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口元が見えたほうが会話しやすいこともあります

マスク着用が推奨される世の中になってから、個人的に、聞き返す/聞き返されることが増えました。

もともと健康診断じゃ、聴力に異常はないと言われる私ですらそうなのだから、耳が聞こえづらい人・聞こえない人は本当に大変だと思います。
何かのニュースで、口元が隠されお客様とのコミュニケーションが困難になって、仕事を辞めざるを得なくなった聴覚障害者の方の話をちらと読みました。

確かに、感染拡大を防ぐことは大事なんでしょうけど、そのいっぽうで苦労を強いられる人たちがいるということも、私たちはもっと知る必要がありますよね。


折しも現在放送中のドラマ『silent』が話題になっています。
ドラマには、もともと耳が聞こえない人、途中から耳が聞こえなくなった人が登場し、手話でコミュニケーションをとる場面が頻繁に出てきます。
手話も確かに大事なツールですが、円滑なコミュニケーションのためには、手の動きだけでなく、顔の表情や口元の動きもすごく大事なんだなということが、このドラマを観ているとよくわかります。


コロナ対策の呼びかけ徹底により、マスク着用が一種のマナーであるかのような社会になりました。
こと医療や福祉、介護の現場はやはり基準が厳しいと思うのですが、この前、私、難聴の方と話すにあたりマスクがどうしても邪魔で、最終的にはマスク外して大きな声で話しました。賛否はあろう。

もちろんマスクにはメリットがあります。
ただ、マスクはつけても、つけなくても、どちらにもリスクはあるのです(リスクの種類は違います)。先の話で言えば、そのとき私は感染リスクより、その場の互いの意思が伝わらないリスクの方が危ないと判断したわけです。


政府やメディアはコロナ禍の初めに、マスクのメリットばかりを国民に植え付けたように思います。
ですが、そろそろ私たちは、マスクをつけていることのデメリットについても、真剣に議論したほうがいいのではないでしょうか。



2025年のデフリンピックの開催地は東京です。
デフリンピックとは、耳の聞こえないアスリートたちのオリンピック。

また、あまり積極的に報道はされていないようですが今年9月、国連の障害者権利委員会から日本へ勧告があって、そのひとつに「手話を公用語として法律で認めること」があります。

ドラマ『silent』のヒットが、これらノンフィクションの話題にもスポットを当ててくれたらいいなぁ、と思います。



私は、エンタメという受け入れやすい形で障害について考える機会を与えてくれるのは、素敵なことだと思っています。
障害を題材とすることに賛否はあるかもしれませんが、そもそも知らないことを「知る」というハードルの高さは、何事においても相当なもの。エンタメにはそのハードルを低くする素晴らしい力がありますからね。

まあ、そんな偉そうなこと考えなくても、単純にストーリーもすごくおもしろいドラマなので観ていない方はぜひ! 観てほしいです。もうほんと毎週木曜日が待ち遠しい。


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