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私と建築とジブリ

昨年(2020)12月末に14年勤務していた会社を退職し、専業主婦になりました。
20年近く携わった建築業界から、完全に離れて、毎日子供と何をして遊ぶかと家族の食事のことを考える日々。
高校から“建築に携わる仕事に就く‘’ことを目標に毎日がむしゃらにやっていました。
働きだしてからも、休みの日でも仕事のことは頭から離れなかったし、働く中で面白さがましてきて、好きで楽しくて…
でも、結婚して子供ができてからは子供との時間とか家族の時間も大切にしてきたつもりだけど、当たり前のように毎日残業、忙しい時には休日出勤、切羽詰まってくると軽作業は自宅へ持ち帰って仕事したりしていて。
子供との時間が少ないんじゃないか、もっともっと子供との時間がほしい…となり、結果、退職に至りました。

仕事を離れてからやっと読む気になれた本があります。
ジブリの立体建造物展で購入したパンプレット本です。
監修されたのが建築家の藤森照信さんで、
専門書ではないですが、建築の様式や材料など具体的にマニアックに記載されています。
私は結構ジブリ作品が好きで、金ロー(金曜ロードショー)で録画したビデオ(VHS)を、幼少期から何度も繰り返し観ていました。
作品の内容も好きですが、出てくる建物も好きで、こんな部屋いいなーとか憧れの建物もあったりします。

ちなみに、私が建築に携わりたいと思ったきっかけもジブリで、『紅の豚』に出てくるフィオ・ピッコロに憧れていました。
彼女は飛行艇の設計でしたけど、まず、図面を書いている部屋が素敵でしたし(大きな窓のから運河が見える部屋)手書きで綺麗な図面を描いたり、徹夜して夢中で設計したり、昔の計算書をみて検討したり、ポルコと対等に飛行艇について話せたり…全てがかっこ良すぎました。女性でも技術さえあれば男性とも対等に話せるんだ!!認めてもらえるんだ!!
って、今考えると負けず嫌いで、誰にも指図されたくないって意地張っていたなと思います。全然素直じゃないのは今も変わっていませんけど…

ジブリの立体建造物展の本には建物のスケッチなども掲載されていて、建物のイメージや見せ方など事細かに指示が書き込まれています。
本当に建てるわけじゃないけど、建てられそうなくらい詳細のディテールまでイメージ出来ているところが本当に素晴らしいと改めて感じました。
となりのトトロのサツキとメイの家は再現されて実際に建てられているところをみると納得がいきますね。

私がジブリの中で好きな建物は、耳をすませばの地球屋です。
主人公 月島雫ちゃんが好きな天沢聖司くんのおうち、正式にはおじいさんのうちなんだけど、高台にあって見晴らしが最高で、暖炉があって、半地下(地盤に高低差がある)みたいになってるおうちにすごく憧れていた。モデルになった場所は、東京の聖蹟桜ヶ丘という場所で現地まで見学にもいきました。
あの頃の私には、映画の中に出てくる公団住宅や近くにコンビニがあること、歩いて学校に行けること、電車で図書館にいくことが都会の人の暮らしってこんな感じなんだって、すごく都会的だなって思っていました。
そんなことを考えると、不便な田舎暮らしに飽き飽きしていた学生時代の私がよみがえってきます。

でも、今はこんな田舎暮らしが好きですけど。