている間にもテクノロジーは進化し、それにともなって旅のスタイルも変化していく。

僕は、初めて買ったスマホはザンビア、初めて買ったタブレットはブルガリア、初めて買ったラップトップはトルコ、いずれも日本ではなく旅の途中でのこと。

2000年代はスマホもなく、国際テレフォンカードなんてものを持ち、公衆電話や電話屋から日本の家族友人に電話したりした。
Wi-Fiもなく、ラップトップを持ち歩いている旅人はごく少数だった。

ネットをやるならネットカフェに行くのがお決まりだった。
ネットカフェも、国よって店によってまちまちで、まともにできるかどうかは使ってみないとわからない。
日本語表示ができないPCもめずらしくなかったし、USBポートが使えずデータ送信できないということもあった。

あとは、インフォメーションセンターや宿泊施設のロビーにPCが1台置いてあったり、図書館で無料でPCを使えたりもしたが、こういったものは閲覧専用で、データ送信などはできないことが多かった。

日々停電するような国では、やってる最中に街全体の電気がバッシャーンと落ちて、その後数日間電気がまったく使えなかったりした。

日本のIT化の遅れが話題になることが多い。
それはたしかにその通りでもう手遅れ、今後国際競争において日本は敗北し衰退していくだろう。
でも、いまだ電力の供給が不安定な国は多く、いくらIT化が進んでもしょっちゅう街全体の電気が落ちてしまっては、何もできやしない。
基本的なインフラが安定して機能しているだけでも、日本はまだまだすごせる国だ。

外国のネットカフェは、店内にPCが数台並んでいるだけで、それ以外のサービスは一切ない。
日本の複合レジャー施設のような、いやほとんどホテルのような、ゴージャスなネットカフェは世界中どこ探したって存在しない(もはやネット目的でネットカフェに行く日本人もいないだろう)。

2010年代になると、誰もがスマホやラップトップを持ち、宿泊施設や公共の場所でWi-Fi接続するようになった。

街のいたるところにあったネットカフェや、ローカルな情報収集の要であったインフォメーションセンターも、2010年代後半にもなるとほとんど見られなくなった。

紙の地図も淘汰され、人に道を尋ねることはなくなった。
ガイドブックもいらなくなり、本は電子書籍で読み、紙類を持たなくなったことで荷物も大幅に軽量化された。

旅の途中でスマホが壊れて、新たに買うこともある。
日本で売られているスマホはかなり限られているが、海外では実にバリエーション豊かで、聞いたこともないようなメーカーの格安スマホがたくさんあり、1万円以下のものもめずらしくない。

メキシコで買ったアメリカ製BLU、2699ペソ(1万4777円)。

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2010年代後半からは、各国でSIMカードを買うようにもなった。

英語が通じないロシアでのSIM購入はちょっと構えてしまったが、こういうショップの店員は英語を話せる確率が高いし、英語が通じなくても使うワードは決まってくるのでなんとかなる。

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プランはいろいろ選べるが、ロシアで買ったのは10GBで300ルーブル(445円)。
有効期限は、だいたいどこも30日。
宿泊施設ではWi-Fiにつなぐので、実際10GBも使い切れない。
データの消費よりもスマホのバッテリーの消費の方が気を使う。

SIM購入にはパスポートの提示が求められることが多い。
アクティベートは店員がやってくれる。
いたって楽チン、難しいことは何もない。

Wi-Fiスポットに縛られず、いつでもどこでもネットができる、この無敵感。
バイカル湖の氷上でも、サハラ砂漠でも、森の中のテントからも、SNSを発信できる、そんな時代。

メキシコでは、コンビニでSIMが買えて、店員のおばちゃんがアクティベートまでやってくれた。

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ちなみにメキシコでは、SIMカードは「アミーゴチップ」と呼ばれているらしい。

SIMの煩わしさは、なんといっても国境を超えるごとに買い替えなければならないこと。
でもEU圏では、1枚のSIMでフリーローミングできる。

ハンガリーで、vodafoneのSIMを購入。

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5GBで4500フォリント(1644円)のプラン。
これで、EU圏ならどこでもネットできる。
1ヶ月ごとにオンラインでチャージしていけば持続できる。

以前は、宿の予約などしたことなかったが、いつしかBooking.comを駆使するようになった。
森の中で野宿中に、翌日に行く街の最安宿をBooking.comで予約し、朝起きてその宿に向かって走り出すだけ。
一日走って疲れきった身で街に着いてから安宿を探し求めて何軒もまわる、という労力が省けるようになった。

