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80%のおかずをたくさん作りたい人向け、あると便利な調理器具たち

突然ですが、私はひとつのことにずっと集中するのがとても苦手です。
120%の成果を出すことも得意じゃない。

けれども

80%の成果を毎日出すことは、苦痛じゃありません。

これを料理に置き換えると、一晩煮込んだビーフシチューよりも、ハンバーグ、ポテトサラダ、お味噌汁、ご飯をそこそこのクオリティで仕上げることが得意。

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(ハンバーグは毎週作っているので、目をつむってても作れるレベル)

おうちは、お店じゃない。
だから、自分自身や一緒に暮らしている人がおいしい、おいしいねと言えるレベルのご飯であれば、それでいいと思っています。


家事代行サービス

3年前は、この言葉を伝えてもなかなか伝わりませんでした。

しかし、時代の流れと各企業やインフルエンサーのおかげか、段々認知が高まっているように思います。

noteではそんなに言及していませんが、実は私、家事代行サービスで作り置きの仕事をしてもう3年目になります。

伺ったお宅は250件を超えました。
(今は新規のお客さんを受け付けていません)

ただ、やはり各家庭に伺うので、環境が毎回違うんですよね。
作り置きの範囲だけでいっても、使う調味料、調理器具が毎回違う。

もちろん、そういう環境であってもベストパフォーマンスを出すのが私たちプロの仕事です。
(免許があるわけでもないので、プロかどうかは非常にグレーですが……)

けれども、これは非常に言いにくいのですが、年季の入った器具やふしぎな調味料を使うこともあります。お客さんが準備したものです、文句を言う立場にはありません。

ただ、正直言うと、これじゃベストパフォーマンスが出せないんです。

もっと作ってくれると思っていました。

と面と向かっていわれたこともあります。
いや〜悔しかった!

でもね

切れない包丁
食洗機でぺらっぺらになったプラスチックのまな板
ネジがゆるんでいるピーラー
テフロンのハゲたフライパン
持つたびに取手に地震が起こる片手鍋

こういうものが重なると、ひとつひとつの工程に余計に時間と手間がかかります。こっちとしては、やらなくていい仕事が増えるんです。

お肉を焼いたあとの焦げを落としている間に、にんじん一本切れますからね。つまりは、そういうことです。

結果として作れる品数が減り、お客さんから満足した感想をいただけない。

ならば、その手引書のようなものがあればいいのではと思い、今回書いてみることにしました。これは同時に、80%のおかずをたくさん作りたい人向けの手引き書でもあります。

ちなみに、スープ作家の有賀さんも調理器具についてnoteを書いてらっしゃいます。

こちらは、ちゃんとしたい人向け。


家事代行サービスってなんでもやってくれると思われがちですが、あくまでも現場はお客さんのおうち。おうちを整える最終責任者は、お客さんにありるはず。私たちは、あくまでもそれをサポートするだけ。

ちきりんさんの言葉を借りれば、等価交換ではなく共同プロジェクトのような感覚。

いいサービスを提供するためには
いいサービスを受けるためには
お互いの協力が欠かせないということ。

ということで、僭越ながらお客さんに協力してもらえると嬉しいアイテム、調理器具を紹介していきます。

もちろん、80%のおかずをたくさん作りたい人向けでもあるので、興味がある方はぜひ。


切れる包丁

最初から愚痴になってしまいますが、料理に慣れている人ほどわかってくれるはず。
切れない包丁で調理することほど、苦痛なことはないんです。

いつまでたっても鶏皮が切れない
トマトがつぶれてしまう
かぼちゃに至っては挑戦するのさえ恐ろしい

という感覚になってしまいます。

何も、高級な包丁を用意するわけじゃありません。
そのため、手頃で手入れしやすく、最低5年くらいは使えるものがあると良さげ。

そして、長くつかうことを考えると取っ手と刃がそのままステンレス続きになっているものがおすすめ。

取っ手が木材のほうがすべらなくて切りやすいんですが、生のお肉やお魚を切る経験値が溜まっていくと、匂いやカビの原因になります。

そのため、衛生面からいっても上記のリンクのような構造がベターかなと思います。

補足して、包丁研ぎ。
なにも、砥石で研げなんて言わないので(私もそれはめんどくさい派)、こういうものを用意しておくだけでも、救われます。

トマトやかぼちゃを切る前にこれを使うと、びっくりするくらい切れるようになりますよ。


1cm以上の厚みがあるまな板

1cm以上と条件を指定させていただいたのにも理由があります。

いわゆる、簡単に切れるプラスチック製のまな板を使っている方も多いと思うですが(下のリンクのようなやつ)

