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【#6】シン・ウルトラマン

「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。

今回は2022年5月13日に公開された『シン・ウルトラマン』について書いていく。

シン・ゴジラからのシン・ウルトラマンへのタイトル表記が期待感を高めてくる。
当時見ていた人は懐かしさを感じさせる演出がこれまた良い。
私はリアルタイムでは見ていないが、一時代古い感じが逆に洒落て見える。

ゴメス、マンモスフラワー、ぺギラ、ラルゲユウス、カイゲル、パゴスなどの禍威獣(かいじゅう)は政府が設立した禍特対(かとくたい)によって駆除できていた。
なぜ禍威獣が表れたかは、一言で言うと人間の愚かさ。
現在も問題視されている事が原因。
禍特対は出向、嘱託であったりと、その手の専門家が集まってできた組織で、少数精鋭なのもありよりカッコよく見える。
電気をエネルギーにするネロンガに苦戦する禍特対、そんな中現れた銀色の巨人・ウルトラマン。
敵か味方かどちらか分からない異様な雰囲気を醸し出す演出が素晴らしい。
ネロンガの光線もウルトラのスペシウム133の光線が昔の表現をしているのがこれまた良い。
現代のエフェクトと昔のエフェクトのコラボレーション!
また、〇〇省に影響が出るなど、子供が見るウルトラマンの様に曖昧な表現はしないところからもリアルさが増していて、まさに大人が見るウルトラマンとなっている。

「バディ」はこの作品においては切っても切り離せない。
主人公・神永新二× 浅見弘子のコンビは出向元がお互い似たような感じもあるのですんなりとお似合いだなと思えた。
神永は物静かで表に感情を出さないので、浅見との何気ない会話が面白くなっている。
神永と浅見は油と水の様に性格が真逆なコンビなのも良い。
神永は斎藤工さん、浅見は長澤まさみさんと私的には豪華であると同時に、時々役と言うよりは斎藤さん、長澤さんで見えてしまうことがあるw
浅見に関しては、長澤まさみで見てしまう自分がいるw
「私を信頼させるだけの仕事をしてよ」のセリフは痺れる憧れる。
これを思ったのは私だけではないであろうw
気合注入のお尻ポンはいつの時代だよとツッコミを入れたくなったw
またウルトラマンの名付けたのは浅見と言っても過言ではない。
私もウルトラマンになりたいw
私の様な不純な理由からはウルトラマンのウの字にも当てはまらないw

ガボラとの肉弾戦。
核廃棄施設付近と緊張感のある肉弾戦は熱かった。
この戦いは地上からウルトラマンが現れラインがシルバーから赤になっているのも良かった。
引きで見せた時のガボラの大きさ、接近戦での臨場感はたまらないものがあった。
スペシウム133使えない状態でも勝つ所、倒し方に美学を感じた。

バディの信頼度が上がったのはザラブ戦。
禍威獣は脳筋だけでなく、知識を活かして内から攻める面白い禍威獣であった。
突然の停電でデータがおじゃん、バックアップができない仕様にしているのはちゃんと理由があった。
ここで隊員たちは誰がウルトラマンなのかが分かり、すぐに疑いの目を持ち偽物を見破り隊員たちの信頼のようなものを感じれた。
神永からあるものを託されて個人行動する浅見の姿には熱いものがあった。ウルトラマンVSウルトラマンを見守る浅見はヒロインしていた。

外星人0号は不思議なヤツでもあった。
仕事する仲でのバディとして進歩したが、ウルトラマンの存在はバレてしまい、浅見も同じで世間は違う様に捉えてネタにしている。
今のSNS社会だからこその拡散力を目の当たりにした。
そんな中現れたのがウルトラマンより前に地球にいる外星人0号。
見た感じ良いヤツにしか見えない所が逆に怖さを感じた。
外星人0号が政府と交わした事は人類にとっては一見良いように見えなくはないが、先を考えるととんでもない事であり、ザラブ以上の敵で面白いものであった。
そんな中でウルトラマンの選択は人間らしく、そちらをスッと選べちゃう隊員たちに安心感の様なものを感じた。

最後は神の様な強さの敵。
ウルトラマン好きなら分かるあの敵とだけ言っておこう。
序盤の石が当たった神永の現在とウルトラマンの気持ちはまるで地球が気に入った、むしろ人間らしさがあるのはウルトラマンの様にも見えた。
敵からすれば地球が消えてもなんの影響もないが、 ウルトラマンにとっては守るべき大切なもの。
策もなく敵に挑むが、圧倒的ラスボス感に人類はなすすべもなくこのまま終わりが見えてきた。
そんな中でも、ウルトラマンに頼るだけでなく、ウルトラマンから自分たちは何をもらったのかを思った時の人類の粘りは見ものであった。
ラストは人間とはをウルトラマンから教えてもらえるとはと響いてくるものがあった。
戦い後の米津玄師さんが歌うED「M八七」の入りはこの映画で伝えたいであろうことを表現していて最高であった。

戦いが厳しくなればなるほど、人類×ウルトラマンは成長する。
それはお互いの良い面が嚙み合ったからかもしれない。
私たち人間はウルトラマンとバディなのかもしれない。
私の中でのウルトラマンは世代的にもティガやダイナ。
子供の頃に見たウルトラマンはパターンが決まっているが、このウルトラマンは、人の部分にも焦点が当ててあったり、物語上政府も絡んでいたりと現実にウルトラマンや怪獣がいたらどういう世界なのかを見せてくれたのでとても良い映画であった。
私の中では大人のウルトラマンという位置づけかな。
伝えたいものがハッキリと見えてくるあたりも良いなと思った。

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