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エディンバラ暮らし|シロカツオドリに誘われて

数日前からイギリス・スコットランドの首都、エディンバラで暮らし始めた。わずか2週間前にはエディンバラの「エ」の字も頭になかった私がここに至った経緯について。



むかし初めて訪れたロンドンに恋して以来、英国に住むことを長年の目標にしていた。最近ようやく機会を得て、入国してきたのが2週間前。そのころはまだ当然のようにロンドンに住むと思っていて、ホテルに泊まりながらいろんな人と内覧のやり取りをしていた。


そして今、全く別の街にいる。この選択は今年一番の驚きだった。


なぜエディンバラに来たのかというと、それは明確に、シロカツオドリがいるらしいからだ。
シロカツオドリは海鳥の一種である。

なんだ、鳥?と思われるかもしれないけど、
そう、鳥。ほんとにそれだけ。

参照①→鳥インフルエンザから回復したシロカツオドリの目の色が青から黒に変わる、という興味深い記事

参照②→カツオドリ偏愛記事


ロンドンでの家探しに疲れ、気晴らしにシロカツオドリについて調べていたある夜のこと。スコットランドのどこかにいることは前情報として持っていたが、実は首都エディンバラからそんなに遠くないことをその時初めて知った。

「仕事も家もないんだし、行きたいのに行かない理由がないんだよな」

そのあとわずか1時間の間にエディンバラへの電車の片道切符と数日のホステルの予約を入れ、部屋の内覧予約を3件取り付け、その2日後の朝にはキングスクロス駅にいた。

憧れの街・ロンドンをたったの1週間で去ろうとしていた。最近の私には珍しい思い切りの良さとスピード感だった。

キングスクロス駅の8番線から


ロンドンからエディンバラへは、電車で4時間と少しかかる。
その間に広がる緑の丘陵地帯を眺めながら、自然と心が解けていくのを感じた。

緑の上でもこもこしてる羊たちに癒されながら頭の中を感慨が巡る。


「不思議だな」
ロンドンが好き、またここに住みたい。そう願っていたはずだった。なのに、イングランドですらない場所に向かっている。

「もちろん今でも好きだよ」
自分の価値観や美意識に大きな影響を与えた街なので。
それでも薄々気づいてたけど、嗜好って変わるものだな。

「知らなかった」
流れに身を任せるのは自然で気持ちが良い。
これまで大事にしていたものにこだわらず、今の感覚に従うのは本当の意味で自分を尊重している感じがする。

風通しが良いってこういうことかもしれない。

ホグワーツ特急に乗って北へ


エディンバラ自体のことはほとんど知らずに来てしまった。子供の頃、ハリーポッターを擦り切れるほど読んだのに、それが書かれた場所がここエディンバラだということすら知らなかった。

だけどこんな失礼なやつを迎え入れたこの街は、駅から出た瞬間「ワー」と自然と声がでるほど美しい都だった。

「この選択は正解かもしれない」
カツオドリに会えるだけじゃなく。

問題の家はすんなり決まった。そして一旦、住んでみることにした。

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