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あくまで僕は「ハブ」になれればいい。 起業してからも忘れない“選手やチームのため”という視点


Ascenders Collegeに関わるスポーツ専門職の人へ、その職種をめざしたきっかけや現在の仕事内容についてインタビューする新コーナー。第2回では鍼灸師・ATとしてサッカー選手をサポートされている、奥村正樹さんのインタビュー後編をお届けします。


日本のスポーツ医療体制を改善すべく立ち上げた「スポリンク」


 接骨院での勤務を皮切りに、海外でのトレーナー活動の経験を経た奥村さんは、現在「スポリンク」という団体を立ち上げて活動しています。どのような目的で活動している団体なのかを尋ねると、「スポーツを愛するすべての人にとって、より良い医療・競技環境を創出・提供すること、それらを通してスポーツ界の発展に貢献すること」を理念に活動していると教えてくれました。具体的には、
「エリア、職種、スポーツ種目などのキーワードで、国内にいるスポーツ医療従事者を検索することができるシステムを構築しています。会員登録をすると各医療者に直接連絡をとることも可能としています。さらに、医療関係者やトレーナー同士が会員限定で参加できる勉強会や、zoomを用いた交流会などを定期的に実施しています。ゆくゆく会員同士がオフラインでも交流できるような“きっかけ”を提供し、スポリンクを通したつながりを構築していきたいと考えているんです。」
と、一気に頼もしい顔。
 それにしても団体設立には、どのような背景があったのでしょうか?奥村さんは、海外で活動していた時に出会った日本人選手の怪我について話してくれました。
「その選手の怪我は、翌日には緊急手術が必要なくらい重度だったのに対し、受傷したのがタイのなかでも過疎な地域だったのもあり、近くの病院では不安なのが正直なところでした。そこで、せめて最善策を取るために知り合いの先生に相談したり、現地の医師とも通訳を通じて治療方針を探ったりしたんです。
その時に感じたのは、国内外問わず、どこで活動するにしても、治療方法や通院際の決定に際して、もっと僕が選択肢を持っている状態であれば、その選手にとってより良いサポートができたのではないか…ということだったんです。」
 必要なリソースを束ね、誰もが利活用できる状態を理想とした奥村さんは、現在、設立した会社の代表として仲間を増やす活動へ勤しんでいます。
「どんな仕事をするにしても大切にしているのは、“誰のために活動するのか”という問いを自分自身に課すことです。それは必ずしも自分だけではなく、選手やチームのためであってほしい。より良い環境を築く上で自分より適任の人がいれば、その方にお任せするジャッジも必要です。僕はあくまで、ハブになれればいいと思っていますから。何より、選手本人が望む方向にどうオーガナイズしてあげられるか。全部自分だけで解決しようとせず、同じ方向へ向かって活動できる仲間を見つけ、その繋がりを大事にしていけばいいのかなと考えています。」

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現場活動を絶やさず、オンラインも駆使して選手に関わり続ける今


 そうとなれば現場活動は控えめなのだろうか…とこちらが思った矢先、奥村さんは思わぬスケールの現場活動を話してくれました。
「僕も現場では全部やっています!マッサージ、怪我のリハビリ、パフォーマンスに関することや、選手の移籍先への情報の引き継ぎ、場合によっては食事についてもできる範囲でやって、栄養士さんに引き継ぐところまでを担当することもあります。あとはメンタルケアですかね。場合によってはセッション時間の半分を使うことがあるくらい、選手自身がどうしたいのかなど、本人の考えまでしっかり聞くことを大事にしています。」
最近ではSNSを通じてアスリートから直接連絡を受け、サポートに繋がっている事例も多いそう。離れた場所にいる人へもオンラインを活用してサポート活動ができることは、昨今の収穫のようです。既存にとらわれず様々な工夫を重ねる姿勢が、Jリーガーのサポートや、元サッカー選手で現在格闘家の安彦考真選手のサポートにも繋がっているのだと感じ取ることができました。


学びと実践を積極的に増やせる環境で、自他ともに成長を


 実はその安彦選手こそ、アセンダーズのイベントをきっかけに関わるようになったアスリート。現在も奥村さんはAscenders Partnersというスポーツ専門職のマネジメント事業に登録し、仲間と切磋琢磨しながら次のフィールドを模索しています。
「様々な競技をサポートしている方々とお話しする機会ができて、情報交換が捗るところに魅力を感じています。また、即戦力を求める案件(チャンス)が他と比べて多く舞い込んでくる印象ですし、セミナーも多いことから、学びと実践を積極的に増やせる環境にあるというのが大きいですね。これから登録をめざす方にも、ぜひ物怖じせず、手を挙げてチャレンジする姿勢を持ってほしいです!」
 そんな奥村さんは、Ascenders Collegeエリートで東京校の授業を担当する講師でもあります。現在は”触診”のコースを担当。具体的にはどのようなことを教えているのでしょうか?
「筋肉・骨など、解剖学を全般的に学べるよう設計しています。海外でも通用するにはどの程度の知識が必要なのか、経験上、身体を触る上でどういったことに気をつけているのか、どのような変化を見逃さないようにしているのか…。教科書的な知識はもちろん、実際に現場で行っているような手技についてもお伝えしています。海外での活躍を見据える場合、言語的な壁があっても、手技がしっかりしていれば外国籍選手に通じることもありますしね!」
以前は学生側だった奥村さんから見た、Ascenders Collegeの良さも教えてもらいました。
「授業は少人数制なので常に意見交換ができますし、疑問もその場で解消できる環境が整っています。トレーナーの知識を限りなく短い期間でインプットできるはずですし、他の講師からも現場で必要な知見をたくさん吸収することができると思いますよ。」

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ヨーロッパへの再挑戦を見据えてチャレンジ精神を胸に刻む!


 締めくくりとして奥村さんに、今後の目標を伺いました。
「個人的な目標としては、もう一度ヨーロッパのチームでトレーナー活動をしたいという思いがあります。もちろん日本のスポーツ界にいる素晴らしい人材(アスリート)を潰さないためにも、日本中の力を駆使したサポート体制を築いていきたいですしね。それにあたっては、全国にいるサポートする側の人たちが、気軽に相談しあえる環境づくりにも着手していきたいというのが直近の思いです。」
決められた枠にとらわれすぎるのではなく、自分なりの課題意識を持って着実に行動まで変えていく、力強さを持った奥村さん。今同じようにスポーツ界をめざす人へのメッセージとは何だろうか?
「思えば叶う、ということを伝えたいです。やりたいことに向かって、無理だと考えず諦めずに直進すれば、必ず誰かがその扉を開いてくれる。そのきっかけが必ず待っていると思います。ですから今は、どんどんチャレンジすることですね!時にはアポなしで突撃したり…。『それくらいぶっ飛んでる方がいいよ!』って、特に海外でお会いした方みんなに言われたからかもしれませんけど(笑)」
もちろん立場や状況をわきまえることこそ必要かもしれないが、チャレンジする気持ちや時に大胆になれる精神は、必ずや必要になってくることだろう。先輩に続きたいと思った人は、是非今すぐAscenders Collegeの扉を叩いてほしい。

奥村さんがトレーナーの道を選んだきっかけや想いを語った前半の記事はこちら
https://note.com/ascendersinc/n/n4fe9b65e95da

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https://sports.ascenders-college.jp/
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