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#5 高雄〜台中の移動には台湾鉄道の新型特急がおすすめ。静かできれいで快適だった話(2022-2023 台湾旅)

こんにちは、あさまるです。
年末年始を台湾へ旅してきたお話。前回は高雄にある「高雄ポップミュージックセンター」について紹介しました。

高雄には2泊3日で滞在したのち、台中で1泊2日するスケジュールを組みました。
今回は、台湾鉄道の新型車両で高雄から台中に移動した話をしていこうと思います。とても快適な体験ができたので、本記事で紹介します。
また、高雄〜台中の移動手段についても併せてご紹介します。

この記事が高雄〜台中の都市間移動をされる際の参考となれば嬉しいです。


なぜ台中へ行こうと思ったのか

そもそもの話として、高雄から台中に向かうことにした理由は、主に3つです。

  1. 帰りの飛行機は台北桃園空港発で予約していたため、北上する必要があった

    • 高雄と桃園空港間にある、途中の街でアクセスしやすい都市で1泊するのが良いと思った

    • 台北は過去に何度か行ったことがあるので、今回はスキップ

  2. 12月31日泊のホテル料金が異常に高いため、都市部でお手頃価格で宿泊できる場所を探していた

  3. 台中の街の雰囲気を実際に見てみたかった

大晦日のホテル宿泊料金は、異常なまでに値上がりする

今回の旅で一番難しかったのが、年末年始の宿泊価格でした。12月31日泊は通常の3〜5倍の料金になっているのです。前日まで5,000円程度で宿泊できたホテルも、12月31日となれば20,000円超え。これには驚きました。

また、台湾の検疫ルールにより、「入境後7日間は1人1部屋の環境で過ごすこと」という制約があり、ドミトリー等の共同宿泊施設は利用できません。安くで宿泊することに難航しました。

たまたまAirbnbでお手ごろなお部屋が見つかったため、今回は台中へ移動することにしました。

高雄〜台中間の移動手段

はじめに、高雄〜台中間の移動手段について簡単に紹介させてください。

台湾第2の都市、台中。そして第3の都市、高雄。
距離にすると約200km。東京から日光へ、大阪から浜松へ移動する距離感になります。
それなりに人々の往来が多く、主な移動手段としては「高鉄(新幹線)」「台鉄(電車)」「都市間バス」があります。

高鉄(台湾新幹線)

所要時間は1時間30分程度。新幹線の乗車時間は30分程度ですが、どちらも市内中心部まで電車orバスでの移動が必要です。
価格は540元(約2,400円)。HSR(High Speed Rail)とも呼ばれています。

台鉄(電車)

いわゆる日本でいうJR在来線に相当する路線。台湾中を網羅しています。略してTRA(Taiwan Railways Administration)と呼ばれています。
日本と異なり、新幹線と競合する区間にも特急が走っているのが特徴的ですね。車窓を眺めるならお勧めです。
所要時間は、特急利用で約2時間〜2時間30分、469元(約2,100円)。
普通利用であれば約3〜4時間、301元(約1,350円)。

都市間バス

台湾の都市間を結ぶ路線バスがいくつも走っています。国光バスというバス会社が最もメジャー。台湾中を網羅しています。
所要時間は約3時間、価格は350元(約1,500円)

いずれの交通手段も所要時間とサービス内容で絶妙な価格設定

高雄から台中の移動は、一般的には「高鉄(新幹線)」を使うのが一般的だと思います。速く移動できますし、サービスも充実していて快適です。

ただ、新幹線は市中心部を直接結んでいないため、乗り換えが必要になります。「大きな荷物を持って移動が大変だから、多少時間がかかっても電車やバスを使おう」となれば、電車やバスが選べます。
絶妙な価格設定がされているなと思いました。

運行頻度も高く、新幹線、電車、バス、どれを選んでも1時間に1本以上は走っています。

台鉄の特急電車を選んだ理由

上記で様々な交通手段があることを紹介した中で、今回私は台湾鉄道の特急電車「自強号」に乗って移動することにしました。
車窓の眺望が楽しめそうだと思ったのと、2022年に新型特急車両が導入され、高雄〜台中の間でも1日3本ほど走っていることがわかったからです。

新型特急車両は「EMU3000」と呼ばれているのですが、実は日本の2021年度のグッドデザイン賞に選ばれているのです(車両自体も日立製)。
新型車両のプロジェクトには、外部のデザイン専門家が入り、台鉄がデザイン、美的価値を追求して創り上げていったとのこと。

