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靴下のスタメンが決まった。

洋服はなるべくハンガーにかけてしまうようにしている。
畳むのは少し面倒だし、畳んだものをしわくちゃにならないように保管するのはとんでもなく苦手だからだ。
小物類だけはハンガーにかけられないので引き出しにしまう。

その引き出しの上には、ちょい置きした洗濯物が山になっている。
パッと置いといてもしわになりにくいデニムとか、引き出しに入れるはずの小物類とか、ごった煮になって大きな山を作り上げている。

この「ごった煮山」が、我が家を「片付かなくて落ち着かない」ところにするのに一役買っている。

一念発起してちょい置きの山と引き出しを片付けてみた。

なんと引き出しの中は、ほぼ空っぽになっていた。とんでもない片付け下手である。片付け下手の女王と呼んでもよろしくてよ。

さて一念発起したおかげで、引き出しの上の「ごった煮山」は消えた。
引き出しの中も種類別に分けるだけのざっくり収納とはいえ、すっかり落ち着いた。

心なしか引き出し付近だけリゾート地のホテルのような空気が漂っ…たりするわけはないけど、我が家にあるまじきレベルで片付いたのは間違いない。

実はこの片付けに際して、15年以上使っていたプラケースの引き出しを、立派な7段のプラケースに替えてみた。
相変わらずプラ製ではあるが、見栄えにも気を使ったFitsの製品を選んだので、部屋がそこだけ見違えるように美しくなった気がする。

しかし待っていたのは衝撃の事実だった。

なんと引き出し7段のうち、靴下(とストッキングやタイツやレッグウォーマーなど)が3段を占拠したのである。

どんだけ靴下持ってるん?
めっちゃ靴下好きだね。
凝ってんの?趣味?
もしかしてけっこうおしゃれなヒト?

ごめんなさい。どれも違う。

理由はひとえに「片付け下手あるある」の「自分の持ち物を把握できていない」からに尽きる。

ここ数年、引き出しの上のごった煮を掘り返しては、なんとかかんとかやりくりしてきたため、引き出しの中をほとんど確認していなかったのだ。

自分が何をどの程度持っているか分からず、見えないものは持っていないものとみなされ、足りないと思い込み追加購入。
購入したものは「ごった煮山」の上に鎮座する。
しかし時とともに地層の下へ下へと、沈下していく。

ここまでくると明らかに購入した靴下を見失うので存在を忘れてしまう。
そして靴下が足りないと思い込み追加購入へ、とリピートしていく。

多くの片付け本・収納本に書かれていた負のスパイラルは、真実だった。

私ももれなくその負のスパイラルを生み出す悪の組織(?)の一員だった。

不幸中の幸いは、靴下を買う時に「なんでもいいから適当に買ったりはしなかった」ことだ。それをやっていたら3段の靴下のほとんどが負の遺産になってしまっただろう。

追加購入の際には気に入る靴下をきちんと選んでいたため、長い時間をかけてでもちゃんと全部履こう!と思えた。
色やデザインが似ているものが複数あったりもするが、それはそれ。
好きな色・デザインなのだから、穴が開いてもまた控えが待っていると思えば安心して履ける。

とりあえず持っている靴下を丁寧に畳んでから、引き出しにギュウギュウ詰め込んだ。一度にすべてが見えるように、である。

その状態にした後、数日するとよく使う靴下数足がギュウギュウの靴下たちの上に置かれるようになった。なるほど、この数足が今の気分というわけか。

ならば徹底的にこの数足を履きつぶそう。
それが終わったら、ギュウギュウの中から次のスタメンを選びなおせばいい。

靴下たちのすべてを確認することができ、今の気分で選んだスタメンが揃い、先々の見通しまで立つ。

今、私の靴下人生は、これまでで最高の盛り上がりをみせている。

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