【本に寄せて】全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割(岡本雄矢・幻冬舎文庫)
タイトルは短歌になっている。
五・七・五・七・七のリズムとは多少違うが、三十一文字で構成される、立派な短歌だ。
私、これになりがち。
でも作者の岡本さんと私は違う。
彼はカバンを悪意から守ることを宣言しない。
あくまでさりげなく見守るだけだ。
私ならハッキリ言う。
「あ、みんな先に行ってきて。私、荷物見てるから」
すると先に行く組と、後から行く組に、自然と分かれる。
ひとりでひっそりカバンを見守ったあげく、「なんでみんなと一緒に取りに行かないの?」とツッコまれることも