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はじめて家事代行サービスを使うあなたへ、4年目のわたしからメモを 〜お料理編〜

前回のnoteに引き続き

家事代行サービスにおけるメモをやる側視点でお送りします。

もっと気軽にお料理をお願いできる世の中になったらいいな!
ということで、今回はお料理(作り置き)編。

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人にご飯を作ってもらうなんてちょっと…という方もいると思いますが、わたしのお客さんは、この作り置きを

困ったらいつでも食べれる
冷蔵庫の中にあるお守り

とおっしゃっていました
(名言では)

お守りのある暮らし
少しだけのぞいてみてくださいね。


材料は買っておくのがベター

まずは、材料から。

え、買ってきてくれないんですか?

と思われる方もいるかもしれませんが
お客さんが買ったほうが絶対いいです。

順に説明していきますね。

これは個人の判断やお客さんとの関係性にもよるかもしれませんが

駅から家に向かう途中で、ついでに買い物してきてほしいというお客さんの声。

いやいや、買い物するところから家事代行だわ。買った荷物を家まで運ぶのだって、仕事でしょ?という私たちの声。

そう、私たちが材料を買ってきてしまうと、その時間からお仕事開始の扱いになってしまうことがあるからです。

わたしも、買い物からお仕事ですというスタンスでやらせてもらっています。

だって、荷物運ぶの重たいし
これってやつ仕事だと思うの。

どういうことかというと、3時間の作業時間であれば、買い物に30分使ってしまったら残り2時間半の中で作業を終えますよ、ということ。

えぇぇぇ…
そんなこと言われても
買い物する時間もないんですけど!!

という方は、生協や宅配サービスをうまく使ってほしいです。

わたしが知ってるだけでもこれだけあります。

それぞれの特色やメリットはサイトをみていただければわかると思うので割愛しますが、個人的に大事だと思うのは受け取り方。

冷蔵品や冷凍品も届くとなると、受け取るのも結構大変ですよね。
その時間、確実に家にいる保証が持てないという人だっていると思います。

・子どもの習い事が伸びた
・急遽、残業が入った
・子どものお迎えでギャン泣きされて、タッチの差だった

もう、ほんとつらい。

受け取れないほうが嫌だから、重たいけどスーパーで買ってくるというお客さんもいます。

受け取り方に玄関先や宅配ロッカーにそのまま置いてもらえるという選択肢があるだけでも、救いになりますよね。冷凍品だって溶けちゃっても、また冷凍庫に入れれば冷凍品だし(!)

受け取れないとお料理どころではないので、ここは結構ポイントだと思います。

・美味しいこと
・安全であること
・価格が見合っていること

は、そのうち優先順位を決めていけばOK。

困ったらお野菜セットとかお肉セットを買ってもらえれば、こちらでいい感じにアレンジします。


そして、お客さんが買ったほうがいいと思う理由は、買い物こそ一番価値観を反映させる意思決定だからです。

・お野菜は有機野菜がよかった
・いやいや、なにはともあれ新鮮さが大事
・どれもよくわかんない、ってか何を買えばいいの?

から始まって

・お肉は国産がいい!
・なるべくなら冷凍品は買わないで
・お魚は匂いがするからいや、エビもダメ
・調味料なんてなんでもいい
・なるべく添加物の入っていないものを
・調味料よくわからんけど、ケチャップは絶対ハインツ!

などなど、こだわりを持って買い物している人がほとんどなんですが、これって自分だけでは気づけません。誰かに買ってきてもらって、はじめて気づくんです。

急遽、入院となった患者さんが知り合いに歯ブラシを買ってきてもらったら、いつも使ってるお気に入りのやつじゃなかった時のかなしさと、たしかに伝えなかった、わたし伝えなかったわ…というせつなさに似てる気がする。

もちろん、中にはまったくこだわりがなくて、OKストアやオオゼキの違いもわからず近くのスーパーの商品=わたしの生活用品、なんて人もいます。

そういう方で、子どもふたりの4人家族の場合には

野菜、お肉、魚介、好きなものをかごいっぱいに買ってきてもらえれば、10品〜13品くらいいけますよ

と、お伝えすることがおおいです。

ここの意思決定は、代行さんよりもお客さんのほうがベターだと思います。


この領域こそ、清潔の考え方を必ず共有

お掃除編でもキレイの状態を共有しましょうと触れましたが、お料理はなおさら。

ちょっと細かく説明させてください。

まずは、賞味期限。

これ、念の為にお伝えしておきますと、美味しく食べられる期限とされています。

腐る日ではないんですよね。
(そう思ってる方もいらっしゃるので、念の為)

