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選ばなかった道の先の、多くの私の骸の上に

宇垣美里さんが好きです。

私は民放のニュース番組やバラエティにとんと縁がないので、実は彼女が動いている姿を見たこともなければ声すらも知らないのですが、それでも好きです。

理由は彼女の、ものの考え方。


私が宇垣美里さんを知ったのは、『だから私はメイクする』という本で彼女がインタビューを受けていたから。
そこで語られていた、「メイクは武装!」「誰のためでもなく、自分のテンションを上げるため」という考え方がとても素敵だと思ったのです。

そのたった数ページで彼女に一目惚れした私は、彼女のフォトエッセイ『風をたべる』を迷わず購入。
そこで繰り広げられる彼女のものの考え方、人生の歩み方にまた、私は痺れました。たとえばこちら。

諸行無常。人は皆刺せば死にます。そのような存在を恐れるでない。すべてのケンカは法廷で争えます。だから生き抜け
宇垣美里『風をたべる』p.53

かわいらしい見た目とは裏腹の、なんとロックな思想!
これは彼女の「マイメロ論」(彼女がコラムで書いたらいつしかネットで独り歩きしていたらしいのですが)の根底にもなっているんじゃないかと思う。自分を攻撃してくる奴らも所詮は人、恐るるに足らず、ということでしょう。

人は皆自分より何かが恵まれている相手、例えば自分より賢かったり、美しかったり、豊かだったりする人は幸せに違いないから、少しくらい傷つけてもいいと思っている。自分のほうが足りてなくて不幸なんだから、別にいいじゃないかって。そこで帳尻を合わそうとするなよ。
宇垣美里『風をたべる』p.62
世間は厳しい。みんながみんな、自分のことをわかってくれたりなんてしない。人生なんて本来悲しいものだし、人と人との間には絶対に埋めれらない溝がある。一度心に負ってしまった傷はなかなか治るもんじゃない。でも、だからこそ、そのことに慣れてはいけないと思うんです。何度だって大げさに痛がって、自分で自分のこといい子いい子してあげようよ。
宇垣美里『風をたべる』p.122

たぶんだけど「ミス同志社」に選ばれたときも、女子アナウンサーとしても、たくさんの理不尽に出遭って闘ってきて、たどり着いた境地なんだろうなぁ……と思って読みました。

そして。今回の記事のタイトルは、下記文章からいただきました。

人生って取捨選択の連続で、何度も選んで、そのたびに何かを捨てて、ここまでやってきた。私の足元には捨て去った多くの私の人生の骸が山積みだ。それらを踏みつけて、今の私を手に入れた。だからこそ、その捨て去られた人生への責任は、選んだ人生を大切にすることでしか、果たせない。
宇垣美里『風をたべる』p.155

これを読んだ2019年当初も思ったけど改めて、宇垣さん、かっこよすぎです。あなたの言葉に勇気づけられて、私は前を向けます。



人生は選択の連続です。
学校や職業、結婚や引っ越しなど大きなものから、日々今日は何を着ていこうか、何を食べようか、これを買おうか買うまいか、誘いに乗ろうか断ろうか、大小さまざまな選択を積み重ねて今の私があるんです。

そして悲しいかな、もしかしてあの時ああしていたら、と何度悔やんでも、過去には戻れないんですよね。

過去の事実は変えられない。


だけど、過去の意味は、変えられる。

今とこれからの私次第で、過去の挫折は転機に、失敗は学びになり得ると思うんです。

誰かや何かじゃなくて私自身のために。
迷って悩んで、今の私にたどり着いた私のために。
私は幸せでありたい。

そう、強く強く、思います。

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