見出し画像

自分の強みらしきものがやっとわかってきた話

自分探しの旅。

自己啓発の世界ではよく聞くワードだけれど、果たして、どれくらいの人が探していた「自分」に出会えるのだろうか。

多くの人が探している間に迷子になり
次第に時間やお金や情熱が尽きて

自分なんてどこにもいない

と悟ったフリをして、普段通りの生活に戻っていく。

結局、自分なんて自分の中にしかないのだ。
世界一周をしたところで残るのは、経験と思い出だけ。

そういう人をたくさん見てきた。
みんな疲弊と消耗の中、自分の生活に戻っていった。

なぜこんなことを書いているかというと
かくいう私も、かつては自分探しの旅人だったからだ。


25歳くらいのときから
組織の中でずっと生きていくことは
私には向いていない、と感じ
自分の価値を発揮できる場を探し求めた。

いろんな人に会って
いろんな場やイベントに足を運び
お金もたくさん使ってきた。

もちろん、へんてこりんな情報商材にも手を出したことがある。
たぶん総額200万くらいは使ってきたんじゃないかな。

裏切られたり
信頼を大きく損ねたり
失敗や反省ばかりがどんどん貯まっていった。

けれども、自分の価値を発揮できる場を、そういう自分を支えてくれる人たちを探し求めたのは

患者さんたちのおかげだった。


自分のやりたいことができないまま
自分の好きなことがわからないまま

私は、こんなはずじゃなかった
俺の人生、これからだったのに

と言いながら死にゆく人の手を握っていると
「諦める」なんて文字が頭の中をよぎることはなかった。

わたしは、看護師を活かしつつお金もどんどん稼いで
絶対に自分らしい人生を生き抜いてみせるぞ…!

そんな風に思っていた。



いろんなことに手を出したり引っ込めたりしてたら、気づくと5年以上の月日が流れていた。

当然ながら、自分探しは難航していた。
もはや難破船である。

そんな私だったけれど、2年前くらいから、チャンスの神様の前髪をハゲそうな勢いで掴み取るようなケースが出てきた。

思ってもみなかったチャンスが目の前に差し出されたり、心の底から嬉しい楽しいことが少しずつ増えてきた。

出会う人のレベルも上がったというと、それまでの人に失礼な気もするけど、たくさん稼いでいるとかフォロワーがたくさんいるとかではない、人としての成熟度の高い人との出会いも増えた。

そういう人と関わっていると
ふしぎなことに自分の肯定感が上がる。

スキルも大切だけれど
それよりも、存在していることそのものが価値なのだと
自然に思えるようになっていた。

だから

自分を大切にしないと
相手のことも大切にできない

とか

こういう言葉を使ったら
あの人たちはどんな顔するだろう

とか

いい意味での外界の視線ができた。
いつも見られている自分がいる感覚
というのかな。


そして、こんな風に考えを巡らせるようになる。

たとえ報酬が桁違いによくても
自分の人生が好転するとわかっていても

あの人たちを裏切ったり
悲しませるようなことは
絶対しないと心に誓った。


そんなふうに人と関わっていると
その人たちの口からこんな言葉が聞かれた。

「あさみさんの天職は看護師だね」

「あなたは新人のときから安定感があったわね」

「私もあさみさんみたいに
自分の強みを活かしたキャリアを築きたいです」

「あさみさんは現場に強いタイプですね」

「あさみさんは、安心感の擬人化」

「あさみさんの声は安心するから
患者さんにキツイこといっても平気」

「安定ですね、安定
あさみさんは安定がやばい」


安心・安定という言葉がよく聞かれるようになった。
たぶん、これが私の強みであり、人生のキーワードなんだろうなと最近になってやっと気づいた。

自分探しをはじめて7年目の秋である。
まさかの、このタイミング。


思い返してみると、私は安心・安定とかけ離れた経験をたくさんしてきた。

父の仕事の都合で小さいころから転勤・転校は当たり前だったし
母の運転する車の事故に巻き込まれたのは3歳のときだった。
サイドミラーがフロントミラーになっていた。

阪神淡路大震災ではライフラインが途絶えたため、3ヶ月近く父の実家に疎開したし、友達がいなくて本ばかり読んでいた時期もある。

性的につらい体験にも遭ったし
私の体型や容姿が一部界隈で需要があるのか
毎日痴漢にあいながら通学していた時期もあった。

大学時代は体調不良で実習の出席日数がギリギリだったし
就職して最初の1年はこんな調子

そのうち自分が死ぬんじゃないかと本気で思っていた。

たぶん、こういう経験をしてきたことが自分の中で徐々に発酵して、逆に安定感を放つような存在に感じられることが増えてるんだと思う。

ちょっと治安の悪い言葉かもしれないけれど
あと、私があいまみえる不幸があるとしたら
災害で被災するか、誰かに殺されるくらいしかない。

だからこそ、日々の安定や安心が
かけがえのない大切なものであること

それを身をもって体現できているのかもしれない
なんて思っている。


だから、自分探しの旅人のみなさんへ。

自分なんて自分の中にしかないから、自分自身と自分の延長線上にある「人」という資産を大事にしてみるといいと思うよという、ナースあさみからの提案です。

そうすると、自分の一部が見えてくることがある。
私の事例のように。

誠実に人と関係性を構築していけば
その人たちから「自分」がかえってくる。
差し出されるような感覚、とも言えるかもしれない。

一瞬たじろいだり、恐れ多く感じるかもしれないけれど
それは、あなたが大切にしてる人がくれたプレゼント。

どうぞ、遠慮なく受け取ることをおすすめします。



貴重な時間を使い、最後まで記事を読んでくださりどうもありがとうございます。頂いたサポートは書籍の購入や食材など勉強代として使わせていただきます。もっとnoteを楽しんでいきます!!