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いつでもいなくなっていいように

昔のブログ記事が出てきたので
リライトしてみました。

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本当に突然で恐縮なんですが
先日、友人が祖母を亡くして
憔悴しきっていました。

ある程度予期していたとは言え
おばあちゃんのいない日常に馴染むには
相当時間がかかりそうです。

この姿を見て、不謹慎かもしれないけど

あ、そっか。
一般の人ってこういう反応が普通なんだ…

って思い出しました。

だって、医療現場にいると
人が亡くなること日常のこと。

医療は魔法じゃありません。
助かる人がいれば
そうじゃない人も、もちろんいます。

あ、そろそろ天国が近いなって患者さんには
残業になろうと
腰がバキバキになろうと
めいっぱいケアしていました。

そうしないと

あぁ…あの時もっとケアしていればよかった

って、後悔することを知っているから。


いよいよって時には
手を握ったり、声をかけたり
身体をさすったりして
体温のおすそ分けをしていました。

そうすることで
少しでも長く生きられるかもしれないし。

そんなことないって頭ではわかっていても
心が納得してくれないんです。

それに、たとえ意識がなくても
身寄りがいなくても、犯罪歴があろうと
目の前にいる患者さんは
絶対に一人で死なせないって決めています。

みんな、生まれた時が無垢だったように
死ぬ時だって悪事が相殺されるような感覚が

私にはあります。

あと、ほんとうに大好きな患者さんには

明日、また私が来るまで生きてて!

と、よくお願い…いや神頼みして帰ってました。

医療職でも最後は神頼みです。
そういうもんです。

次の日に仕事に行って
患者さんのベッドの名前がないと
お見送りできなかったか…
と、少しだけ寂しい気持ちになります。

きっと人によると思うけれど
私は亡くなった人のカルテは
全てチェックしています。

亡くなっていく過程を
医療職もそばにいた家族や友人も
ちゃんと共有できていたかなって。

この人が生きた証のかけらを
少しでも受け取れているかなって
気になってしまって。

こうやって医療職は
日々の経験の中で
【お別れ準備】のスキルを
身につけている気がします。

今、この人の隣のいることが奇跡なんだ
明日、いや数時間後にはこの世のいないかもしれないんだ
だから、今、私はそばにいるんだ

そういう練習を仕事でさせてもらっていたんだなと思います。

今目の前にいる人
職場でなんとなく会っている人
いつもすれ違うあの人

もしかしたら
明日には会えなくなるかもしれません。

いつ、あえなくなってしまうかもわからないから

今日を大事に
今を大事に

できることは全部やって
楽しむことは思いっきり楽しんで

過ごしていきたいなとあらためて。


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