私はグッドデザイン賞受賞の受賞作品一覧で知ったのですが、いつか機会あれば乗ってみたいなと思っていました。

人気のためか、他の特急よりも速く席が埋まっていく

このEMU3000は「自強号(3000)」という名前の特急として台湾中を運行されているのですが、現地でもかなりの人気らしく、予約時にこの新型車両で運行されるものだけがかなり混み合っていました。

私は3日前に台鉄の公式サイトで予約したのですが、グリーン車に相当する車両は満席。普通車も窓側は残り1席で、最後の窓側1席を確保しました。早めに予約したほうが良さそうです。


ここから先は、写真多めでお送りします。旅している気分になっていただければ。

美麗島駅から高雄駅へ移動

今回私は高雄駅の1駅隣、美麗島駅近くの安いホテルに宿泊していたため、高雄駅まで地下鉄で移動しました。

美麗島駅は、世界最大のステンドグラスアートが改札口を覆っている駅で、人気観光スポットにもなっています。

美麗島駅改札口。思わず息を飲む作品が改札口に現れる。

美麗島駅から高雄駅へ移動して地上へ。高雄駅は現在新しいターミナルビルを建設中でした。その一方で、旧高雄駅もモニュメントとして残すようで、工事のフェンスで囲まれているのを見て、新旧の移り変わりを感じた次第でした。

旧高雄駅の駅舎。新しいビルも建設中。

実際に新型車両「EMU3000」に乗ってみる

では高雄駅に入っていきましょう。

高雄駅の改札口は地下にある。
きっぷうりば、改札、駅弁屋、コンビニが入ってます
高雄駅のプラットホーム
高雄駅から前後の数駅間は地下化されている。
通勤通学に使える本数が確保されているようだ

駅で待っている時間ってワクワクしますよね。
トイレに行っている間に、いつのまにか車両が到着してました。

めっちゃシンプルだけどわかりやすい「9号車」と「座席番号」のご案内
EMU3000の行先案内LED。新幹線っぽいモダンな表示。
フォントの種類、文字の大きさ/太さにもかなりこだわってる

車両について

走行中も車内が静かで、揺れも少なく、加減速がスムーズだったことに驚きました。
日本の在来線の特急のイメージとして、路線によっては、走行中にかなり揺れる、ガタガタうるさい、といったイメージがあるのですが、この「EMU3000」はそんなことはなく、とても快適に過ごすことができました。線路の状態も良いんでしょうね。

もちろん座席にはコンセントが付いているので、PCやスマホの充電もできました。

車内サービスについて

日本の新幹線のような、ワゴンサービスがありました。
グリーン車に相当する車両では、加えてお弁当のサービスもあるようです。

特徴的だったのは、清掃の方が大きなゴミ袋を持って巡回されていること。1時間に1回くらいで車両を回っていました。
日本では駅or車両のゴミ箱に入れることになりますが、台湾では清掃の方が持っているゴミ袋に入れれば良いので、これはこれで車内清掃時の効率も上がりますし、お客さんにとっても便利だし、良いなと想いました。

車窓の景色は

私は電車から景色を見るのが好きなので、高雄から台中までの道中の景色を見ていました。

郊外の広大な田んぼ、畑、所々住宅、学校。
特急停車駅が近づくと、住宅やマンションが増えて市街地となる感じ。そして駅を出発して2〜3分経つと、また田園風景になっていく。
日本の地方都市の郊外とどこか似た雰囲気を感じました。

台南駅付近
途中の嘉義駅では各駅停車と待ち合わせ。
先頭車は自転車持ち込み可能車両となっている
田んぼ
農業用の池かな?
見渡す限りの畑と送電線

実際に乗ってみて

高雄から台中までの2時間30分。ゆっくり寛げて、あっという間でした。
今後も新型車両が増えて、台鉄の新標準となっていくのだと思います。

台中に到着してから撮影。白と黒のツートンがカッコイイ…!

この新型特急車両「EMU3000」に乗って感じたのは、乗り心地もさることながら、とてもシンプルでいて快適なこと。

色使いや文字、モノ、インテリア、音(ノイズ)、各種情報。
諸々細部に至るまで、余計なものを付加しないデザインになっていることを強く感じました。

技術的やシステム的な面は、日本の特急とそこまで変わらないと思います。なのにシンプルに感じてしまう不思議。
日本の車両では広告や案内情報資料が多すぎる、そう感じのかもしれません。

台湾に旅行に行った際は都市間移動で是非乗ってみてください。

次回は台中で過ごしたことを徒然写真中心にお送りする予定です。

台中駅のホームには絵が。
台中駅の壁はアートでいくつもの作品がありました。
目立つ広告が駅構内にないのも特徴ですね

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