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古いのに楽しめる不思議

2年前からドラゴンクエストをやっています。最初は7、それから8、5、4、6、とやって、今年の夏に最新のドラクエ11をオンタイムで買って、それを昨年末に終了。今やっているのはドラクエ1です。

18歳の時に、初めてドラゴンクエストをプレイして以来、30年後に再びドラクエをやる日が来ようとは。

30年振りにやったドラクエ7で、世界の広大さと作画の美しさに度肝を抜かれ、ドラクエもここまで来ているのかと思えば、その後の8で更にグレードアップした世界観に圧倒されました。なぜって、私の頭の中は完全に8ビットのピコピコ動くドラクエで時間が止まっていましたからね。

ドラクエにはプレイステーション版とDS版とありますが、私がしていたのはDS版。毎晩少しずつとは言え、大学生じゃないんですよ。50歳になろうかと言う私に、残された時間は少ないわけです。本当なら、ゲームなんかしないで、読書したり、編み物をしたり、常備菜を作ったり、もっと他の有益なことに時間を使うべきなのはあきらかです。

それで、毎回ゲームが完了すると、息子にDSを返すのですが、すぐに次のドラクエソフトの入ったDSが私のところに戻されている...。それを見た私は我慢が出来ずに次のドラクエを始めてしまう。というループでここまできました。そう、DS本体も含め、一連のドラクエは息子から借りてやってるんですね。

私は基本的に攻略サイトや攻略本を見ずにプレイします。その方が驚きがあって楽しいですから。もちろん、そうするとつまづくところが出てきて、そこで息子にヒントを聞く。そこから推測して、また進めて行く。多分基本的にロールプレイングゲームが好きなんです。そもそも生きていることがロールプレイングゲームだし。

さて、普通なら、過去作品から次第に新しいものへと移って行くのが通常と思いますが、私の場合、8をやってから5をやったり、最新の11の後に1をプレイしたりと、技術的に新しい物のあとに古い物をやることが多く、これは、息子の選択でそうなっている訳なんですが、ちょっとどういうことかと言うと、ドラクエ知らない方には見てもらうと分かりますが、

例えば、これが11のオープニングで、

そして、これがドラクエ1のオープニングでですね、

ハッキリ言って、現代から旧石器時代へタイムスリップするわけですよ。

あっと!動画探してたらいいのありましたね。歴代の戦闘シーンです。

いやぁ、やっぱねー、5の戦闘曲はいいですねー。

それで、今の時代に携帯電話から急にダイヤル式電話に変わったらどうなるかと言うと、不便で文句が出ると思うんです。インターネットがなくて、情報は回覧板だけだったら困りますよね。それが、ドラクエは困らないんですよ。

11の後に1をやっても、最初は「えっ!話しかけるのに東西南北の指定するんかい!」とか「いちいち階段ってコマンド入れるんかい!」とかなるんですけど、最終的に他のシリーズと同じように楽しんじゃってるです。

不思議じゃないですか?だって、ゲームの技術って、前作不便だったアレやコレを修正して次が出るわけです。あー、お金が貯められたらいいなぁ、とか、ルーラで他の町にも行けたらなぁとか、そう言うユーザーの希望を汲んで次回作が作られる、その次回作も更に改良して次の次回作が...。ということで、現在のドラクエ11が提供されているわけなんですけど、多分本質的なところはそこじゃないように思うんです。

つまり、人と言うのは、いくらでも自分で補正をかけることができるのではないでしょうか。例え8ビットのカクカクした世界でも、ちゃんとストーリーを膨らませてワクワクすることができる。キャラクターの姿がピコピコしていても、それはピコピコした光の点滅ではなく、戦士や魔法使いや、姫となって私の中でちゃんと動いてくれるんです。

ですから、例え古いシリーズをプレイしたって、ちゃんと楽しい。お金が貯まらなくても、ルーラでお城にしか帰れなくても、腹なんて立たないのです。例えばドラクエの4と8とどっちが楽しいかと聞かれれば、どっちも楽しいし、むしろストーリーで言えば4の方が好き。

人は映画「アバター」のようなスーパーCGで作られた物語でも、鉛筆で描かれた棒人間で作られた物語でも、同等に感動して涙することが可能なんです。ホンモノのように作る必要はまったくありません。必要なものがあるとすれば、自分が作った物をなんとか伝えたいという気力と熱さ、執念と魂ではないでしょうか。

私が、どのドラクエでも楽しく遊べるのは、そこにつねに本物があるからなんだと思います。どの作品もみっちりと隅々まで熱い情熱と気力に満ちていますし、執念で作り込んでありますし、当然魂が入っているわけです。

それにしても、私が18歳のとき、30年後にこんな風にまたドラクエをやって、ドラクエを語っているなんて、想像できたでしょうか。そのドラクエを自分の息子から借りて、息子から指南されてやってるんですよ。生きていくって、面白いですね。

おっと、思わず熱く語ってしまいました。ちなみに、ドラクエ11は306時間プレイで、アイテムは全コンプリートしました。それでは、今からドラクエ1のりゅうおうの城へと行ってまいりましょう。

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