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SNS時代、ブラックメタルとフェスはどうやってファンとつながっていくか

ブラックメタルと『叫び』のムンク様を、コラボさせちゃう。ノルウェーという国

ノルウェーって、有名な『叫び』を描いた、画家エドヴァルド・ムンク様の出身国だと、ご存じでした?

上の写真は、来日時に叫びPRに励んでいたノルウェーのソールバルグ首相。

北欧はメタルの聖地、ノルウェーはブラックメタルの聖地って、ご存じでした?

「そうなの?」と思った方は、日本語で「メイへム」で検索してみてください。



ノルウェーでは、ブラックメタルの祭典「インフェルノ」(Inferno)が、毎年開催されています。なんと、イースター(復活祭)の時期に。

イエス・キリストの復活を祝う聖なる時期に、死刑や悪魔の儀式パフォーマンスがおこなわれるフェスです。

なんというとか、寛容な国ですねぇ。

その寛容さをさらに実感したのが、今年のインフェルノでした。

ムンクといえば、ノルウェーのシンボルともいえる偉大なる画家。そのムンクの絵と、悪魔イメージのあるブラックメタルが、コラボっていましたよ。

偉大なる巨匠と、反社会的なフェス。日本では、このふたつを共演させるなんて、ありえるでしょうか。

バンド、サテリコン(SATYRICON)の後ろの絵は、ムンク様の『死のキス』。

もはや、「地獄と死」の協奏曲。

大量の現地・国際メディアも報道に駆け付けていました。しかし、ムンクの絵とブラックメタルの共演の異様さに、誰も突っ込まない。

不思議な世界観でした。

今回は、「世界でも珍しいブラックメタル会議」で話された内容、メタル界のSNS戦略・女性の少なさ問題・フェスの政治的課題などについて、レポートします。

エンスレイヴド(Enslaved) のドラムス、カト・ベッケボル(Cato Bekkevold)による、贅沢なドラム教室も開催されましたよ!

Photo&Text: Asaki Abumi

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