ただ、これを過ぎたものは食べないという方もいらっしゃいます。

未開封のレトルトパックや瓶詰め、調味料もそう。
期限が切れていても全然平気っていう人もいれば、もう捨てて欲しいという人もいます。

この辺りは、コミュニケーションの中で細かく聞いていくことが多いです。
食べられる食べられないのボーダーは、個人によって大きく違うからです。

ちなみに、わたしはかなりルーズなほうなんですが、同じ家庭で育った弟はめちゃくちゃ厳密ですし、賞味期限内であっても自分が納得したものでないと手をつけようとしません。

だから、これは本当に個人の価値観だなと思っています。


そうそう、お魚やお肉はパックに賞味期限が書いてあることが多いのですが、ネックとなるのは野菜

ブロッコリーに賞味期限のシールが貼ってあるところなんて見たことないですよね。

そう、野菜には賞味期限が明記されていないので、各々の判断に任されているんです。

そのため

・ちょっと傷んでいるから使わない
・傷んでいるところだけ取り除いて使う
・ギリギリまで食材を使って欲しい

など、お客さんの要望や価値観を知っておく必要があります。
じゃないと、作った料理を捨てるしかないという悲しい結末になってしまうから。

ここまで、賞味期限にまつわる価値観について、でした。


続いて、手拭き、台拭き、ふきん、キッチンペーパーの使い方

これも、結構大事。

なにでどこを拭いていいのか、どこまで使っていいのか、を共有しておいたほうがベターです。

手拭きは持参したほうがいいのか、お借りしても良いのか
台拭きは、コンロや五徳まで拭いていいのか
ふきんの予備はどこにあるのか、濡れたら乾かして使ったほうがいいのか
キッチンペーパーは油の吸収だけじゃなく、他にもガシガシ使っていいのか

ね?
結構、各家庭によって使い方がバラけそうじゃありませんか。

ちなみに、お皿をふきんで拭くという習慣がなかったり、雑巾ではなくダスターで使い捨てなんておうちもあるので、本当に各家庭によってさまざま。

ここも押さえておきたいポイントです。


最後に、おいしさと火の通し加減の相関

たとえば、ハンバーグ。

出来たら、外はカリカリで中はふっくら、火は通ってるけど中心がほんのりピンク色、くらいがおいしいですよね。

けれども、これが作り置きとなると話は別。

しっかり中まで火を通しておき、明日も明後日も安全に食べることのほうが大事!という人もいます。

・日持ちが悪くなってもいいからおいしさが最優先の人
・どちらも譲りたくない人
・とにかく安全を最優先にして欲しい人
・味付けを濃くしてもいいから日持ちを優先させる人

そのお客さんが何を優先させているのかを探っていき、その最適解を仕上げていきます。

ちょっと味付け濃かったです~

と、言われたら

そしたら今日は薄めの味付けにしますが、日持ちがちょっと心配になります。

と、お伝えすると

あ~…ならこのままで大丈夫です。
あ!ポテトサラダは瞬殺なので薄めで!

など、もっとパーソナライズな作り置きが出来たりします。

この仕事の楽しい部分のひとつですし、お客さんからしたら価値の高い要素のひとつだと思います。


すべてのおかずを指定されると、起こること

これを作って欲しい!
と、すべての献立を指定してお願いされることもありますが、個人的に1番作りやすいのは

2~3品指定して頂き
残りはおまかせスタイル

だと思っています。
なぜかというと、理由はふたつ。

ひとつは、作れる品数が少なくなること。

多くの作り置きマイスターはそうだと思うのですが、流れ作業の中で作る献立を決めていきます。

フローシートで枝分かれしていくようなイメージですね。
スライスした玉ねぎなら

・少し炒めたのを牛丼用にとりわけ
・しんなりするまで炒めたものをグラタン用にとりわけ
・あめ色まで炒めた玉ねぎをハンバーグに混ぜたりオニオングラタンスープにしようかな

