3年付き合った彼からプロポーズされたのが去年の3月。1年後である数日後入籍する予定です。
大好きな彼と結婚できることは本当に嬉しいし、法的にも家族と認められることに関して、今後一生を添い遂げる相手であり必要なことだと理解してはしています。

私は昔から苗字で呼ばれることが多く、下の名前で呼ばれるのは家族か彼に限定されていました。私自身も自分のことを苗字で呼ぶくらい、今の苗字にアイデンティティーを持っています。

それがこの度の入籍で、一気に変わってしまうことに寂しさを感じて仕方ありません。

彼の苗字が悪いわけではなく、純粋に「自分が自分でなくなるような感覚」「今までの自分が消えてなくなってしまうような感覚」が本当に苦痛です。

彼本人にはこのように感じていることを伝えており、申し訳ないといってくれています。彼は妹しかおらず、私には弟が二人いますので私の苗字に変えたら彼のお家の苗字が途絶えてしまいます。なので苗字は彼のものに変えるのも道理に適った選択であることもわかっています。


「あなたはあなたのままだから消えたりしないよ」といってくれた方もたくさんいます。優しいお言葉をかけてくださって本当に嬉しいです。きっとそうなんだと思います。でもそうじゃないんです。

今まで25年間「名前は？」と聞かれたら答えていた当たり前の名前が変わるのです。新姓になってから出会う人は私のことを新姓で呼ぶでしょう。ごくごく当たり前のことです。
すぐに慣れていくよと既婚者の方々はお話ししてくださいますが、私は一生慣れたくありません。夫とは言えど、私が生まれ持ったものではないからです。人のもの、借り物と考えてしまうから。

私が旧姓で過ごしてきた時間と同じくらいの時間が経てば、私も新姓のことを気に入って「変えたくない」と思うのでしょうか？借り物だと思わないのでしょうか？これが自分の名前であると思えるのでしょうか？

職場の上司にできれば旧姓のまま働き続けたい旨を相談した際、「できるけれど、なんで変えたくないの？次の職場に行ったら変えることになるんだし、変えちゃったらいいじゃない」と言われました。どうしても愛着があって変えたくない旨を伝えると「そんなこと言わないであげて、旦那さんがかわいそうよ」というのです。
最終的には渋々別姓を認めてくれたものの、悔しくて悔しくて帰り道で泣きました。思い出した今でも涙が出そうです。

私が苗字を変えることは、上司の言う「かわいそう」には当たらないのでしょう。
結婚したら女性が姓を変えることは当たり前と思っているから。
これが逆だったらどうでしょうか、きっと上司は「いい旦那さんね」なんて言うのでしょう。私のことは「いい奥さんね」とは言わないのに。

昔から漠然と結婚しても苗字変えたくないな〜と思っていたので夫婦別姓の話については目に入ればちらっとみていました。
最初に見たのは18ぐらいの時だったと思います。夫婦別姓に次いでの議論が活発になっておりもしかしたら変わるかも！と大きく報道されていましたが、いつの間にかその話もなくなり、と言うのを数回繰り返していたような気がします。
その時は「まあ私が結婚する頃には変わっているでしょ」と簡単に考えていただけでした。

友人に結婚報告をした時も、「夫婦別姓ってもうできるんでしょ？」という人が一定数いて驚きました。でも当事者ではない人たちの意識はそんなものだろうと、昔の私を思い出しています。
きっと当事者になった時、後悔する人もいるんだろうな。私みたいに。
そうなってほしくないと最近は強く思うのです。

自分の姓を名乗りたい人、
配偶者の姓を名乗りたい人、
それぞれが選択できるようになって困ることってなんでしょうか？

私は今までも、これからも、本当の自分の名前は旧姓のままだと思うことでしょう。

戸籍上の名前は変わっても、旧姓で呼び続けてください。
旧姓で呼び続けてくれれば、ちゃんと自分が存在していることを確認できるから。

秋山のことを少しでも知っている人たちへ、どうかお願いです。