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続・美味しいミルクティに向かう道。

この冬の私はミルクティに還ってきた。
還ってきたというのは、ここ1~2年ほどコーヒーにハマっていたからである。その前は長いことミルクティ一辺倒だったのだ。

上記のnote記事にも書いたように、私はここのところ美味しいミルクティの作り方を模索していた。

ダンナの淹れてくれるミルクティがめちゃくちゃ美味しい。自分でも淹れられるようになりたい。ダンナが淹れる横で、じっくり見学したのにうまくいかない。

こんな話である。

その後、私はnoteで宣言しただけで終わらず、毎日愚直に美味しくないミルクティと戦っていた。

茶葉をお湯に浸す時間を長くしてみるとか。
茶葉の量を思い切って多めにしてみるとか。

しかしなかなか理想の味にならない。

毎日イマイチなミルクティを生産しつづけて、とうとう音を上げた。
かくなるうえはテレワークのダンナに毎日淹れてもらうほかはない。

「ねぇ。ミルクティが美味しくないんだけど。てゆーか、いろいろ実験し過ぎて、今日のはもう、不味いの域…なんてゆーかこう、味が薄いを通り越して…水っぽい!」

「コクを求めるならミルクだよ。学生の時に友人が作ってくれたミルクティは、鍋に牛乳と茶葉を入れて煮てたよ」

学生の時って30年前の話でしょ。その頃に鍋でミルクティを煮だす男子学生って、どんな人なの!?ご家族の影響かな、やっぱり。お父さんがインドに駐在とかかしら。それともふらっとインド一人旅とかしちゃうタイプかしら。

友人の話はおいおい聞くとして、私はチャイに関する知識を総動員した。

インドで飲まれている。
鍋で、牛乳と茶葉を煮だす。数種類のスパイスも入れる。
茶こしで濾して飲めばよい。

以上。

これしかない。残念ながらこれしかない。
しかしとりあえず十分ではないか。

しかし、台所の労働をメインで引き受けるものとして、見過ごせない「不十分」がある。
小鍋だ。

カレー用の大鍋で作るのもどうかと思うし、小鍋で作りたい。
そして最終的に茶こしで濾しながらコップに注ぐことを考えると、片手鍋がのぞましい。
さらに、こぼさないように注ぎ口があるタイプであって欲しい。

作る手順をじっくり思い描くと、「注ぎ口」は絶対にはずせない条件だと分かった。

なるほど。
美味しいミルクティに向かう道の途中には、注ぎ口付きの小さい片手鍋を買うというミッションが隠れていたようだ。
つまり、ミルクパン。

そうか!!

それを「ミルクパン」というんだ。

ぽろっ。

今、私の目からウロコが1枚落ちた音がお聞きいただけただろうか。

不肖、あさのしずく。四捨五入したら50歳。
ようやくミルクパンのなんたるかが飲み込めた。

これはミルクパンを買わねばなるまい。
さっそくamazonを見てみる。
なんとまぁ、かわいいミルクパンたちが山のように出てくる。
大好物の…おっと、大好きなミッフィーのミルクパンもある。

知らない世界に一歩踏み出してしまった。
どうしよう。わくわくが止まらない。

しかし。
肝心なのは美味しいミルクティだった。
amazonの森でミルクパン探しをするのが目的ではなかった。

長く使うものはちゃんと検討してから買いたい性質なので、数日ミルクパンについては検討しようと思う。
美味しいミルクティはそれからだ。

よし。納得出来たところでお茶にしよう。

茶棚からキャラメル風味のティーバッグを取り出す。
カレルチャペックの可愛いイラストは、冬に見るとほっこりしてとてもいい気分。

お湯を沸かす間に、ティーバッグの袋をしげしげ眺めていて大変なことに気づいてしまった。

ミルクティにするなら、100mlのお湯で4~5分かけて抽出しろと書いてある。しかもミルクの量は30mlと、そこまで細かく決められている。

私は基本的にアバウトで、めんどくさがりだ。
量を正確に測るのは私の美学(?)に反する。
きちんと計量することこそが成功の秘訣のようなお菓子作りは、しないと決めているくらいだ。

しかしここはぐっと堪えて計量しながら作ってみることにしよう。

計量カップを使ってお湯の量をはかり、タイマーで時間をはかった。ミルクの量は紅茶の3割を目指して入れた。

最後まで計量することは叶わなかったが、2/3は頑張れた。

なおミルクを目分量にしたのは、計量カップではかっても結局、目分量になるからである。カップの50mlの線を見て、30mlのラインを目分量ではかるんだから、紅茶の3割を目指しても同じことだ。

さて出来上がったミルクティを大至急飲んでみた。
立ち飲み屋「だいどころ」でちょっと一杯ひっかけるカタチ。

おいしっ!

なにこれ美味しいじゃん。もう一口。ごくっ。もう一口。

あっという間に飲み終わった。
たっぷり飲みたいのよ、私は。これじゃ圧倒的に足りない。
この量の3倍は欲しいんだってば。

ここで気づいた。これが原因だ。

たっぷり飲みたい思いが先行し、いつもお湯をたくさん入れてしまう。
しかし茶葉は1人分か、あるいは1.5人分。どんなに贅沢に使っても2人分を超えることはない。

1人分の茶葉の量と、1人分のお湯の量のバランスが取れていなかったのだ。

つまり。
これからはたっぷり飲みたい分のお湯にティーバッグを3個入れて、しっかり4~5分待てばいいわけだ。
茶葉の時も同じく、3倍の茶葉を用意しよう。

ぜ・・・贅沢!

無理だぁぁぁ。
美味しいミルクティは庶民の飲み物ではないのかもしれない。

さぁ。気を取り直してミルクパンを買いに行こう。
牛乳と茶葉を煮だせば、もっと庶民向きの美味しいミルクティに会えるかもしれない。

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