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#4 台湾のポップミュージックが体感できる場所「高雄ポップミュージックセンター」と「POP! POP! POP展」(2022-2023 台湾旅)

こんにちは、台湾で年末年始を過ごしていた「あさまる」です。

前回は、旧高雄港ベイエリア・駁二アート特区の街ぶらを紹介しましたが、駁二アート特区の先に「高雄ポップミュージックセンター(高雄流行音楽中心、略称は高流)」という、とてもユニークなデザインの施設があり、興味本位で訪問しました。

訪問した感想としては「ただの音楽関連施設と素通りするには本当にもったいない」でした。日本に似たような施設はなく、とても興味深かったため、今回は「高雄ポップミュージックセンター」を紹介したいと思います。

高雄ポップミュージックセンターってなに?

中国語名は「高雄流行音樂中心」、英語名は「Kaohsiung Music Center」と呼ばれるこの施設。

建物と周辺スペースに以下の施設がまとまっています。

  • 4,000〜6,000人を収容できる屋内イベントホール

  • 8,000〜10,000人を収容できる屋外イベントスペース

  • 1,000人を収容できるコンサートホール

  • 200〜1,000席のギャラリースペース

  • 音楽、映像に関連した企業オフィスフロア

  • スタジオ

なんといいますか、音楽に関連した創作活動はもちろんのこと、イベントもできる大きなエリアでした。
日本で例えるなら、日比谷音楽堂と東京国際フォーラムを足し合わせて、商業音楽活動に特化させた感じでしょうか。かなり適当な例えですが、広さと規模感のイメージは伝わるかと思います。

現地では略称である「高流」で推されているようで、施設内のあちこちに「高流」のロゴマークがありました。

高雄ミュージックセンター全景。
六角形を組み合わせたようなデザインが特徴

行政が台湾音楽業界の文化醸成・発展に必要と感じたことから、行政のバックアップのもと、2021年10月に誕生。
台湾南部におけるポップミュージックイベントにおける中核ランドマークとなっていて、アーティストや業界人材の育成、業界のネットワーキングに活用されているとのことです。

高雄市政府観光局のページで、施設の概要を日本語でわかりやすく紹介されていますので、詳しく知りたい方はどうぞ。

また日本では、そのユニークな建築デザインから「AXIS Web Magazine」に紹介されていました。

イベントについては、数百人のライブから、大規模フェスまで対応できるようになっており、施設の中では音楽に関する様々な催しもできる。スタジオや制作会社も入ってる。

「台湾南部のポップミュージックカルチャーがここに集い、クリエイティブが生まれて発信されていく。」そんなコンセプトに感じました。

実際に建物の中に入ってみる

あまりに特徴的な建築デザインで、ポップミュージックがテーマであれば、きっと楽しめるものがある気がする。と思い、建物の1つ「ウェーブタワー(音浪塔)」の中に入ってみることにしました。

建物が大きくて、近くに来るとスケールが伝わりきらない笑

高雄ミュージックセンターを構成する建物の1つ「ウェーブタワー(音浪塔)」。

「ソプラノタワー」と「アルトタワー」の2棟で構成されているようだ。
そういえば、床のタイルが六角形になっているところに、こだわりを感じました。

ウェーブタワーのフロアガイド。
スタジオや映像関連の会社が入っている。

私は夕方に「高雄ポップミュージックセンター」を訪問したのですが、ちょうど台湾のポップミュージックがインタラクティブに体験できる「POP! POP! POP! ポップミュージック インタラクティブ展」という展示があったので、興味本位で中に入ってみることにしました。

POP! POP! POP! ギャラリーのエントランス。

POP! POP! POP! 流行音楽互動展

一言で表すと、台湾ポップミュージックの変遷や楽曲を体験して楽しめるギャラリーとなっていました。

公式サイトで紹介YouTubeがあります。一度観てみてください。ちょっとわくわくしませんか?

ギャラリーの全体構成は以下のようになっていました。

  • 自分の感情をいくつか選ぶと、近しい曲がレコメンドされて聴けるジュークボックス

  • 楽曲制作過程を体験できるエリア。楽曲のレコーディングやミックスについて知ることができる

  • プロモーションビデオの制作過程を体験できるエリア。実際にグリーンバック背景のスタジオがあり、カメラの前で撮影してもらえる

  • 大衆の音楽の楽しみ方の変遷と、その時代に流行った楽曲の紹介。

  • 人気ミュージシャンによる展示

  • 様々なフレーズを組み合わせて楽曲制作できるコーナー

実際にギャラリーの中に入ってみてわかったのですが、このギャラリーの特徴は、見たり、聞いたり、遊んだりできること。

プロモーションビデオの撮影用のブース。スタッフが撮ってくれる。
ものの1分程度で背景が合成された完成テイクが見れ、さらにQRコードでダウンロードできる

自分のスマートフォンとイヤホン、そして会場にある録画録音設備を組み合わせることで、自分の選んだ好みや表現で音楽を楽しめるように設計されています。

自分で試してみたクリエイティブは、手元のスマートフォンでダウンロードして持って帰れます。

感情と感覚のまま楽曲を創れるコーナーも。
ミックスダウンするとQRコードが発行され、自分のスマホに入れることもできる

実際に訪問して感じたこと

このギャラリーに関わったスタッフの皆さんが「ポップミュージックの裏側を知ってもらい、音楽をもっと楽しんでもらうためにはどうすれば良いか」について、とても考え抜かれているように感じました。

ギャラリー入って最初のところでは「コンサートのバックステージから入場する」という、心躍るようなワクワク感が演出されていて、その後は実際に音楽を楽しめる、自分自身のクリエイティブのかんたんに表現でき、シェアできる。

「音楽の展示ってどう見せるんだろう、どう聴かすのだろう?」という興味本位で行きましたが、総じて新しい取り組みだなと感じました。
ギャラリーで音楽が入ると、どうしても間延びしたり、ついスキップしたくなると思いますが、このギャラリーは体験に振り切ってました。
展示を観る概念が変わった気がします。

「POP! POP! POP! 流行音楽互動展」は2023年末まで開催しているようなので、台湾のポップミュージックについて知りたい方、音楽とふれあって楽しみたい方は是非訪れてみてください。

そして、「高雄ポップミュージックセンター」。この施設がある意味は大きいなと感じました。
台湾南部はもちろん、台湾全体でポップミュージックを発信していける場所となっているし、アーティストのみならず、音楽を仕事として携わりたい方も集まれる場所となっているのが良いですね。
日本だと音楽系の専門学校が担っている印象がありますが、行政がここまで施設からてこ入れしているのは特筆に値します。

「高雄ポップミュージックセンター」はオープンから2年目。事業ミッションや今後の戦略もWebサイトで公開されていて、事業としてもこれから発展させていく想いも感じとれました。

台湾の音楽業界がもっと熱くなってほしい、発展していってほしいと感じたひとときでした。

展示を見終わって外に出たら日が暮れていた。
4,000~6,000人収容の屋内ホール「海音館」のエントランス。

次回は年の変わり目を「台中」で過ごした話と題して、高雄から台中への移動、台中で訪問したところを旅日記スタイルで紹介できればと思います。

高流訪問後、夢時代というショッピングモールへ行った時の1枚。
31日夜に無料の野外ライブがあるようで、
ステージの設営、リハーサルが行われていました。


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