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天と地を行き来する手のひら

今回は本当に、ただの日記です。

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今朝、患者さんが亡くなってエンゼルケアをした。
ナースの間では、患者さんが亡くなってしまうことをステルベン(ドイツ語で死亡の意味)と言うことが多いのだけど、同僚みんなでステルベンがあった、ステルベンのある夜勤はつらいと愚痴ってて、ちょっと面白かった。


同時に

私自身、エンゼルケアが久々なのもあって、いろいろ手間取ってしまったことにショックを受けていた。もっとスムーズに、早く、きれいに出来てたのにやらないと忘れるんだな、と。

昔は、死神というあだ名がつくほどステルベンを呼んでいたので、エンゼルケアは看護の中でも得意中の得意だった。なのに、ここ数年はめっきりひかない。きっと、日頃の行いがすごくいいから、ということにしておく。

話を戻して、浴衣の前合わせを逆にすることや、死後硬直や葬儀・告別式の日取りから逆算してお化粧やご遺体の管理をすること、手や足がだらんとしないように体勢を固定すること、やせてしまった顔つきをガーゼや綿球で元気な頃に近づけること。

ほぼすべて忘れていたのが悔しくて、家に帰ってきてからすぐに当時の参考書や先輩に教わったメモを引っ張り出して復習してました。

なんて真面目…!
看護師の鑑だわ…!!


その時のメモを見てたら、当時、ステルベンの夜勤が終わったあと、看護職ではない友達と仕事の話をしてたら

え?今日、死体を触ってきたの?

って怪訝な顔されながら言われたのもショックだったな、とかいろいろ思い出してしまった。死体っていう言い方はないでしょ…さっきまで生きてた自分の家族にも同じこと言えるの?って。


死体を触ってきた私はこれから、8月生まれの人たちが集まる合同誕生会みたいなイベントに行く。なんて振り幅の大きな1日なんだろう。死体を触った私が、今度は美味しいお肉を切りに、生まれた日のお祝いの拍手をしにいく。


まさに死神だなと思いながら、いったん仮眠に入ります。
おやすみ。



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