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十三夜折句

秋深く色づく山をいづるより月の桂も紅葉しにけり(麻乃)

お月見といえば旧暦八月十五日の中秋の明月が有名だが、昔は「後の月」つまり旧暦九月十三日(すなわち今夜)の月も愛でられていた。
「十三夜」を詠んだ和歌も多い。

滋賀の波や浦わの月のさゆるよに昔こふらし山の秋風(後鳥羽院)

この御製は十三夜の折句になっている。

つまり

がの波や
らわの月の
ゆるよに
かしこふらし
まの秋風

各句の頭を縦読みすると十三夜(しうさむや)になるという趣向。

ということで我も倣って折句に挑戦。

下紅葉うつろふまでに冴ゆる夜の虫の音遠き山の端の月(麻乃)
しらじらとうすくぞ霜のさむしろにむすぼゝれゆく宿の月影(麻乃)

こんな寒い夜にお月見なんてしてられないよ!と言えなくもない、旧暦九月十三日の夕べ。

折句は語彙が多くないと詠めないので超絶苦手なのだけど、「しうさむや」は比較的詠みやすいかも。