【自閉症/発達障害】1年半かかって他害が減った話

こんにちは、あしです。
今回は「他害」についての内容です。
息子は2歳の夏くらいからすぐに手が出てしまうようになり、そこから夫婦でかなり悩みました。
2022年12月、現在3歳11ヶ月、かなり手が出たり噛みついたりすることが減りました。
その減っていった経緯や過程などをお話しします。

“すぐに手が出てしまう期”の始まり

2歳の夏頃だろうか…すぐに手が出てしまうようになった。
手が出てしまうといっても、後ろから叩くとかではなく、「正面から顔面を狙って」叩いてくる。
場面としてはこんな場面。

①自分の要求が通らなかった時
②パニックを起こしている時
③叱られた時
④なんかムカついた時や、嫌だと感じた時
⑤お友達とバイバイする時

①〜④はなんとなく分かる。
でも⑤だけはどうしても分からなかった。
バイバイするのが嫌とか、そういった素振りもなかったけど、とりあえずは「バイバイするのが嫌なのかな?」ということにしていた。
まだ全然喋れないし、こちらから聞いても理解ができないので、理由はとにかく不明だった。

ちょっとでもムカついたりするとすぐに顔…といっても目の付近を高速かつ本気で平手打ちしてくるし、手を抑えると今度は噛み付いてくる。
そんな日々が始まった。

とにかく知り合いの子と鉢合わせたしたくない

私や夫だけでなく、保育園の先生やお友達にも頻繁にしていたので、とにかく心がしんどかった。
こんな状況だったし相手の目を狙って叩くから、とにかく「相手のお子さんに怪我をさせたら……」という思いが強く、同じマンションでも知っている子に会いたくなかった。
それと同時に、同世代の子と遊ぶことすら避けた。

幼児教室へ隔週で通っていたので、その時の先生に聞いてみたら「この子のタイプは、怒っても、放置しても、諭しても効果はないかも。とにかく両手を抑えて行動制御をしてみて」とのアドバイスをいただいた。
が、まっっっっったく効果なし。むしろめっちゃ噛みついてくる。

対策なんて何をやっても効果は見込めず、とにかく心が疲弊した。

やってはいけないと分かっていたはずなのに…

毎日保育園の先生に状況聞いて謝ったり、叩いてしまった子やその親に謝ったり、息子に何を伝えても理解なんてしれくれないし、しょっちゅう泣いてた。
とにかくやれることとしては、他の子と鉢合わせた時は片時も離れず、両腕を持って叩かないようにと細心の注意をはらうこと。
手が出る速度が速すぎて、「来るな」と思っても避けれないくらいの速さ。
だからずっと腕をいつでも抑えるようにすることを意識するしかなかった。

そんな状況が続いて自分にも限界が来て、ある日息子に叩かれた時に叩き返してしまった。ビンタを一発いれてしまった。
息子、ビックリした直後に爆泣き。

「あーやっちゃった………」

もうとにかく限界だった。
この1回だけでなく、その後数回、息子にやり返してしまった。
夫は一切やり返さなかったの、本当にすごい…
自分の大人気なさも重なって、余計に悲しくなっていった。

そんなある日、保育園でお友達とオモチャの取り合いになり、腕に噛み付いてしまったという報告を聞いた。
先生としては状況が状況でこちらにも不備があってとても申し訳ないという状況だったらしいけど、やってしまったことには変わらない。
園長から「本来は誰に噛み付いたかということは言わないルールだが、相手の子が喋れるから親に話がいくと思うので、お伝えさせてもらいます…」と教えてもらった。
同じマンションの、連絡先を交換したお宅の女の子だった…。
とにかく家に帰ってからすぐさま連絡を入れ、その日はひたすら泣いていたのを覚えている。

叩く回数が減ったタイミング

ある時から叩く回数が減った。
量でいうと半分くらい?それくらい減ったように感じた時が来た。

運命の本との出会い

忘れもしない、2022年1月7日。
夫が「これ結構よさそうだと思って買ってみた」という本だった。

自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング

自閉症や発達障害の本は何冊か買って読んではいたけど、どれもなんか参考にならなかった。
でもこの本は違った。冒頭から「あーうちもこうなんだよなー」から始まり、気付いたら一気に読んでた。
夫に「これ、試しにやってみない?効果あるかは分からないけど」と、我が家でもライフスキルトレーニング(LST)を実践することにした。

