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知ったからには進まざるを得ないというお話し

我が家では現在、「自分を受け入れる」ミッションの真っ最中です。
マッドさんと同じような発達障害の方たちや、私と同じような虐待サバイバー、複雑性PTSDの人達には、ものすごく高い壁に感じる挑戦です。今回は、その挑戦について書いてみようと思います。

ですが、生きる意味や自分の存在意義、価値が見えない時には、苦々しい思いしか出てこないような内容である事、先にお詫びしておきます。
そういう場合は、ぜひブラウザバックして頂けたらと思います。


自分たちの特性や病気について確信したのは最近

夫のマッドさんは発達障害です。
自閉スペクトラム症(アスペルガー)と、注意・欠陥多動性障害(ADHD)の傾向があります。現在の判断基準ではグレーソンの様ですが、ずっと生きづらさを感じてきた事に変わりはありません。

こだわりが強く、対人関係がうまく行きません。
マルチタスクに向かない為、前もってキッチリとした予定を組まないと動けません。急な予定変更など以ての外もってのほかです。そういう状況が起こると、少々パニックになってしまう事も有ります。

過度に集中するかと思えば、気が散って物事が進まなかったり、時間の管理が上手に出来ない事が多いです。
疲れやすく、眠くなりやすい。他者の立場に立って考える事が苦手で、そんなつもりは無いのに、不用意に人を傷つけてしまったり、怒らせてしまったりします。

精神科を受診して、発達障害の傾向が有ると分かったのは、ほんの数年前です。

私ありすは、親からの虐待を起因として、DV、モラハラ等に晒され続け、複雑性PTSDと解離性人格障害、パニック障害を抱えています。
離婚経験が2度。なぜこんな病気になったのか、どうして人間関係が上手くいかないのか、答えがわからないまま時間ばかり経過していきました。

文字通り「気が狂ってしまった」状態で発症してから20年近くが経過し、ようやく最近、そもそもの発端が虐待で有ること、長年、単純性PTSDとして治療してきましたが、実は複雑性PTSDで有ることが分かりました。1年と少し前の事です。


実態の分からない敵と闇雲に戦ってきた人生

子供の頃から、親や友達との関わりで生きづらさを抱えてきたマッドさん。就職先でも、お付き合いのあった人達との関係でも、「何故こうなってしまうのか」という多くのネガティブな出来事に、明確な答えを得られないまま過ごしてきました。

発達障害が広く認知されるよりずっと昔だった為、親からの理解も得られず、友達とも上手くいかない。恋人とも上手くいかない。親との人間関係が不安定であった事から、自分と他者の境界線も、しっかり意識出来ずに来ています。原因が自分の特性だと分からなかったので、訳も分からず否定されるうまく生きられないという、起こった事でしか自分を評価できず、自己肯定感が低くなる一方でした。

大人になってからボンヤリと、「自分は発達障害なのかな」と思っていた様ですが、勤めていた会社の産業医からの勧めもあって精神科を受診。数年前にやっと診断していただいた形になります。

私の場合は、発症した当時に思い当たる原因と言えば、元夫からのDVだったので、その事実から単純性PTSDと診断された様です。
が、その後の私の訴え(虐待されていた事や、別人格が存在するといった事)を当時の主治医に無視され続けた結果、被虐待児がその後抱える問題、複雑性PTSDならではの症状、生きづらさの原因を理解できないまま、長い年数が経ってしまいました。

親から愛されずに育つと、甘えたり誰かを信頼するという、ごくごく当たり前の事が理解できない、まるで分からない状態に置かれてしまいます。
本来ならば、愛し甘えさせてくれる相手から、常に罵倒され殴られ続ける訳ですから、無理もありません。

過度に人を怖がったり、やたらと馴れ馴れしくなってしまったり、自分に害を及ぼす可能性が有る人だと分からず近づいてしまう、といった事が起きます。アイデンティティそのものが理解出来ないまま大人になってしまいますので、自己肯定感の無い視点から、他者を見る事しか出来なくなってしまいます。

こういった問題が背景に有ったから生きるのが困難だったのだ、とハッキリ分かったのは、ここ半年ほどの事です。

もちろん、上に挙げたのは一部の例でしか有りません。
が、私達に共通していた最も大きい問題は、以下の3点だと思います。

他者と、バランスの取れた人間関係を築けない。
自己肯定感が持てない。
自分の将来を積極的に考えられない。


原因は分かった。ならどうするのか。

「なら、この先の人生どうするの?」と言われても、なかなかこれが容易ではありません。
かと言って何もしなければ、「報われない」と思いながら一生を送らなければならないわけで、これもまた容易ではありません。