という具合。

ここでみじん切りにした玉ねぎを使うような献立を指定されてしまうと、また1からプロセスを刻まないといけないんです。

う~ん、わたしはちょっともったいないなと思ってしまいます。

そのひと品、どうしても食べたいなら作るけれど、わたしに任せてくれたら3品できるよ、さぁどうする?という気持ち。

なので、ここはお客さんの要望とその濃度次第かな、と。


もうひとつの理由が、軌道修正がきかないこと。

ちょっと耳が痛いな~と感じる人もいるかもしれませんが、お許しを。

冷蔵庫の中に入れてても、食品が腐ってしまうことってありますよね。

だって、そんなこと把握する間もないくらい日々が忙しい。だから、家事を外注するんですよね。

わたしだって、半分残しておいた玉ねぎをダメにしてしまうことがあります。
かなしみと申し訳なさ。

過去には、野菜室の野菜がほとんど腐っていて、買い物からリスタートしたお宅もありました。

見た目はきれいな白菜も中が真っ黒
とか
皮をむいた玉ねぎがデロデロだった
とか
ベーコン開けたらヌルヌルしてた
とか
牛乳からチーズのような匂いがする
とか

これで白菜のミルク煮あたりを指定されてたら、ちょっと無理ですよね。
ここまで指定されてしまうと、修正がきかないんです。

もし、献立を指定されていなければ。

中のほうがダメになってた白菜だって、外側だけなら食べれそうだから塩昆布と和えて浅漬けにするとか、そういう方向転換が出来るわけです。

そのため、指定された献立と指定しない献立を希望してもらえると、こちらとしては自由度が高くてやりやすいなと思ってしまいます。

あくまでも、ナースあさみ個人の意見です。


「未完のまま」も指定できます

Instagramで検索すると、テーブルにめいっぱい敷き詰められた作り置きおかずが並んでいることが多いですが

あえて、作りきらないというオーダーだって指定することができます。

・ジップロックの中で味付けしたお肉を冷凍しておく→解凍して焼けば食べれる状態
・春巻きや餃子を包んでおく→半分は冷凍に
・グラタンやドリアを焼くだけの状態にしておく
・ピーマンの肉詰め、うち2つはお弁当用に焼かないままで取っておいてほしい
・煮物の具材と多めに作ったつゆ→刻んで炊き込みご飯の元として冷凍に

こんな具合です。

やはり、餃子と春巻きは指定されることが多いのですが、刻んで(炒めて)包んでってどうしても工数がかかってしまうので、品数が減ってしまうんですよね…

毎回修行です、わたしも。


味の好みこそ、相性があるから

お掃除編でも触れましたが
味の好みこそ相性があります。

ちょっとこの人の味付け、イマイチかも

と感じたら、迷わず他の人もトライしてみて欲しいです。

わたしの場合、お酒が好きなこともあってどうしても味付けは濃いめ。そのため、薄めが好みのお客さんとは合いません。

あとは、その人が育ってきた土地や地域の特色も関係するかな、と思います。

九州出身のお客さんなら、お醤油は甘いものもお持ち。
関西出身のお客さんなら、うどん出汁は薄めでほとんど色がつかないくらいが好み、などです。

以前には、作ったものの味が合わず、ほとんど捨てられたことだってあります。

美味しいと定評のあるわたしでさえ(!)、合わない人とは合わない。そういうものです。

だから、そのおかずを美味しいと思えなくても、自分を否定しなくて大丈夫。食べ慣れないものなら尚更。

お料理が得意な人は他にもいます。
迷わず、他の人をトライしてみてください。


おわりに

人のおうちにいって、ご飯を作るのを仕事にしていると言うと

え~(すごい)

え~(うちはムリ~)

ふたつのえ~を頂くことが多いんですが、後者の方は自らハードルを高めているようにも思いました。

だって、人んちのごはんっておいしいじゃないですか。
それを、自分んちで再現してもらい食べるだけ

と、考えたらそんなに仰々しいことではないと思うんです。

肉じゃがだって
カレーだって
ポテトサラダだって
なんとなく、人んちのほうがおいしい。

家事代行サービスで作り置きをお願いする、というよりも、人んちのご飯を食べてみるくらいの気持ちでトライしてみると、違った世界が開けるはず。


家事代行サービスに限らず
家事に苦しむ人が減り
楽しめる人が増えていく
世の中になりますように。




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