LSTを取り入れてから、息子の笑顔も増えたし、できることも増えた。
それまでは脱いだ服を洗濯カゴに入れてという指示すら通らなかった(理解できなかった?)のに、すんなりできるようになった。
要求語もだんだんと言えるようになった。
LSTをやってみて1ヶ月くらいたって、息子もできたことを褒めてもらえるから出来ることの幅も増えたし、私たちも息子の成長が著しく嬉しかった。

そしてふと気付いた。

あれ、最近手が出る回数・・・減ったよね?

LSTを取り入れてから約10ヶ月の今

2022年12月現在、LSTはゆるくやっている。
息子が”できる”と分かったことについて、それを当たり前に求めるようになってしまっている時期もあった。もちろんその時期はお互いにギスギスもしていた。
まだ会話ができないから、余計にそのストレスもお互いに溜まってたと思う。

少しずつ言葉の理解もできるようになったこともあり、「●●だからといって叩きません」と事前に伝えると分かってくれるようになったりもした。
“理解できる”という部分もかなり大きいと思う。

でも、先日の保育園から帰宅した夕飯前、どうしても抑えきれない欲求を解消できなくて、夫や私を叩いたり噛んだりする場面があった。
夫の服を噛もうとしている息子の表情は以前とは違い、「やっちゃダメだと分かっているけど、でもどうすればいいのか分からない」といったような、強すぎる欲求を解消できないこの気持ちをどうすればいいの!?というような、そんな感じだった。
そこでふと叩き始めの時と今を振りってみたけど、1年半くらい、色々あったなぁと思った。

1年半かかった、他害対策

結果として見ると、手が出てしまうことについては1年半くらいかかったのかな?
2022年5月に心理士さんに相談した時に比べると、ぐんと減った。
こないだの面談でもそれを言われて「そういえばあの時めっちゃ病んで相談してたな」って思った。

色んなことを試した。
時には諦めて他との接触を避けたりもした。
大人気ないと分かっていつつも、限界を超えてやり返してしまうこともあった。

2022年4月に保育園が変わったことも要因の1つかもしれない。
小規模園から大規模な認可への転園、慣れない先生、大勢いる子ども達…先生からは「保育者を叩いたのも4月に1度だけですし、お友達を叩いたことは1度もありません。もし叩かれたらみんなチクリにくるので(笑)」との言葉が。
喋らない(喋れない)から息子からお話しをしてくれることはないんだけど、ずっと息子なりに考えていたんだと思った。

LSTがたまたま息子にヒットしたこと、
保育園が変わったこと、
いろんなことが合わさって「1年半たってほとんどなくなった」になったんだと思う。

保育園が変わって、園児約30人に対して担任の先生が2人という体制で不安はあったけど、担任の先生が無理強いをするようなタイプではなく、寛容に対応してくださっていることや、同じクラスのお友達が息子に対して親切にしてくれている話を聞くと、そこが大きかったのかな?とも感じた。

何が正解かは分からない

定型とか発達障害や知的障害があるない関係なく、他害について悩む人も多いかと思う。
何をすればその子に響くのかも分からないし、衝動的にやってしまうことだから回数が減るまでには時間もかかる。
その間はとにかくしんどい。2歳の子どもでも叩かれたら普通に痛い。
言葉で諭しても意味がないと思う日々が続くし、他の子と一緒に遊ぶことすら避けたくなる。

こんなことを言うと絶望しかないかもしれないけど、
・とにかく色々ためしてみて
・経験者や相談できる所に相談して
・その子の成長を待つ

しかないのかな…と思った。

今は手が出る回数は減ったし、保育園では4月に先生を1度叩いたくらいしかないらしい。
でも、これから相手の立場が分かるようになってきた時や、もっと色んなことの理解が深まるようになったり、年中さんになって周囲とのコミュニケーションの変化でまた手が出てしまうことも予測している。

他害については偏食以上に病んだと思う…。
とにかくよく泣いてた。私が。
今でも他の子と距離が近い時はハラハラして目が離せない。
成長するのか、留まるのか、後退するかは分からないけど、今後も見守っていくしかないと思っている。

ではまた。


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