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国道376号旧道群・番外編

大道理トンネル旧道完走後に現れた、地図にない道。

20mほど国道と並走しながら急勾配で高度を上げ、左の山肌へ食い込んでいくようだ。地図にもないし、現地に案内のようなものも何もない。ただ道がある。

立ち入りを制限するバリケードのようなものも何もないが、片側交互通行の工事現場などでよく見られる信号機があった。このようなものがあることで、道の正体について察しがついたという方もいるはずだ。
道は1車線幅で離合困難。徒歩の私にはあまり関係ないと思うが、一応青信号を確認してから進行する。

ゆるく蛇行する道を登る。登る。勾配がきつく足に来る。その上路面が凍っている箇所が多数あり、すべる!先が思いやられるぞ。
道は1車線よりやや広く、2.5m強の道幅であろう。左右とも削りっぱなしの切通しで、擁壁工はない。
凍った登り道、きつい・・・

信号機から100mちょっと進んだだろうか、視界が開けてきた。この小さな峠のピークを迎えようというのか。

道広すぎぃ!
これはまったく予想外だった。峠のピークと思われた所で、道はこれまでの1車線ちょっとの幅から大きくサイズアップし、幅10mはあろうかという立派な道になった、と思われた。
しかし周りをよく観察してみると、中央の轍がある部分を除いては道路としては使用されておらず、何かの作業場のような雰囲気だ。写真右手に黄色いバスタブのような函が写っており、正体は私もよく分からないが、作業に関係する函かもしれないと思った。
道自体は、両側斜面の切通しという圧迫的状況からは逃れたものの、道幅は大きく変えずにまっすぐ奥へ続くようだ。
また、私が峠のピークかと期待したこの場所もそうではなく、奥の方でさらに少し上りがありそう。
ともあれ、見通しがよくなって気持ちがいいぞ。

道なりに進むと、路面に窪地を越えるための鉄板が敷いてある。いかにも急ごしらえ。鉄板の上がまた滑って困る。
そして50mくらい先には、黄色いあれがはっきりと見えてきたぞ。

鉄板を渡り終えた。ここで、道路左脇に小さな赤い鳥居がある。
このような道端の鳥居は至る所で見かけるのだが、その意味については、ゴミのポイ捨てを戒めるものであるとする説が有力なようだ。
ネット上でも宮城県の例広島県の例が紹介されている。地味に全国的な習俗であるようだ。
もっとも、この場所の鳥居が他の例のようにポイ捨て防止を企図して建てられたのか否かは、知りようがない。

峠のピークで振り返って撮影

ここが!峠のピーク!
そして入り口にあったものと対となる信号機!
入り口からの距離は200mちょっとだと思うが、急勾配の凍った路面を登ってくるのは相当しんどかったので、ひとまず登りが終わって助かった。

この信号機の辺りまで来ると、私の耳には進行方向から聞こえてくる工事現場のような重機の作動音が届いている。この日も何かの作業がされていることは明らかだ。作業員に見つかって叱られるのは嫌なので、どこまで進んで撤退するか、考え時である。
まあもう少しは大丈夫。

そろりそろりと進んでいく。
あ、バックホウが見切れとる。いよいよ発見される危険がある、が、道にあるバスが停まれるくらいの大きさのくぼみが気になる。くぼみに張ってあった水が凍って小さなスケートリンクのようになっていた。このくぼみは何だろう。水が張ってあったので、重機の履帯やタイヤの泥を落とすための場所かなと推測しておく。

ここまでだな。
これ以上近づくと、見つかる。
もっとも私は、(今回は)立入禁止を犯したわけでもないし、信号も守ったので、何も悪いことはしていないつもりではある。

帰りの下りでは案の定、凍った斜面で三度すべり、一度は尻もちをつく羽目になってしまった。
この道の正体は、皆様お分かりのとおり奥地での作業用道路ということで、特にレポートにして美味しいものではなかったわけだが、尻を濡らした分のコストを回収するつもりでレポート化して供養した次第。

これは私が帰宅後に確認した地理院の航空写真。星印の所が私の最終到達点で、拡大すればそのすぐ上に、長方形のプールの形が見えるはずだ。
ちなみにこの写真は2010年のものなので、少なくとも14年は同じ場所で何らかの作業が行われているようだ。その作業が何なのかは、私には知る由もないことである。

一旦完結


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