鉛筆で描く。

最近、2歳の息子が昼寝をしなくなった。

以前は昼食後に一緒に寝室に行き、絵本を読んだりしてしばらく時間を過ごした後、バイバイをして部屋を出る、そして赤ちゃんモニターで様子を見ていたら数分後にはぱたっと寝ていたのだ。

それがある日突然、寝なくなった。

息子が寝室で一人になった後、しばらく枕元にある絵本やおもちゃで遊んでいたかと思うと突然扉(スライドドア)のところに行き「すぱーんっ」と勢いよく開けたと思ったら、ニコニコとリビングで遊び出すのである。

あるときはモニターに気づかずに、リビングに隣接する仕事部屋でパソコンに向かって集中していたら突然視界に小さき人間がシュタタタタと飛び込んできて心臓が止まりそうになったことがある。

なぜならちょうど怪談話を聞きながら作業をしていたからだ。

まさしくクライマックスの盛り上がりってときだったから、それをおばけと脳が錯覚するのは致し方ない。

息子で良かった・・・いや、良くない。昼寝をしてくれなければ困る。

夫婦共にフリーランスだから、

「息子の昼寝時間=作業時間」

であり、それが削がれるのは非常に痛い。

だからとて、息子に睡眠薬を飲ませたり、急所をついて気絶させるわけにもいかない(一瞬想像はした)。

しばらくはどちらかが1、2時間息子と遊び、交代をするというのをやっていたけれど、やはりストレスはたまる。


そんな悩ましき日々も、車に乗せたら寝るかな・・・という旦那の提案で一応解決はした。

旦那が運転する車で数十分で眠りに落ちた息子を、私が部屋まで抱えて寝室に置く、という日課が出来つつある。

それはそれでありがたいが、いちいち車に乗せる、私が迎えにいくという作業はなかなか集中力を削ぐものである。

今までならスムーズに作業に入れたが、スイッチの入れ方がうまくいかず、作業用の音楽や動画を検索する時間で作業時間が大幅に割かれてしまうことも、ままある。正直。

だからか最近、絵を描くことに集中できない。

気力が沸かない。

一枚絵を描かなくては、と思いながらも、注意力散漫で手がうまく動かないのである。

ここでやっと、表題にある「鉛筆で描く。」に触れることにする。

以前は絵や漫画のラフを描いてから本番をGペンやミリペンなどで描いていたけれども、作業時間も削られつつ集中力が続かない故に本番までもっていけないのだ。

むしろラフさえも描けない。

そんな中、シャーペンでなく鉛筆で軽くらくがきを描いてみた。

とにかく何か描かなくちゃと思いながら描いたのだが、それがとても心地よかった。

鉛筆のかすれ具合やミリペンでは出せない強弱、元祖アナログな顔をしたあたたかみのある質感、力強さ。

それまではラフもシャーペンばかりを使っていたから、鉛筆で描くってことがとても久しぶりな気がして、とても新鮮だった。

鉛筆で描くことが楽しかった。

鉛筆で描いたものをスキャンしてPhotoshopのトーンカーブでいじってみたら、もうそれは立派な本番画に見えた。

悪く言えば時間がない故の苦肉の策による画材選びなのかもしれないけれど、純粋に鉛筆の持つ魅力に今はハマっている。

ゆるくて可笑しな線を鉛筆でもっと描けたらな、と思っている、そんな日々の日記。

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