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捕食者に出会わないために

人間は敵と味方に別れて争うことが好きです。相手が敵かどうかは自分が決めるのではなく、国が決めたりします。あの国は敵で、こっちの国は味方。そう決められて、まったくその通りなら理解できますが、大体、味方の中にも敵みたいな人がいますね。逆もしかりです。「昨日の敵は今日の友」などと言うように、その境界は実に曖昧です。「敵/味方」という考え方は権力者にとって都合がいいかもしれませんが、一個人が生きていくためには大して必要がありません。

この「敵/味方」という考え方。自然界には存在しません。そこにあるのは「捕食者/そのへんにいるヤツ」です。メダカにとってヤゴは捕食者ですが、ゲンゴロウはその辺にいるヤツです。トンボにとってツバメは捕食者ですが、サギはその辺にいるなんかでっかいヤツです。

捕食者に気をつけましょう。「敵と味方」という大雑把な考えではなく、「コイツはオレをエサにするかもしれない」そういったことに鼻が利く必要があると思います。

メダカはヤゴに見つからないように気をつけて行動をします。ヤゴに対して「あんたが私を食べるのは理不尽だ」とは抗議しません。

このように、捕食者というのは向かっていくべき対象ではありません。捕食者は戦う相手ではなく、単に捕食者なので、見つからないように、関わらないようにするべきです。捕食者は捕食者の原理で行動しますから、まるで違う世界の住人と思ったほうがよいです。

メダカやヤゴを例に出しましたが、これは人間の話です。人間の中に捕食者がいるという話です。捕食者は捕まえて食べる相手を常に探しています。本能的にです。気をつけましょう。ちょっとした態度、言動の中に捕食者の片鱗が見えると思います。サインに気づけるような鍛錬が必要です。

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はい!「熟成下書き」きましたよー。2017年7月の下書きです。これ、このへんをひと通り読んだ時に書いたんですよねー。

どれもkindleにて購入。書籍として本棚にあるのはちょっとアレな本というのがあって、だけど読みたい!って本、そういうのはkindleで買うようにしています。

さて、江戸川乱歩に始まり、シャーロックホームズや横溝正史と言った推理小説大好きっ子だった私。そして探偵ものに欠かせないもの。それは

殺し。

推理小説は殺す方法、トリックを明かすのが物語のハイライトですが、私は「なぜ、実際に殺すまで思い至ったのか」に大変興味を持っていました。

殺人者というのは、突然変異で発生した人物ではなく、ごくごく身の周りにいる人だと思っているので、なんらかのきっかけが重なり、そちら側に行くことになった人のことが知りたくてしょうがないのです。つまり、自分は殺人者にもなりたくないし、殺されたくもない。では、どうすれば回避できるだろう。で、こう言った書籍を手に取って殺す側の研究をするわけでございます。大切ですよね、傾向と対策。身を守るために敵を知るのは基本中の基本。

けど、これらの本の中に出てくる殺人はどうも普通とは違う。例えば浮気が許せなくて殺すとか、家庭内暴力に耐えきれずに殺す、というものではなく、「お金のために殺す」「自分の利益のために殺す」「自分の不利益になるから殺す」と言ったもので、殺される側にしてみたら不運極まりないもの。ところが、この中には同じような轍を踏みながら殺されずに済んだ人たちも出てきます。なにかの差が生死を分けている。そこに興味を持ちました。それが先の熟成された下書きの部分です。

これね、田んぼで草取りなんかしてる時に思ったんですよ。自然界の成り立ちを、人間に当てはめてみると、本当に合致することが多くて感心してばかりです。田んぼとか畑をすると、にわか哲学者になった気分になるんですが、まあ同じ虫を見るにしても「害虫だ!!」となって農薬撒いてたらきっとこんなこと考えなかったかもですね。虫のほうは人間を虐殺者を思っているのかどうか、わかりませんが。それと、「メダカはヤゴに見つからないように気をつけて行動をします」って書いてるけど、たぶんきっとそこまで考えてない。気を付けてないと思います。しかし、こうやって過去の自分の頭の中を除くような企画。いいですねー。楽しませてもらいました。

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