それは、本当に負けることなのか

今回はかなり医療寄りの内容です。
ちょっと重たいかもしれません。

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今、病棟には今にも死にそうなおばあちゃんが3人いるんだけど
担当の先生たちはみんなそう思っていなくて

というか
たぶん、状態が良くなっていかないことと
医者自身が向き合えていないから
死にそうだという認識をしていない、って感じ。

看護師から
ご家族に状況が厳しいと説明してください
点滴、少し減らしませんか?
と、提言しても

いや、まだ大丈夫、とか
そんな話を家族にするのはまだ先だよ、とか
いろいろ理由をつけて逃げてしまう。


よく、患者と家族が病気と向き合えていないというけれど
こう見ると、医者だって負けていない。

病気を治すために、病気に勝つために
みんな医者になったのだから
当然と言えば当然かもしれない。

けれども、高齢社会の現代において
病気に勝ったねバンザイ!なんて価値観はもう古い。

病気や障害、老いも含めて
どれだけ自分らしい暮らしを維持できるかという価値観のほうが
関わる人がみんな豊かだと、私は思う。

医者の教育方針に対し
私たち看護師は病気に勝ちましょうという教育は受けない。

患者と家族を、そして医者を徹底的にサポートし
ケアやチームがうまく機能するように行動しなさいと教わる。
勝ち負けじゃないのだ。


きっと、3人の患者さんたちは
来週中には亡くなってしまうと思うけど
担当の先生がいつそれと向き合うのか。

そして、説明された本人や家族は
残された時間の中で「生」と向き合いきれるのか。

看護師としてできることを最大公約数にするために
さっきからずっとぐるぐる考えてる。


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