炎の車

BayAreaで感じた、Maker至福のとき

ものづくり・DIYを扱う世界最大級のお祭り、MakerFaire。その元祖であるサンフランシスコ州サンマテオで開催された、MakerFaireBayArea2018に参加してきました。

目次
・デカいなんてもんじゃない
・動くことは正義である
・Makerだけに許された、至福の時間
・誰もがミッキーになれる場所

デカいなんてもんじゃない

今年のMakerFaireBayAreaは2018年5月18日-20日の3日間開催。会場はサンマテオイベントセンターの全域。建物の一部を借りて、なんていうレベルではなく、駐車場から何からバッチリ抑えている。

全体のマップはこんな感じ。体感で言うと、2017年のMakerFaireTokyoの全会場がZone2にすっぽり収まるくらいの広さ。端から端まで歩くだけでも15分くらいかかるし、道中に気になるものがありすぎて、一度もまっすぐ歩けた試しがなかった笑。

こちらが地図の中央にあるZone 2。MakerExpoという区画で、電子工作や3Dプリンタ、クラフト系の小物が集まっていた。僕らは「看護FAB」という取り組みでここに出展させてもらっていたのですが、詳細はまた今度。

動くことは正義である

そして、そんなデカい会場を埋め尽くすがごとく、そこかしこが動くモノであふれている。

いきなり変化球で恐縮だが、これは自転車をこぐと頭上のギターが回って音楽が奏でられる機械。何それ?

カップケーキやシュウマイが爆速で過ぎ去って行ったかと思えば…

おじさんが女性のマネキンを載せて無言で低速前進していたり…

「友達と作ったんだよ」とはにかんだ笑顔を見せる、スーパーのカゴに乗った青年と打ち解けたり。

そろそろお気づきかもしれないが、だいたいのものに動いている理由はない。ただ動かしたいから動いているだけなのだ。最高が過ぎる。

Makerだけに許された、至福の時間

3日あるうちの1日目は、FRIDAY@Maker Faire(Preview & Education Day)という位置づけで、教育関係の人やMaker仲間だけが来れるようになっており、週末の2日間に比べてゆったりとした時間が流れる。

そして、その日の最後にはパエリアパーティが開催されるらしく、何故にパエリア…?と思っていたのだけど、これが本当に、本当に素晴らしかった。

まずデカさに笑い、すごい速さ進んでいった列の先では、気前の良さそうなおっちゃんがパエリアを手渡ししてくれた。このおっちゃん、ただのパエリア屋さんではなく、Make:という雑誌を立ち上げ、MakerFaireの開催にも大きく関わる張本人、デール・ダハティその人なのだ。

この人なしにこの巨大なお祭りが生まれることはなかっただろうし、祭りが大きくなった後も幾多のMakerと直接触れ合う場所にいることが、なんだかとても尊いことに思えて涙が出そうになった。聞けば、このパエリアもデール・ダハティの好みの味なんだとか。

日が落ち始めると、巨大な装甲車(もちろん手作りだ)に火がともされ、音楽と共に火柱が上がる。みんながパエリアとビールを片手に、理屈で説明できないパフォーマンスを見ながら時を過ごすのだ。

この場にいる人たちはみなMakerであり、自分たちで作ったモノに囲まれながら、生みの親が配ったパエリアを楽しむ。こんな贅沢は他にない。サンマテオの冷たく心地よい風にあたりながら、自分がこの場所にいれることの喜びをかみしめていた。

誰もがミッキーになれる場所

出展物の数はとんでもないし、ここで総括するどころか3日間ですべて見切れるかも怪しい。心にグッと来たものを一部だけご紹介。

お手製の「キューカンバーギター」と共にその辺に座っていたおじさん。

光り物を集めたDARK ROOMでも群を抜いて怪しかった瞑想用ピラミッド。

ソルダリングユニコーン。とくに説明はなかった。

こういうヘンテコなTシャツを着ている人もいっぱいいる。

他にも数えきれないほど、Makerによって手掛けられたものが溢れている。会場の広さも相まって、テーマパークのような印象を受けるかもしれない。ここでのテーマはただひとつ、Makerであることだけだ。

掲げられた標語は「GREATEST Show & TELL on Earth」。この場所では、誰もが地球上でたった1人のヒーローになれる。Makerでさえいれば、ミッキーだって目じゃないのだ。

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