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【概論】精神保健福祉士とカウンセラー

精神保健福祉士とは何ぞや、ということを書いておこうと思います。

「カウンセラーですか?」と聞かれることも少なくないので、今回はそのへんの対比を中心に書いてみます。


精神保健福祉士は、国家資格ですが、の割に知名度は低い気がします。まずもって名称が長いですよね。だいたい一発では覚えてもらえません。医師とか弁護士に比べると、その文字数の多さよ。

どんな仕事してるかといいますと、ざっくり言うと、精神障害をお持ちの方の相談に乗ったり、必要な指導や訓練をしたりしています。
働き先は、病院、行政、学校、企業と、けっこう多岐にわたります。ソーシャルワーカーとも言われます。
隣接する資格に、社会福祉士というのがあって、福祉系の学校では、社会福祉士と精神保健福祉士の同時取得を目指すところが多いです。
ちなみに私は、精神保健福祉士の資格のみを持っています。

ときどき私たちのところに、カウンセリングをお願いしに来る方がいますが、
いわゆるカウンセラーは、一般的には心理系の資格を持つ人の仕事です。心理の資格の代表的なものが公認心理師です(2018年に誕生した比較的新しい国家資格です)。



心理職も福祉職も、求人情報などをみるとどちらも「相談員」と呼ばれていることがあるので、何が違うの? と思われる方もいるかもしれません。
実際、働き先は被っているところがあるし、実はカウンセラーの求人を見ると応募要件の中に、心理系の資格に交じって精神保健福祉士も載ってたりします。

ただ、精神保健福祉士はあくまで福祉の資格なので、心理学を専門には扱いません。心理検査のやり方も学ばないし、アドラー心理学とか認知行動療法とかもやりません。
では何を学ぶかというと、知識としては、障害福祉サービスや精神医学などを学びます。実践的には、相手の話を聴く技術や、グループワーク理論なども学びます。
その他にもいろいろありますが、ここでは割愛……。興味持った方は専門学校のカリキュラムなどを調べていただけるとありがたいです。

私は、実は心理畑の仕事にも足を突っ込んだことがありますが、実感としても両者には違いがあります。

なんというか……語弊を恐れずざっくり言えば、
カウンセラー(心理職)はこころという内面的なものを扱い、ソーシャルワーカー(福祉職)は制度利用を促しながら生活基盤を整えていく。
それは車の両輪のようなもので、どちらも大事。
と思うのですが、なかなか両者に同時に会える場がないのですよね……学校の中には、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを分けてどちらも置いているところも増えてきましたが。



もし、どちらの道に進もうか迷っている方は、いろいろと調べたり、その業界で働いている人の話を聞いたりされることをおすすめします。
私が通った専門学校では、心理の大学を卒業してきた方が何名かいましたが、カウンセラーになりたくて、という想いが強かった人の中には、どうも勉強内容が合わずリタイアしてしまった人も少なくありませんでした。

心理と福祉は、似て非なる業界なのです。



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