これは、あくまでも簡便に切るために使うもの。
がっつり調理をする時には不向きなんです。

まな板は、包丁でキッチンを傷つけないために敷くものではありません。
包丁で加えた力を、受け止めるためにあります。

だから、ある程度厚みがないとダメなの。
ずっと薄いまな板で切っていると、手首を痛めてしまうこともあります。

(お子さんが芋掘り会でもらってきたさつまいもを5本切ったら、手首がお逝きになったことがあります…)

料理に慣れていない人は、安いというだけでぺらぺらまな板を使っていることがあるんですが

切れる包丁と厚みのあるまな板を準備するだけで、料理のしやすさが格段に変わるので、ぜひ試してみてほしい。

ちょっと料理に慣れている人や、長い目でみてお得なほうをチョイスしたい方は、ヒノキのまな板もおすすめ。

しっかり乾かせば、カビや匂いが発生しないので、使っていてとても心地よいです。


底の深いタッパー各種

作り置きならずとも、一度にがっつり料理をする時に必要なのが

切った食材を入れておく場所

だと思います。
料理が好きな人のおうちには、マトリョーシカのごとくボールが積み重なっているのですが、すべてのおうちがそうとも限りません。ボールがひとつもないおうちも、過去伺ったお宅にありました。

そこで、便利なのが底の深いタッパー。
切った食材をおいておくだけではなく、混ぜる・和える・塩もみするなどの調理が可能ですし、洗って使えばできたおかずをしまうことができます。

そして、いくつもボールを使うより、洗い物を減らすことができるんです。
これは、時短テクとしても非常に有効だと思います。

食洗機でタッパーがゆがむのが心配、PVCフリーのほうがいいという方は、ちょっと高いけれどガラスのタッパーがおすすめ。

どんな高温でも溶けないし、匂いがつく心配もありません。

少しお高いですが、琺瑯のタッパーも便利。
電子レンジ不可ですが、オーブンもガス火もOKというのは心強い。



いわゆるピーラー

にんじん、だいこんなど、皮を剥くのに必須なピーラー

こちらも包丁同様、ステンレス地続きタイプがおすすめ。

そして、忘れられていることが多いんですが、ピーラーも刃物。使っていないと錆びますし、切れなくなっていきます。

ピーラー用の研ぐ器具もありますが、それだったら安いピーラーをコンスタントに買い換えるほうが便利かなとも思います。キッチンにそんなスペースないと思いますし。

千切りに自信がない、キャロットラペが好きという方は、裏表で千切りも可能なタイプのピーラーもおすすめ。(ちょっと高いけどほんと便利!)

たまに縦型になっているおしゃれピーラーをおもちの方もいますが、あれも使い続けていると手首が逝きそうになってしまうんですよね。

作り置きにおしゃれ感はいるのか?派代表のあさみなので、普通のピーラーがあれば十分です。


テフロン加工の生きてるフライパン

生きてると書いたのには理由があって、多くの家庭にあるフライパンってテフロンが瀕死状態なんですよね。

かろうじて、テフロンがフライパンに踏みとどまっている感が否めない。
看護師の私でも、これは救えません。

肝心な部分である、フライパン中央部分のテフロンが死んでいて、お肉やお魚をうまくひっくり返せなかった人もいるのでは?

どんなに新品のフライパンであっても、お肉やお魚を焦がしてしまって、その焦げがフライパンにつくことはあります。

でも、ここからが問題。
みなさん、焦げ=落ちないと思っている方が多いのか、スポンジの硬いほうや金たわしでゴシゴシこすってしまうんです。

もう、赤ちゃんの肌を乾布摩擦してるようなもんです(?)
お肌ならボロボロの状態。当然、フライパンの焦げも落ちますが大事なテフロンも落ちてしまいます。

そして、次に使うときはもっと焦げやすい状態に…と悪循環に陥ってしまうんです。

焦げは水またはお湯でふやかせば、スポンジのやわらかいほうでも簡単に落ちます。

ということで、フライパンのセクションなのに、まずはスポンジのリンクから。

もちろん、ステンレスのフライパンや鉄のフライパンなら、たわしでゴシゴシもOKです。

はい、やっとフライパンです。

私はまったくこだわりがないので、とにかくテフロンが生きていればそれでよし!