幸いにして、脳は成長するものである事が分かっています。
このまま一生を過ごさなくても良いという事です。

そもそも私達のような人達がこういった問題を抱えることになった責任は、私達自身に有りません。自分のせいじゃなかったんだと思えることは、少しですが安堵感を得ることが出来ます。

原因と問題を理解し、今この時から自分の育て直しをする事で、一気呵成いっきかせいにとはいかなくとも、少しずつ考え方や状況を良くしていく事は可能なようです。繰り返しますが、容易なことでは確かに有りません。

「親がまともに育ててくれていれば」とか「もっと早く問題の本質が分かっていれば」とか、言いたい文句は山ほど有ります。
が、そこに囚われて止まっていたら、ずっとこのままです。
覚悟を決めて立ち向かうしか有りませんでした。


自分の問題を淡々と認めて受け入れることから

まずは自分の問題を認めないと始まりません。とは言え、ここが一番ハードルが高いのは言うまで有りません。
問題を直視するというよりは、自分の中にそういう問題が有るのだと、否定せずにふんわりと受け入れてあげるような感覚です。

自分に思いっきり甘い「私は悪くないけれど!」の前提を口に出すか、頭の中で一言そう言ってから問題を挙げていくのが、私には良かった様です。

私は悪くないけれど
  必要以上に人の顔色を伺ってしまい、積極的に物事を行えない
  外で働けない
  心身とも常に不安定で、よく動けなくなる

マッドさんならどうでしょうか。

俺は悪くないけれど
  不用意に人を傷つける事を言ってしまう
  予定を立てられない
  自身が持てないので、物事を積極的に進められない

色々と出てきました。
「自分はコレが出来ないんだ。こういう行動が人間関係で問題になるんだ。」といった事が明確になるのが、まずは必要でした。


策を考える

悪気も無いのに、生きていく上で問題になる数々の事。
生きづらい事この上ない訳ですが、「だって仕方ないじゃん」では何も変わらないので、策を講じる事が可能な物から徐々にリストを潰していきます。

たくさんの課題が出てくると思いますが、私達の場合の幾つかの例を挙げてみます。

例えば私であれば

  • 必要以上に人の顔色を伺ってしまい、積極的に物事を行えない
    意見したり反対を述べたりしたい時、どこまでなら相手が不愉快な思いをせず聞いてもらえるか、徐々に手探りでコミュニケーションの距離感を覚えていく。

  • 外で働けない
    自分の好きな事を、在宅で稼ぐ手段に出来ないか方法を探り続ける。

  • 心身とも常に不安定で、よく動けなくなる
    どういう時にそうなるのかパターンを見極め、家族に協力を仰ぐ。

マッドさんの場合であれば

  • 不用意に人を傷つける事を言ってしまう
    悪意がないことを伝えておき、ある程度は譲歩してもらう。指摘は受け入れる。

  • 予定を立てられない
    ToDoリスト作成を、自分だけで出来なければ手伝ってもらい、時間割も作成する。その際も手伝いが必要なら遠慮せずお願いする。

  • 物事を積極的に進められない
    自己肯定感を高める為、不必要に我慢してきた事から自分を開放する。


やらないより良い

人より何倍も大変な思いをしないと、いわゆる「これが普通」という周囲からの期待に近づけないので、確かに大変です。
ですが実際問題として、世間は私達の事情なんて構ってくれません。であれば、自分の問題を見ないふりして更に生きづらくなるよりは、行動に移すほうが絶対に良い事は、明らかだと思います。

もちろん、その時々、人それぞれの事情や状態も大きく関わってきますので、「今がその時かも」と思えるタイミングも、人それぞれだと思います。
専門家の助けを借りずに、勝手に行動に移すのが悪影響になる場合も考えられると思います。

無理は禁物ですし、今現在が地獄のように辛い日々、消えてしまいたいと常に思っている様な状態の時には、まず出来ないと思います。私も数年前まではそうでした。

また、今出来ないからと言って「ダメな人間」では無いという事だけはお伝えさせて下さい。
人間、出来る時と出来ない時が有って当たり前だと思います。

ですので、もし「同じような事をしてみようかな」と思えるタイミングの方がいらっしゃいましたら、必要に応じて主治医の先生などにご相談されてから試してみて下さい。


今現在、少しだけ未来を見る事に気持ちが向いてきた私達から、何か少しでも明るい情報をシェアさせていただけないかと考えて、記事を書いてみました。

生きづらさを抱える方たちの参考に、ほんの少しでもなったら幸いです。

#複雑性PTSD #発達障害 #日常 #エッセイ

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