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作ったご飯を食べてもらえず腐って捨てた話

まだ大学病院でブイブイ働いていた頃。

もともと自炊をしていたので、その残りをお弁当に詰めて持っていく生活を続けていた。

私には仲良しの同期がいて、自分のお弁当を作る時にはその子の分まで作っていた。

自分のお弁当のついでだし
喜んでくれるだろうと思って。
もっと関係性がよくなるだろうと思って。

最初のうちは、おいしいおいしいと食べてくれたいたその子も、そのうち私のお弁当をもらうことに慣れていく。

そのうち、食べてくれない日があって、あれ…?と思い始める。

人から貰ったお弁当、忘れたの?
私のお弁当、美味しくないのかな?って。


ある時、とどめを刺す出来事があった。

夏休みで1週間ぶりに出勤したときに、先週渡したはずのお弁当がまだ冷蔵庫に残っていた。もちろん、腐っていた。

その同期には何も聞けなかったし、聞きたくなかった。もう、誰にもわからないように職場のゴミ箱にこっそりお弁当を捨てるしかなかった。

かなしくてかなしい気持ちだったけれど、不思議とその同期を責める気持ちはなく、食材に対してただただ申し訳ない気持ちだった。

食材としての天命を全うさせてあげられなくてごめんね
腐ってしまうくらいなら自分で食べれば良かったな


同時に

あの同期にとっては、私のお弁当はなんの価値もないものなんだってことに気付いた。

タダほど怖いものはないというけれど、タダだからこそあの同期にはあってもなくてもいいものだったのだ。

以後、彼女のためにお弁当を作るのはやめた。
わたしは、わたしを満足させることだけを考えればいい。


同じように作り置きの仕事でも

あさみさんの料理、油っこくてほとんど食べられず捨てました。
もう2度とお願いしません。

 と、言われた事がある。


もちろん、材料費はお客さん持ちなので申し訳ないことをしたと思うけれど、私はお客さんやその家族が美味しく食べてくれるよう尽くしたつもりだった。残念だった。


このふたつの経験から、どうせ食べてもらうなら、ナースあさみの作ったご飯はおいしい!そんな価値を認めて肯定してくれる人にしか提供したくないと考えるようになった。

やっぱり、手間をかけて作ったものを否定されたり捨てられるのは悲しいし、気持ちも食材ももったいない。

どうせなら、私にお金を払ってでもご飯を作ってほしい、あさみちゃんのごはんが好き!と思ってる人たちに全力を注ぎたい。


あさみさんのセンスが好きです
味付けが好きです
ハンバーグ、毎回お願いしてるのに飽きないの!
材料をいつも使い切ってくれてありがとう

そう言ってくれる人たちに対して価値を提供していきたい。
そのほうがわたしも幸せだと思うから。

自分の価値やスキルを提供するとき、相手と市場を見誤ってはいけないというお話でした。


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