麻乃

源氏みざるうたよみ https://sites.google.com/view/as…

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大内基康コレクション寄贈記念展「書は人なり」〜書をあつめる楽しみ

コロナ禍でほとんど美術館博物館に行けていないこの頃ですが、近場で古筆を見る機会には恵まれています。 3月6日に始まった大内基康コレクション寄贈記念展「書は人なり」に、早速行ってきました。 貴重なコレクションを寄贈すると、勲章がもらえたりするんですね。入ってすぐにキラキラの勲章が飾ってありました。 有名人の書跡は本物ではなさそうな作品も多かったけど、和歌も美文字も盛り沢山で楽しかったです。 一番興奮したのは「新三十六歌仙図屏風」ですね。 定家フォント(定家筆ではない)

    • 九州国立博物館の鳥はどんな鳥?

      太宰府天満宮の隣の九州国立博物館には、ある鳥がいます。 その鳥、なーんだ? と問題を出されて 太宰府と言えば梅でしょ。 梅と言えばやっぱり鶯じゃない? と、思うじゃないですか。 ガイドさん「正解は鷽(ウソ)です」 鷽、と言われてもどんな鳥なのか名前しか知らないからイメージがわかなくて 私「あれが鷽なんですかぁ!」 と言うと、 ガイドさん「ウソです。」 私「え?なんですって?嘘?鷽?」 ガイドさん「ウソです。笑」 私「‥‥えーっと??」 ということが

      • 『新勅撰和歌集』 の女性歌人

        『新勅撰和歌集』に関して、女性歌人について少し追記。 新勅撰集きっての歌姫は?『新勅撰和歌集』入集数の最も多い女性歌人は誰なのか。 その前に『新古今和歌集』をチェックしてみよう。 式子内親王(49)俊成卿女(29)二条院讃岐(16)宮内卿(15)相模(11)殷富門院大輔(10) ()内は歌数、十首以上対象。 ああっ新古今だなぁ、という感じ。 さて『新勅撰和歌集』は?というと。 相模(18)殷富門院大輔(15)式子内親王(14)和泉式部(14)八条院高倉(13)二

        • 『新勅撰和歌集』も面白い

          新勅撰和歌集はことに評判が悪い。 俊成卿女が「定家撰でなければ見たくもない」と言い放ったことで有名。 この勅撰和歌集は承久の乱後に編纂されたので、流刑に処された歌人、すなわち後鳥羽院・土御門院・順徳院の三上皇が削除されてしまい、代わりに武家の和歌が入集することになった。 「武士」→「ものゝふ」→「ものゝふのやそ宇治川」 にちなんで、別名『宇治河集』とあだ名されたという。 ということで、私も食わず嫌いだったのだけど、新勅撰集の和歌をしばしば見かけることがあったので興味が

        大内基康コレクション寄贈記念展「書は人なり」〜書をあつめる楽しみ

          十三夜折句

          秋深く色づく山をいづるより月の桂も紅葉しにけり(麻乃) お月見といえば旧暦八月十五日の中秋の明月が有名だが、昔は「後の月」つまり旧暦九月十三日(すなわち今夜)の月も愛でられていた。 「十三夜」を詠んだ和歌も多い。 滋賀の波や浦わの月のさゆるよに昔こふらし山の秋風(後鳥羽院) この御製は十三夜の折句になっている。 つまり し がの波や う らわの月の さ ゆるよに む かしこふらし や まの秋風 各句の頭を縦読みすると十三夜(しうさむや)になるという趣向。 という

          十三夜折句

          日本史 Rock Shaw 承久の乱の和歌

          今日は無事に東京千秋楽を迎えることができたようでまことにめでたい。コロナ禍での興行は本当に大変だと思うが、素晴らしい舞台で楽しませていただいた。大阪公演も最後まで無事に行われますように! さて、この舞台では多くの和歌が読み上げられた。定番な歌もマニアックなのもあったが、なんの説明もなく読み上げられてみんなついて来れるのだろうか?とそわそわしてしまった。 ということで、拙いながら簡単にまとめてみた。 いまぞ知る御裳裾川の流れには浪の底にも都ありとは(二位尼) これは有名

          日本史 Rock Shaw 承久の乱の和歌

          『続古今和歌集』が面白い

          後鳥羽院の御製が一番多く入集している勅撰和歌集は『続古今和歌集』である。 という、不純な動機で興味を持った『続古今和歌集』。しかしこれがまた、後鳥羽院抜きにしても面白い! なんたって撰者が面白い。 筆頭は藤原定家の息子の為家、彼はまあ順当であるが、他に九条良経の息子や葉室光親の息子がいたりする。 葉室光親は承久の乱のときに北条義時追討の院宣を書いて処刑された人として有名だけど、光親は後鳥羽院の御代では和歌がダメなグループ(歌人グループ「柿本」に対して「栗本」と呼ばれる)

          『続古今和歌集』が面白い