人とのメッセージのやり取りは、日本ではLINEが主流だが、海外ではWhatsAppが最も主流。
LINEにしてもWhatsAppにしても、電話番号をベースにしてアカウントがつくられるから厄介だ。
僕のようにコロコロと電話番号が変わると、もちろんアカウント編集で番号変更はできるのだが、そうすると過去のチャットが消えたり、連絡先が消えたりなど、あらかじめバックアップしておかないと不具合が生じる。
個人的には、Messengerが最も使い勝手が良い。
電話番号ベースではないので面倒なこともないし、Facebookで友達になっておけば連絡先が消えてしまうなんていうトラブルもない。

SIMの最高額は、ダントツでアメリカ。

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8GBでなんとUS$55。
アラスカ、カナダ、メキシコでも共通して使えるということだが、街を離れて無人地帯に突入すると電波がなくなるので使えない、という割に合わないもの。

でも、物価の高い欧米ではWarmshowersの民泊を最大限に活用しており、ホストと連絡をとるにもSIMがないと困る。
キャンプもできずホステルも見つからないような状況だと、バカ高いモーテルに泊まることになる。
民泊で宿泊費をゼロにできるのなら、高くてもSIM代はやはり必要経費だ。

各国のSIMたち。

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今や生命線となったスマホ。
便利にはなったが、充電という課題が発生する。
しばらく野宿が続いて、久々に宿にたどり着いたらいっせいに充電。

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宿でも店でも、スキあらば充電。

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便利にはなったけど、常に充電を気にしなきゃならないなんて、こういう点では気持ちに余裕がなくなったな。

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電源の需要に対応できていない宿泊施設がまだ多い。
気の利くホステルは各ベッドにコンセントを設置しているが、そうでないところは客同士で争奪戦になる。
ベッドから遠くにコンセントがあることも多いので、延長コードも必要。

キャンプ場でも、キッチンのコンセントはスマホで埋まってたりする。

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キャンプ場とはいえ宿泊施設なのだから、1泊5ドルぐらいなら文句も言わないが20ドルもふんだくっておいて電源も整備されていない、というのは割に合わない。

テントサイトは基本的に電源がないが、まれにRVサイトと同じように電源が使えるところがある。

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キャンプ場はサイト全域でWi-Fiが飛んでいるので、電源さえあればテントの中で寝そべりながらのんびりネットができる。

コンセントの規格も、国によって地域によってさまざま。

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マルチタイプがあると安心だが、ユーラシア大陸なんかでは丸ピンタイプひとつでだいたい対応できる。
世界的に最も汎用性が高いのはこのタイプだと思う。

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あとは、イギリスや南アフリカなどは独自のコンセントで、そういう特殊なものは現地で変換プラグを買えばいい。

ソーラー充電もできるモバイルバッテリー。

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乾電池駆動のデバイスは使わなくなったが、ソーラーでエネループを充電できるものも。

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カメラは、特に強いこだわりはなく、安いコンパクトカメラで。

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ただ、望遠は必要。
遠くの動物もしっかり撮りたい。

コンパクトでもびよーんと伸びて、60倍ズーム。

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自転車に乗りながら動画を撮る用に、ウェアラブルカメラも。

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iPodも必要。
もちろんスマホやラップトップでも音楽は聞けるが、バッテリー節約が優先なので、音楽専用のデバイスがあった方がバッテリー消費を分散できる。

テント泊においては、日が沈んで暗闇となると何もできない。
iPodで音楽を聞いたり、ラップトップで映画を見たり、電子書籍を読んだりする。
そういうリラックスタイムもすごく大事。

第何世代だか知らないが、こんな古いiPodも。

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しばらくして、もっとコンパクトに。

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いずれも10年以上前に買ったものだが、今も使える。
ただ、ケーブルがこれなのだ。

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ある時期から、アップルは規格を変えてしまった。

いずれにしても、アンドロイドスマホもカメラもすべての電子機器はケーブルの規格が統一されたというのに、アップルだけが独自路線というのは不便。

時計はプロトレック。

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日常生活では腕時計の必要性がなくなってきているが、標高、気温、気圧がわかり、ソーラーで電波時計、というのは自転車旅においては今も重宝する。

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自転車のスピードメーターも、以前は標高と気温が表示されるものがあったが、今はなくなってしまった。

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電子機器はほぼすべてUSB充電できるようになったが、いまだスピードメーターだけは電池、しかもCR2032なので貧困国では入手しにくい。

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夜間走行はしないので自転車用のライトはあまり使わないが、濃霧走行時や雨天走行時、トンネル通過時などのために一応ある。

これもUSB充電。

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次の旅では、ハブダイナモでモバイルバッテリーを充電できないだろうか、と思案中。

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