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メタバースの正しい理解

Facebook社の社名変更により市場における感触が想像の域を出なかった「メタバース」領域が一気に現実味を帯びてきた。
理由はシンプルで新規市場の勃興には基本的に2つのルートしか無い。

  1. 急成長スタートアップのプロダクトが一気に浸透し市場を創る

  2. 大企業が資金と人材を軸に市場を強引にでも作りに行く

スタートアップは資金と人材の憂いからプロダクト1点集中で市場をこじ開ける動き方をするのに対し、大企業は既存事業と膨大なアセットで強引に市場を創る事ができる。しかし入り口は2ルートありつつも、帰着する点は同じだ。

必ず「サービス」を通じて市場が拡大していく

ということ。
スタートアップだろうと大企業だろうと、市場を席巻する際にはサービスを通じて一般社会に溶け込んでいく。
今回は「メタバース」という領域の本質的な意味を探ろうと思う。

デジタル領域には賞味期限が存在する

賞味期限というのは「もうこのフォーマットの次にいこう」という世の大きな流れ。個人的に一番好きな例を出す。

人は長きに渡って人とコミュニケーションを取り続けてきている。
1. 最初は会話。音声コミュニケーション x オフライン
2. 次に手紙。テキストコミュニケーション x オフライン
(ここに長い時間経過がある)
3. 次に電話。音声コミュニケーション x オンライン
4. 次に画像。ビジュアルコミュニケーション x オンライン
5. 次に動画。ビデオコミュニケーション x オンライン

有史をざっくり定義するとこう区切られる。

オンライン領域の進化により手段の多様化とともに「定期的に新たなコミュニケーションが生まれる」という事実がある。そして常に「コミュニケーションの情報量の増大を伴う進化」となるということ。

メタバース領域が生まれた契機

最も大きいのは「オンライン手段が満ちてきた今だから」という背景が契機だと感じる。なぜかと言うと、コミュニケーションにおいてメタバースというのは「オフラインとオンラインの融合体」と見るのが正しい。
要するにメタバース領域が新規で立ち上がるにはオフラインコミュニケーションとオンラインコミュニケーションの両方が文化として成立した後でないといけない。

コロナの影響もあり、人々のコミュニケーション手段としてオフラインが制限され、オンラインが主流となった。これが最後の決め手だろう。
人々のコミュニケーション手段がオフライン一辺倒の数十年前から順調に進化し続けている。そしてオフラインのコミュニケーションがここ数年で進化を遂げた。タイミングとしてはそういう意味では今しかない。
【オフライン】→【オンライン】→【オフラインとオンラインの融合であるメタバース】
というコミュニケーションの変遷を辿ることになる。

なぜメタバースがオフラインとオンラインの融合とみなされるのか

そして次の論点としてメタバースが「オフラインとオンラインの融合」とされる理由である。
メタバースという概念において必須となる要素は以下。

  1. 現時点においてオンラインで可能なコミュニケーションが全て可能であること

  2. オフラインと同等の状況を作り出すことが出来ること

言い換えるならば「擬似的なオフライン環境でオンラインコニュニケーションを行う」ことを指す。

その際に重要なのが2のオフラインと同じ状況の構築である。
擬似的にオフラインを生み出すことになるので、「オフラインとは何か」「現実世界とは何か」という観点である。
オフライン(現実世界)をオンラインと異なるものにしている観点の中でも特に大きいのは「物理的な制約の存在」と考える。特に代表的なのは距離に伴う物理制約か。

要約

メタバースを概念的に理解しようとするならば「人の存在はオフライン」「コミュニケーションはオンライン」という定義が個人的には一番しっくりくる。

そしてメタバースを語る上で「アカウントの存在」がとても大きいのでいずれまとめたいと思う。
アカウントとは「人そのもの」であるが近年のSNSにより概念が非常に難しくなった。理由は1人の人間が複数のアカウントを保有することが出来るからである。オフライン(現実世界)においてアカウントは自分そのものしか存在し得ないためである。

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