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雨の日。

これは去年の紫陽花。
今年も見に行けたらいいなぁと、雨が恋しくなってふと思い出した。この日はとても雨が降っていて、傘をさしながら散歩をした。濡れている紫陽花がとても趣きがあって好きだった。


晴れた日はもちろん好きだけどなんとなく雨の日が好きだし、そっちの方が自分に似合うと思っている。雨の日の匂いがするお香とかあったら絶対に買ってしまう、と思ってこの間Twitterでそれを呟いたら、「突然のスコールの後の植物の香り」がするお香を教えていただいた。やっぱりちゃんと好きな匂いだった。
眠れない夜は雨の音を聞きながら寝るのが一番自分に効く。なんとなく好きなのは、梅雨真っ只中にこの世に生を受けたからかもしれない。毎年、部屋に干した洗濯物の生乾きの匂いと雨の匂いが混ざって、肌に空気の重みを感じると同時に、自分がまたひとつ歳を重ねることを思い出す。


いつから好きなのか思い返してみれば、それは幼稚園の頃からだと思う。雨の日は外に出られないから、1日中部屋の中で過ごしていた。いつもより少し薄暗くて、雨の音で少しだけ先生が話している声が聞こえづらかった。というより、ずっと雨の音を聞いていた。いつも遊んでいる遊具や砂場が濡れているのを見るのも幻想的で好きだった。いつもとは違う特別感が、あの頃の私にとっては楽しみだったし、楽しめている自分が好きだった。

もちろん、大人になった今では湿気のせいで髪が上手くまとまらなくて投げやりなる。お気に入りの傘を使いたくて、かわいいものを探してしまうのが癖なのに、体質的に傘をよく無くすからその度に自分にちょっと失望する。嫌なところは全然ある。

それでも、薄暗さも雨の匂いも少しじっとりとした空気も、私の内側にあるもののような気がして居心地がいい。頻繁に自分を辞めたくなる自分が、少しだけ自分を肯定できた時の感情がまさにそれなのだ。だから多分私はこれかも雨がなんとなく好きでい続ける気がするし、かわいい傘を探し続けてしまうと思う。


今年は、以前見に行った紫陽花の花手水をもう一度見にいきたい。水の中にある紫陽花と表面の水面波、写真を漁ってるだけでとても癒される。できればその時も、雨が降っていてくれたら嬉しい。

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眠れない夜に

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