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ブギウギ #11-#15

第三週「桃色争議や!」

ブギウギ #11
 ストーリー
昭和8年、18歳になったスズ子は劇団を脇役として支えていた。同期のリリー白川や後輩の花咲歌劇団出身である秋山美月らが人気となる一方で、スズ子は自分自身の才能や売りは何なのか迷っていた。
 コメント
 演出を担当することになった大和礼子がスズ子に「続けていれば自分の個性が判ってくる。だけど続けるのが大変なんだけどね」というシーンがあります。芸能界の厳しさがよくわかります。プロになるまでが大変、だけどそれ以降もまた大変。娯楽業界は、飽きられたらそれっきりです。それもあるけど自分の個性が売り物になるかどうか、時代に合っているかどうか……。欲を言うなら時代を越えたいところですね。さて、スズ子は時代を越えられるか? 

ブギウギ #12
 ストーリー
 何かと言うと厳しい指導をする秋山のせいで、新人三人がやめると言い出した。彼女に比較されて劣等感を感じた桜庭もまた、練習を休む。スズ子は秋山に、秋山の言う才能がないならやめろとはどういう意味かの真意をたしかめる。意外にも秋山は、梅丸歌劇団に花咲歌劇団を越えさせたいという熱い思いを抱いていた。

コメント
 競い合った友人が、入団間近で事故に遭って踊れなくなった――そのことがきっかけになり、ぬるま湯に浸かる花咲歌劇団の団員に疑問を感じて辞めた秋山。踊りが忘れられずに梅丸歌劇団に来た彼女は、いつかわたしの手によって、梅丸歌劇団が花咲歌劇団を越えると目つきがランラン。彼女の言う「才能がない」というのは「がんばる才能」のことらしいですね。
 百ほど才能があれば、百実るのは当たり前です。少ししかない才能でも、石にしがみついてでも磨くのが芸の世界。継続は力と言っても、下手の横好きとも言う。みんなもがいているから自分も負けない、と今日も練習に励むスズ子は、さてどっちのことわざがピッタリでしょうか。

ブギウギ #13
 ストーリー
 後輩に抜かれたのがショックの桜庭は、家庭の事情もあって梅丸歌劇団をやめると言い出した。ひとりの脱落者も出したくない大和礼子が説得しようとしたとき、スズ子が彼女を説得。桜庭は思いとどまるが、世間が不景気になったため、歌劇団の社長は団員の賃下げと人員削減を決意する。

 コメント
 ものごとは続けなければ意味がない。だが、続けるにはどうしたらいいのか?
 好きなことを辞めるのも勇気が要るというスズ子パパ。そうなんだよね。好きなことって、どうしたって辞められない。だからこそ、桜庭の辛い気持ちがよくわかるスズ子なのであります。
 賃下げと人員削減なんてひどすぎるけど……、世の中、強いモノが生き残っていくのだよ。無念。

 ブギウギ #14
 ストーリー
 突然の賃下げと人員削減通達に、団員たちは猛反発。大和礼子は先頭に立って戦うことを宣言する。新人三人と桜庭は辞めることになったが、待遇改善のため、みなは団結することになった。スズ子パパは、これを『アカではないか』と心配。しかし劇団側はお金をチラつかせて団員たちをバラバラにしようとする。大和礼子はストライキを宣言するが、橘アオイは大反対する。
コメント
 労働者の権利という概念は、第二次大戦時には目の敵にされてしまいます。現代でも、働き方が変化したことにともなって労働者の権利も微妙に変わってるのです。会社のいいなりに働く人のことを、ネット用語で「社畜」と呼びつつも、その社畜に甘んじなければ生き延びられない人々。団結したくても、今どきの若者には元気がない。まだ『アカ』と言われつつも頑張ってたこの時代の人の方が骨がありましたね。

 ブギウギ #15
 ストーリー
 アオイと礼子の間に亀裂が走る。しかし大和礼子は社長に直談判するため、梅丸歌劇の劇場前に立っていた。そこへ迷いながらもスズ子が参加。いよいよ社長室前に二人が行くと、なんとアオイが礼子のために社長と直談判しているところだった。社長の返事は冷たく、スズ子はがまんできずに二人に割り込む。世のため人のため、会社の為もおおいにけっこうだが――言いかけて絶句するスズ子の代わりに、礼子が「自分を大事にしないものは、お客さんも会社も大事にしない。要求を受け容れないならストライキする」と宣言。勝手にしろという社長の返事に、一同はストライキを決行する。
 コメント
 あの時代で「相手の意見を尊重する」という考え方があったというのが驚きです。戦前戦中は「一致団結」が主流だったはず。礼子の受けた教育は、そうとう高度ですし、器もかなり広い。アオイが惚れるのもムリはない。
 かくして劇団有志一同は、ストライキを決行することになりますが、特高とか出て来そうでこわいですね。自由意志が抑えつけられる時代ですからね。
 現代では、労働者の権利については、働き方の多様化でずいぶん感覚がちがっているような気がします。前述したように、社畜と言われてがまんしている人も多い。次回がたのしみですね。

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