そして、フライパンはここに食材が入るので片手でも持てる重量感がポイントだと思っています。

プロが使うものは重いものでもいいんですけど、私はそこそこしおらしいので(!)自宅にあるものもメーカーやブランドよりも軽さで選びました。

だって、片手でフライパンを持って、菜箸や木ベラでうつわやタッパーにうつしますよね?
両手がふさがってしまうと、この工程がちょっときつい。

そうそう、みんなの味方ティファールもやはり根強い人気。

取っ手が取れないフライパンをお持ちの方も多い印象。
忙しい人は取っ手をとってる暇もないって感じです。


それから、たまに鉄のフライパンをお持ちの方もいます。

なんですが、調理後に洗って水分を飛ばし、油をしいて焦げにくくするというプロセスをしていない方が多いので、たまにしか料理をしない方にはどうかな〜という印象です。

料理好き&ほぼ日で使う方にはめっちゃおすすめです。
野菜炒めや餃子が、中華料理屋さんみたいなクオリティになります。


お湯が並々入っていても片手で持てる片手鍋

片手鍋の使い方としては、煮る・茹でるがもっとも多いと思います。

そのため、私の基準としては

お芋がゴロゴロ&つゆが並々入っていても、片手でギリ持てる重量であることがポイントです。

そして、ここでもフッ素加工のされたお鍋を選びました。
肉じゃがとか、炒めたものをそのまま煮る時は、やっぱりこういうものが便利なので。

フタがあると便利ですが、フタを置く場所や水滴が落ちるなど他の管理コストもかかるので、仕事で何かを茹でる場合はフタをしません。

野菜、お肉、たまごと同じ鍋&お湯でアクの出ないものから順番に下ゆでしていくので、フタを開け閉めするほうがめんどくさいんです…


菜箸

一人暮らしのお宅にはなかったりするんですが、割り箸や普通の塗り箸だと手も焼けそうなほど熱くなるので、菜箸は準備してほしい…!

シリコンのものありますが、私は木材のほうが好みです。
シリコンだとすべっちゃうんだもの。

そして、いい菜箸ほど四角や三角だったりするんですが、長いこと調理していると指の関節にあたって痛くなってしまうので、丸いほうが私は好みです。


木ベラ

フライ返しやおたまよりも、これが大事。

炒める、和える、つぶすが可能な万能アイテム。
そして、使えば使うほど手に馴染んでいく点も気に入っています。

手に持って使うアイテムは、手の延長線。
シザーハンズ的に使いこなしたい!(?)

そして、本当はやってはいけないのですが、炒めている最中にお鍋にそのまま木ベラを放置しちゃうことがあります、ついうっかり。

プラスチックのものだと熱で取っ手が溶けたりするんですが、木ベラの場合は焦げる程度。燃えたり溶けることがないので、そういう面も安心かなと思います。

木ベラに便乗して、もうひとつあると便利なのが耐熱のゴムベラ。

ソースやタレもあますことなく、盛り付けることができます。

お菓子作りには必須なアイテムでもあるので、余裕があれば木ベラと一緒に買っておくと良いかもです。

あとは、無印良品のこれがほんと便利。
おたまも兼ねられるのでほんと便利!(2回目)

木ベラとゴムベラとおたまを合体させたような使い勝手なんです。
全国の中学校、家庭科室に導入して欲しいアイテムNo. 1。


一番大事な道具とは?

それから。

忘れがちなんですが、料理で一番使う道具ってなんだと思いますか?

それは、手。
私たちの手のひらが一番の道具なんです。

ハンバーグも手を使わないと形成できないし、餃子だって包めません。
和え物や混ぜ物も、ゴムベラやお箸より確実に手のひらのほうがよく混ざります。こんにゃくも手でちぎったほうが表面積が増えるので、味が染み込みやすくなります。

ね、手ってすごいですよね。


調理器具も大事ですが、それを使いこなす手のケアもおろそかにしないで欲しいな、と思います。



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